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アルペジオーネという謎の楽器を買った話3

去年の12月に買った楽器"アルペジオーネ"。
この記事ではアルペジオーネを手に入れてから購入したもの、改良した点などを書こうと思う。

アルペジオーネの概要や なぜアルペジオーネを買ったのかは以下記事、

届いたアルペジオーネの仕様は以下記事を参照してもらえると助かる。

新たに買ったもの

まずアルペジオーネを始める上で元々持っていなかったもの、改良のために追加購入したものが以下の4つだ。

 ・弓(アルコ)
 ・弓用の松脂
 ・スタンド
 ・新しい弦

1.弓(アルコ)と松脂

アルペジオーネは「弓で弾く擦弦楽器」である。当然弓が必要になるわけだが僕は弓を持っていないので新たに購入するのは自然な流れだった。

ただ弓はギターのピックを買うような気軽さで買えるものではない。

まず楽器屋でよく買えるピックは多くが100円ちょっと。結構高いもの、例えばRed Bear社のピック(有名なユーザーだとガスリー・ゴーヴァンだろうか?)は$27.0≒3,000~4,000円くらいはする。

それと比べて弓はメーカ、使用された木のグレード等を考慮しても万越えは当たり前、ウン十万も珍しくない世界なので楽器本体を買うのに近い感覚だ。

そんななか僕が買ったのは……

Amazonで買えるとは便利ですね

知らないメーカーの16,800円の弓だった。
さすがに10万、20万の弓を買う度胸がなかったのもあるし、値段の違いを理解できるのかというのもあったので(弓にしては)安めのものをチョイス。

ちなみに「カーボンファイバー」と書いてあるようにこの弓は主にカーボンでできている。木材よりも気候変化に強いというものあるが、人口材を使った方が個体差が少なくなりハズレを引きにくいのでは、という選定理由が一応ある。

コントラバス弓とそれ用松脂というチョイスは昔触ったことがあるというだけで特にこだわりはない。

2.スタンド

どっちかというとこだわったのはこっち。
というのも、元々はシンバルか何かのスタンドが付属していたのは前回の記事の通り。

三脚に近いので安定するかと思いきや……

ただ弓で弾くと楽器が揺れること揺れること……。

コントラバスを触っていたころは楽器を体に寄りかからせて、コントラバスの足と自分の体で支えていたから楽器単品で揺れることはなかったし弾きづらくもなかった。

一方アルペジオーネはスタンドの足で自立しているので体で支えるのは難しいし足ががっちりしてる分、上の振動が逃げないのだと思う。おかげで楽器が揺れて弓が浮くので音切れを起こしやすかった(びわの弓捌きが安定してないのは置いておく)。

このままではロングトーンですら快適に怪しい、かといってアルペジオーネに合う代わりのスタンドがすんなりと見つかるわけ……

Soundhouseより

見つかったわ。

元々はNS DESIGNというエレクトリックのヴァイオリンやらコントラバスやら作ってるメーカの製品。

デフォルトのスタンドからアコースティックのコントラバスやチェロのような一本足構造にするアイテムなのだが、このNS DESIGNのエレクトリック・コントラバスもデフォルトは三脚型のスタンドなのだ。

NS DESIGNのベース。構造的に似てる気もしないでもない

しかも「体に自然とフィットし、立ちながら演奏をする際の弾きやすさが向上します。」とあるのでびわがコントラバスでやっていた「コントラバスの足と自分の体で支える弾き方」ができるのでは……?

唯一「接合部のネジは合うのか」という問題はあったが、他に良さそうなアイテムが見つからなかったのもあり「いうてなんとかやるやろ」の精神で購入。

Soundhouse特有の超速配達により日を待たずに到着したのでさっそく取り付けた。

弓と松脂もぶら下げた

楽器との取り付け部ネジがもう少し長かったらなぁ、と思わないこともないが取り付いたのでヨシ!
スタンドから さすまた のような形のパーツがついているがこれを自分の腰に当てて楽器を支える。

これでアルペジオーネを弾くのに必要な物は揃ったのでさっそく弾いてみよう。

う~ん、慣れないしこんなもんか。
ピエゾピックアップ2個だけで楽器の共鳴やらリバーブやらがないので味気なく聞こえてしまう点は仕方がない。
とはいえシンバルスタンドよりは楽器が揺れにくく安定して弾ける印象なのでこれは買ってよかった。

3.新しい弦

びわは新しい楽器を買ったら掃除も兼ねて弦交換をする癖がある。
この楽器も多分に漏れず弦交換するわけだが「何の弦を張るか」が課題だ。

前回の記事でも書いたが、このアルペジオーネは1~3弦がギターの弦で4~6弦がチェロの弦という変則セットになっている。
もちろんそんなセットは無い上に……

またSoundhouseから引用

1本で2,680円かぁ……。

昔コントラバスの弦を買ったとき1セット(弦4本)30,000円超えした経験があるのでギターやエレキベースの弦よりは高いことに驚きはしない。
しない……が、普段買っているのがエレキギターの弦なので1本2,680円と言われると二の足を踏んでしまう(余談だが びわが普段使っているエレキギター弦は、2024年の円高時代においても1,000円以下というローコストなジム・ダンロップ弦)。

またまたSoundhouse

そこで考えたのがギターのフラットワウンド弦を張る案。

前回の記事で「アルペジオーネは弓で弾く楽器であることを踏まえると、弓で擦りやすいフラットワウンド弦のチェロ弦が適任だったのだろうか?」と考察したわけだが、主にジャズで見かける「フルアコースティックギター」には高音域控え目な落ち着いたサウンドを担う一旦としてフラットワウンド弦が使われている。それをアルペジオーネにも張ればよいのでは?

というわけでThomastik-Infeld ( トマスティック・インフェルト )のフラットワウンド弦を購入した。

またまたまた以下略

さっきのチェロの弦は1本で2,680円だったが、これは1セット(弦6本)で3,180円である。
フラットワウンド弦は通常のエレキギター弦よりも太いものが多いが、この弦はほぼ同じ、低音弦に至ってはエレキギター弦より細いという珍しいスペックである。

1,2弦がなぜか金色プレーン弦

張ったところ、おおむね想定通りにいき、嬉しい誤算として3弦がプレーン弦から巻き弦になったため弓で弾くとき引っ掛かりやすくなった気がする。
引っ掛かりが悪いと弦をうまく鳴らせず、人の声が裏返ったような高い音になってしまうのでリスクを減らせるのはプラスだ。

改善完了

といった具合で楽器が届いてから割とすぐに物を買い足して自分が弾きやすいよう改善をした。
そこから練習して録画してみたのが最初の記事で紹介した演奏動画だ。

現在は縦の指版、弓の角度等まだまだ慣れが必要で「楽器に弾かされている」状態。
とはいえギターを弓で弾いたような感覚、サウンドはびわにとっても視聴者にとっても馴染みがないだろう。その珍しさと可能性を少しずつ広げ、自分のものにできたらと思う。

今回でアルペジオーネに関する記事はおしまい。追加で話題があればまた書こうと思う。

次回は演奏動画に登場したもう一つの主役……

スペイン産テレキャス風味

Sabrafen luthier "arnoia" を紹介の予定。

よければ次回も読んでもらえると嬉しい。

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