FOMCにて0.5%の利上げ。材料出尽くしからか一時反発も、金融引き締め観測で再びの下落局面。
前週からの動向
ビットコイン(BTC)は日本時間5日夜から下落をはじめ、本日には年初来安値を更新する展開となっている。4月上旬から40,000ドルを挟んだレンジ相場が続いていたが、5日を境に再びの下落局面に突入し、本日には一時30,000ドルを下回る場面も見られた。
5/3~5/4に開催されたFOMC(米連邦公開市場委員会)にて政策金利を0.5%引き上げることが決定された。22年ぶりの大幅利上げとなったが、市場予想通りの数字であったことや、FOMC後の記者会見にてFRB・パウエル議長が「0.75%の利上げに関しては積極的に議論はされていない」という旨の明言をしたことで、安心感から株をはじめとする変動資産の買戻しが一時的に発生したが、継続的な金融引き締めが明確化されてきたことで、再び下落に転じる結果となった。
現在、若干の反発で30,000ドルを維持しているものの、テクニカル的には4月下旬から見られている25日移動平均線と50日移動平均線のデッドクロスに加え、25日移動平均線と100日移動平均線もデッドクロスが発生しかけている。上方には抵抗となりそうな価格抵抗ラインも複数控えているため、弱気相場の長期化を心配する声が多い。
しかしながら、ドルベースでの現在の価格帯は、昨年同時期の下落後の揉み合いでの安値水準であることに加え、今回の急落では1,000億円規模の大量ロスカットも見られており、長期保有前提で仕込み始めるチャンスと見る投資家も少なくないようだ。
他金融市場
金融引き締め観測を受け、ドル円は再度直近高値を更新し、9日には131円30銭を超える場面もあった。
株式市場ではダウが3月に付けた年初来安値を一時下回る。
特にグロース株(成長率が高く、将来にわたって株価上昇が期待された企業の株式)の下落率が大きく、9日の相場ではNASDAQ指数は4.29%の大幅下落、S&P500は3%超の下落で、昨年3月以降、1年以上ぶりに4,000ポイントを下回った。
長期間相場を牽引していたハイテク株の大幅下落は、多くの投資家に悪影響を及ぼしたと思われる。
アセットクラスのポートフォリオを見直すにはいいタイミングかもしれない。
筆者:齊藤成芳
参照:Bitcoin日本語情報サイト
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