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今さら聞けない「OJT」とは?基礎知識を紹介

社会人の皆さんは「OJT」という単語を一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。OJTは企業が人材育成をするために必要不可欠な手法と言えるでしょう。そこで今回はOJTについて詳しく解説します。

目次

1.OJTとは
2.OJTの目的
3.OJTとOFF-JTの違い
4.OJTのメリット
5.OJTのデメリット・注意点
6.効果的なOJTのポイント
7.まとめ


1.OJTとは

OJTとは「On-the-Job Training」の略で、職場での実践を通して業務知識などを身につける人材育成の手法です。文字通り「仕事しながらの訓練」を指し、従業員が実際の業務を通じてスキルや知識を身につけることを目指します。初対面のタスクに対し、経験豊かな先輩が近くで支援を行いながら、新しいスキルや情報を継続的に学んでいきます。


2.OJTの目的

OJTの目的は、新人が即戦力として業務に取り組むことができるよう専門技術やノウハウを直接、実践的に学べる環境を提供することにあります。またチームワークを強化し、企業文化を理解しやすくする点でもその価値は非常に大きいと言えるでしょう。

さらにOJTは、わからないことや不安が多い新人段階の従業員や未経験者、入社したばかりの中途社員を対象として行われるため精神的な不安の解消にも繋がります。


3.OJTとOFF-JTの違い

OJTと似た単語で「OFF-JT」という単語を聞いたことがある人もいるのではないでしょうか。OFF-JT(Off-the-Job Training)とは、業務を離れた環境で行う研修のことを指します。OJTは「実務中」、OFF-JTは「実務外」での学びを提供します。前者は実践的な経験を重視し、後者は理論や基礎知識の習得を目指します。またOJTの指導者は社内の上司や先輩が担当することが多い一方で、OFF-OJTの指導者は外部講師や人材育成担当者が行うことが多いです。


4.OJTのメリット

次にOJTを行うメリットを3つご紹介します。

①実践的なスキルの習得

実際の業務を通じて学ぶため、理論だけでなく実践スキルも同時に身につけることができます。OJTでは上司や先輩社員と「指導、実践、フィードバック、改善」のサイクルを通して研修を行うため、スキルの定着も早く、新人は即戦力となりえるでしょう。

②教育コストの削減

OFF-JTと違い、OJTでは経験豊かな上司や先輩社員が指導することができるため、外部講師の費用や外部での研修・セミナー費用をおさえることができます。

③コミュニケーションの強化

日々の業務を通じてチームとコミュニケーションをとることで、チーム内の結束を強めることができます。入社したばかりの新人社員や中途社員の中には、わからないことが多く不安を感じている人も多くいるでしょう。OJTで上司や先輩とコミュニケーションを取り関係を深めることができるため、不安解消と孤立の防止にもつながります。


5.OJTのデメリット・注意点

次にOJTのデメリット・注意点を2つご紹介します。

①均一性の欠如

指導するメンバーによって教え方やスキルが異なり、教育の質が均一でなくなる可能性があります。先輩Aが教えてくれた方法と、先輩Bが教えてくれた方法が違うといったことが起こる恐れがあります。

②業務の遅延

OJTは実務を行いながら訓練を行うため、タスク完了に時間がかかる可能性があります。指導する側の負担が大きくなるため、業務に支障が出ないように指導者への配慮やサポートが不可欠です。


6. 効果的なOJTのポイント

上記のデメリット。注意点を踏まえて、OJTをより効果的な研修にするためのポイントを3つご紹介します。

・指導者側の研修を行う

デメリット・注意点でもお伝えしたように、指導者によって業務のやり方などが異なる可能性があります。こうしたデメリットを解消するためにも、指導者側の教育やスキルアップにも力を入れることやOJTのマニュアル化を行うことが必要となります。

・明確なゴール設定

OJTを行う前にOJT後の具体的な目標を設定することが重要です。目標は短期的なものと長期的なものを決めたほうが半年後・一年後にどのような姿になっているべきかを把握することができ、その姿に合わせて研修内容を検討することができるためオススメです。

・企業全体で取り組む姿勢

デメリット・注意点でもお伝えしたように、指導者側に負担がかかりすぎてしまうと適切な指導をすることが難しくなってしまいます。したがって企業全体で新人社員を教育するという意識が大切です。指導者側の業務の調整やフィードバックを行う体制を整え、従業員が安心して学べる環境及び企業全体でフォローする体制を作りましょう。


7.まとめ

OJTは企業が新しい従業員を迅速に育成し、実務に活かすための実践的な手法です。メリットもあればデメリットも存在しますが、計画的で体系的なアプローチを取り入れることで、その効果を最大化し、企業と従業員双方の成長をサポートする強力なツールとなり得ます。一人一人の成長が企業全体の発展に繋がり、その結果として企業価値を高めることになります。OJTが持つこのポテンシャルを最大限に引き出し、持続可能な発展を実現していくことが、現代の企業にとって求められる課題であり、チャンスであると言えるでしょう。