菩提心の称賛《宝珠の灯》第21偈
21)皆に役立ちたいならば、菩提心が必要である。
皆と親しくなりたいならば、菩提心が必要である。
皆から信頼されたいならば、菩提心が必要である。
皆の善知識となりたいならば、菩提心が必要である。
普段は「全て(kun)」と訳す言葉を、
「皆」とした。
菩提心は、心をもつ全ての存在を、
苦しみから助け出したいと欲す大慈悲と、
それを自ら成し遂げようとする殊勝な心を必ず経過して生まれる。
逆にいえば、それが無ければ生まれない。
「心をもつ全ての存在それぞれ」のために役に立とうとする心は、
役に立とうとする心の様相より、
「心をもつ全ての存在それぞれ」を射程に入れることの方がずっと難しい。
自分の愛する者のために役立とうとすることは簡単だけれど、
目の前にいる問題をおこす者の役に立ちたいと思うことは、
思うことすら難しいから。
菩提心が利益したいと望む対象は、
相手を選ばない。
近くとも、
遠くとも、
その射程内にある。
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