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菩提心の称賛《宝珠の灯》第125偈

125)卓越した力、菩提心。
卓越した利他、菩提心。
卓越した棄悪、菩提心。
卓越した離怖、菩提心。
 
 
 
「卓越した力」は、チベット語原文で「力の卓越したもの(stobs kyi phul phyin)」。
「棄悪」の意味は、「過失を捨て去るもの(skyon spong)」。
「離怖」は、「怖れから離れたもの(’jigs bral)」。
 
「力」と「利他」と「棄悪」と「離怖」に通じるものは何であろうか。
 
本偈では、菩提心の男性的な力強さを感じる。
 
「力」はもちろん、強さを表す、力持ちの力。
 
自らにある悪、過失を捨て去ることも、
覚悟を持って直面しているような臨場感から、
強さを感じる。
 
恐怖から離れていることも、
獅子のように顔をあげて、
恐れにびくともしない強さを感じる。
 
上下の行と合わせて考えると、
二行目の「利他」も、
優しく育むような「利他」ではなく、
能動的にものごとを動かす利他行の印象をうける。
 
菩提心にもさまざまな側面があるけれど、
 
明るく、強く、利他行を押し進める、
そして何故か男気を感じる、
非常にポジティブな側面を垣間見たような気がする。

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