前週からの動向
暗号資産相場は週末から上昇をはじめ、5月の停滞を脱するかのような動きとなっている。
ビットコインは一時32,000ドルを上抜け、5月12日の急落前の水準まで値戻しをした。
中国による新型コロナウイルス感染症対策の主要都市での一部緩和が始まることを受け、景気回復期待から市場には久しぶりにリスクオンムードが漂った。
また、欧州株は約一か月ぶりの高値を付けるなか、米国は30日はMemorial Day(戦没将兵追悼記念日)にて株式・債券市場が休場。金融市場の好転ムードで真っ先に選好されることが多い米国株の売買が行えないことで、暗号資産市場にはリスク選好マネーが多く流入してきたようだ。24時間365日売買・送金が行えるという暗号資産の特徴が、良い方向に現れたこととなり、ひとつのアセットクラスとして他金融資産と比較した際のメリットが、投資家たちに再認識されたことになっただろう。
アルトコインもおおむね同様に推移したが、今回の上昇ではビットコインの上げ幅が大きく、ドミナンスは44%を回復。弱気局面から一転上昇の相場では、個別物色ではなくまずは本命ビットコインを、と考えた投資家が多かったようだ。
他金融市場
米国の金融引き締め観測により、大幅なドル高・円安となっていたUSD/JPYは、131円を付けた今月頭から徐々に調整をしていたが、直近は再度ドル高に値戻しをし始めた。急激なドル高への調整が終わり、再度金融引き締めを背景とするドル調達のフェーズに入ったか。
米国株は週末にかけて大きく上昇したが、未だ下落トレンドの上振れの位置に過ぎない。もう一段高があれば、安心買いが入ってきそうな価格帯だ。
筆者:齊藤成芳
参照:Bitcoin日本語情報サイト
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