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プロの技をお家でも!インテリアスタイリングでお部屋がもっと素敵になる

みなさん、インテリアスタイリングって聞いたことありますか?広告などの写真撮影の時に、クライアントがつくりたい商品のイメージや背景をつくる仕事です。家電製品でも商品単体の写真より、実際に使われている(ような)暮らしの一場面の方がイメージが湧きやすいですよね。そんな風景をつくる仕事がインテリアスタイリングです。

ただお部屋を再現するだけではなく、スタイリングには「うつくしく見せるための技術」が詰まっています。歴史的にも、優れた建物や家具のデザインは幾何学的に「人が美しいと感じるバランス」を追求した結果なんです。そうした原則を使いながらプロのデザイナーやスタイリストはシーンを作っています。今日はそんな「スタイリングテクニック」を使って、プロじゃなくてもお部屋をもっと素敵にする方法を探っていきたいと思います。

こちらはスウェーデンの人気インテリアデザイナー、フリーダ・ラムステッドがセンスに頼らず、歴史的にも裏付けされている美の法則を使って、心地いい空間をつくるテクニックを紹介している本です。空間がどうして美しく見えるのか、どんな部分に人は居心地の良さを感じるのかが丁寧に解説されていて、「一家に一冊!」常備しておきたくなる魅力的な内容になっています。

その中の「6章:スタイリングのテクニック」として、「静物画」をつくるテクニックが紹介されています。この本を読むまでは、日本のインテリア界隈で「静物画」なんて表現は聞いたことはありませんでしたが、内容を読んで言い得て妙だな、と感心しました。

人の目を引いたり、実現したい雰囲気を強化するために、インテリアデザイナーはよくアイテムをグルーピングします。そんなワンシーンのことをスウェーデン語で「静物画」と呼びます。

『北欧式インテリア・スタイリングの法則』フリーダ・ラムステッド著 フィルムアート社

これこそがスタイリングで、物をバランスよく配置して、人の目をひきつけるテクニックです。「三角構図」などが有名で、ショップのディスプレイでも必ず意識されているテクニックなんです。インテリアショップ、リセノさんが詳しく解説してくれているので動画を参考にしてみてください。

お部屋にお気に入りの「静物画」コーナーをいくつも持っていると、日々の生活が断然楽しいものに変わってきます。おすすめは以前ご紹介したフォーカルポイントなど、自然と目が留まる場所を飾りつけること。一度作ったらしばらく配置換えをしなくてもいいような玄関の下駄箱の上や、チェストの上、本棚などが「静物画」を作るには最適な場所となります。

今日は以前私がスタイリングさせていただいた実例を、「静物画」テクニックの視点からご紹介します。日本ペイント「ROOMBLOOM」さんからのご依頼で、壁の色からイメージした暮らしの風景を再現しました。テーブルの上が「静物画」のように美しいなんて、日々の生活に追われる私にはなかなか実現できない夢のまた夢ですが…。ぜひ「あまり動かさない場所」で実践してみてくださいね!

壁の色:Snowy morning by ROOMBLOOM 撮影:平松写真事務所

こちらは30代のカップルのお部屋をイメージしました。バランスよく見せる時には3つのアイテムを意識するとうまくいきます。

①背の高いもの(花瓶、テーブルランプ、大きめのポスターや額など)
②水平を感じさせるもの(お皿、横に置いた本など)
③ ①と②の間を埋めてくれるもの。

「静物画」をつくる3つのアイテム

この場合西ドイツのヴィンテージの花瓶を三角の頂点にして、素材感にばらつきを持たせながら下のお皿や本の水平ラインにつなげていきました。花瓶やマグカップがツヤを持つ陶器なので、間にはザクザクっとした素材感があるチョコレートクッキーやクラフト感を感じさせるカゴを置いて、居心地のいいリラックスした雰囲気を出しています。また壁の色「Snowy  Morning」はニューヨークをイメージして作られた色だったので、ステンレスのキャニスターを加えて都会っぽさも意識しました。

壁の色:Mellow evening by ROOMBLOOM 撮影:平松写真事務所

続いてParisからインスピレーションを受けた、Mellow evening というすみれ色のお部屋。背の高いアイテムはヒヤシンス、カップアンドソーサーやシルバートレイで水平を出しています。同じシルバーでも銀とステンレスでは全く表情が変わりますね。リネンのテーブルクロスを壁の色と合わせることで洗練された雰囲気が出ます。紅茶の缶やチョコを入れた小皿に黒を使うことで、大人っぽさを出しました。

壁の色:African Dance by ROOMBLOOM 撮影:平松写真事務所

こちらで使っている赤は、実は私のアトリエでも使っている赤。同じ色でも合わせるものによってずいぶん雰囲気が変わるのがお分かりいただけると思います。
女子会をイメージしたスタイリングなので、赤の補色である青や緑を使ってエネルギッシュな雰囲気を出しています。ところどころに強い色がアクセントとして入っているので、水平のアイテムには木のまな板を使ったり、よく目立つstaubのお鍋には壁と同系色のものを使ったりしてバランスをとっています。

いかがだったでしょうか。
「静物画」テクニックの良さはなんといっても手軽に試せること
1.飾る場所を見つける 
2.家の中から3つのアイテムを探してくる 
3.写真に撮って客観的に見え方を確認。イマイチなら作り直そう!

3ステップでいくらでもインテリアの練習ができるし、うまくいったら毎日そのコーナーが自分を癒してくれます。これはフォーカルポイントと共に、すぐにでも実践でき、ものすごい効果を期待できるテクニックの一つ。ぜひ週末にトライしてみてください!

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↓ROOMBLOOM 他の実例はこちらでみられます。

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