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読書感想:知識ゼロからの近代絵画入門(西洋絵画史でいちばん面白い100年)

いつまでも「アート」って何かしら?って言ってないで少しは勉強しようシリーズ、今回はこの本を読みました。

19世紀から20世紀初頭にかけての西洋絵画の歴史をわかりやすくまとめた本、著者はテレビ「ぶらぶら美術・博物館」などでもおなじみ山田五郎さん

副題に「西洋絵画史でいちばん面白い100年間」とあるとおり、とてもエキサイティングで面白い本でした。

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近代絵画完全に理解した!

ロマン主義から印象主義、象徴主義などを経てダダイズム、シュルレアリスムに至るまでの変遷を辿りながら、それぞれが目指したもの、なぜそこに至ったのかをわかりやすく、体系だって説明してくれます。

それぞれを代表する画家と作品の解説も沢山掲載されています。大判の本ではないし、掲載数も多いのでそれぞれの作品は小さいんですが、作品を楽しむためではなく知るための参考資料としては数が多いほうが嬉しい。
画家の相関図も面白いです。

山田五郎さん説明はとにかく簡潔でわかりやすく、いろんなエピソードも散りばめられていて読んでいてとても楽しいです。おかげで美術ド素人の私にもすんなり理解でき、ページをめくるたびに「なるほど!」「へー!」「そういうことだったのか!」と腹落ちが止まりません。

例えば今まで「フォーヴィスム」は色彩が激しくて荒々しいから「野獣派」と呼ばれたぐらいの理解でしたが、この本を読んで象徴主義、印象主義、表現主義との関係、その激しい色彩の必然性を知ることができました。なるほど、名前がついて後世まで残るわけだと納得です。

専門家からすると、「それは言い過ぎ」「そこ端折り過ぎ」という点があるのかもしれないけれど、タイトルにある知識ゼロからの入門書としては大成功の超良書だと思います。

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ドローネーとクレー

この本を読んで、ロベール・ドローネーパウル・クレーがとても気になりました。
なんだかとてもクリエイティブ・コーディング的というか、親近感を覚えるというと失礼でしょうか…

ロベール・ドローネー 「リズムNo.1」

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パウル・クレー 「At the Core. 1935」

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次はパウル・クレーの著作、これを読んで勉強しようと思います。


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