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身命を賭す

「身命を賭して〜」、本の中に出てきた表現にふと目が留まったんだ。
最初は読み方が分からず、しんみょう?しんめい?と悩み調べてみると、どうやら「しんめいをとす」と読むらしい。

なんだかやけに引っ掛かる。音と字面が妙にハマる。

「命を賭けて〜」なんて言葉は映画や漫画の中で度々見かけるけども、実生活で使う日は来るのだろうか。
命をも捧げるほど取り組みたい事、得たいものってなんだろう。自分にはあるのか?

いや、現状ないな。きっと絶体絶命の瞬間が訪れたら生に泣いて縋ると思う。

ジョルノに覚悟はあるのかって聞かれてもきっと応えられない。

不思議な引力を持つ「身命を賭す」に出会った日、何の気なしにボヘミアン・ラプソディを観た。

あれほど有名なバンドだから知ってる曲も沢山あるけど、其の実メンバーの名前とか時代背景とかはまるで知らない。
ほぼ無知識で観た映画、だがしかし観終わる頃には涙が溢れて止まらなかった。

“I decide who I am.”
なんてセリフがものすごく切なく感じる一方で、その言葉の内で静かに燃え上がる炎の如き力強さが見えるのが最高にカッコよくて。

そして就寝前に映画を振り返って思った。
ああ、彼こそ「身命を賭した」人だったんだな、と。


どうやら実世界でもそんなことがあるらしい。それが全く知らない遠くの誰かなのか、はたまた友人か、自分か。
未だ出会わぬ奇跡とも言えようこの事態は、なんだか少年漫画の主人公のような夢を抱えているように思える。
不安と期待が入り混じったこの感覚。

私はすっかり「身命を賭す」の虜だ。

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