電電会館 住宅街のビアガーデン

山手駅から徒歩15分ほどの、根岸湾を見下ろす山の手に、

電電会館、といわれる施設があった。

電信電話株式会社の保養施設だったのだろうか。
レストランと、会議室、宴会場、宿泊施設などを備えた建物で、一般の人も利用可能な施設だった。

立派な庭園があって、眺めも良くて、地元民としては、山手のドロフィンと共に何気に便利な施設だった。ちょっと外にお食事に行こうか、と言う時に。

今から30年ほど前ぐらいまで、夏になると、夕方、山手駅からサラリーマンのおじさんたちがタクシーに乗りあい電電会館に向かう姿がよく見られた。

毎年夏になると電電会館でビアガーデンが開かれていたのだ。
今から考えるととても不思議、住宅街の中に突如現れるビアガーデン。

海は見えるし、石油コンビナートの夜景は綺麗っちゃきれいだけど、
SNSもない時代に、よく集客出来ていたなぁと感心する。

ご近所のお姉さん、お兄さんたちは高校生になるとこのビアガーデンでアルバイトをする人も多くて、私も大きくなったらここでアルバイトする―、って思ったものだ。

民営化されNTT会館と名前を変えた後もしばらく営業していたけれども、
もう閉鎖されて10年以上、建物はそのまま放置されている。

いつか、壊されてマンションなんかが建つんだろうけれども、

もう一度、あのビアガーデン、大人になった今、行ってみたいよ。

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