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旅のうた(歌日本紀行)

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#メタ観光

(第5回)相模線で聴く「天気雨」(荒井由実)

(第5回)相模線で聴く「天気雨」(荒井由実)

 ひとはなんでも知っているような錯覚に陥っているけど、案外いろんなことを知らない。ニッポンのことや各地域の「細やかな状況」など、それは知っているようで、ぜんぜんわかってなかったりする。私にとって、その知らないことのひとつが相模線だった。

 JR相模線は、神奈川県相模原市の橋本駅から茅ヶ崎市の茅ヶ崎駅まで、南北に走る約33キロの路線である。朝夕は横浜線に乗り入れ、八王子とも直通で結ばれる。もとは相

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(第2回) 竜飛岬で『津軽海峡冬景色』を唸る

(第2回) 竜飛岬で『津軽海峡冬景色』を唸る



初夏の津軽。竜飛岬先端から津軽海峡を眺める。

 作詞家の阿久悠氏が以前どこかで、「昨今の歌は、歌詞が飛んでいない」と言っていた。冒頭三行で聞き手の気持ちを、日常の位置からどこか遠いところへ連れて行ってあげることが重要だと、そんな主旨のことを語っていた。そのときに例にあげていたのが、この『津軽海峡冬景色』である。

 「上野発の夜行列車 おりた時から 青森駅は 雪の中」

たしかにこの歌は、こ

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