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10/30放送分「ハロウィンの由来と経済効果」

ハロウィンは、毎年10月31日に行われるお祭りで、みんなが仮装をして、お化けやモンスター、魔女などになりきります。また、カボチャをくり抜いて顔を作る「ジャック・オー・ランタン」も有名で、夜に灯をともして飾ります。

ハロウィンの起源は、古代ケルト人が祝っていた「サウィン祭(Samhain)」というお祭りにさかのぼります。サウィンは毎年10月31日に行われ、この日を境に夏が終わり冬が始まると考えられていました。ケルト人は10月31日の夜になると、亡くなった人の霊がこの世に戻ってくると信じていました。霊を迎えたり悪霊から身を守るために、焚き火をしたり、仮面をかぶって魔物に変装したりしました。

その後、サウィン祭りがキリスト教の影響を受け、11月1日の「諸聖人の日(All Saints’ Day)」が祝われるようになりました。10月31日は「諸聖人の前夜(All Hallows’ Eve)」と呼ばれ、これが「ハロウィン(Halloween)」の語源になりました。

ハロウィンがアメリカに広まったのは19世紀頃、特にアイルランドやスコットランドからの移民が持ち込んだと言われています。アメリカでお菓子を配ったり仮装を楽しむイベントとして定着し、現在のような形になりました。そして今では、アメリカだけでなく、世界中で親しまれるお祭りになっています。

日本でハロウィンが広く知られるようになったのは、1970年代頃からです。この頃、東京の原宿にある「キディランド」がハロウィンのグッズを販売し始めたのがきっかけと言われています。また、1980年代には東京ディズニーランドがハロウィンのイベントを開催し、さらに人気が高まりました。

その後、1990年代には多くのテーマパークや商業施設がハロウィンのイベントを行うようになり、若者や家族連れが仮装を楽しむ文化が定着していきました。特に2000年代以降は、渋谷など大都市で仮装パレードやイベントが盛んになり、日本中で楽しむ秋のお祭りとして認知されるようになりました。

ハロウィンの盛り上がりは、経済効果の数字にはっきりとあらわれています。今やその経済効果は1300億円以上。バレンタインデーを超え、国民的行事と言えるまでに成長しました。
2011年にはハロウィンの経済規模は560億円に拡大し、2012年には805億円。2016年には1345億円にまで成長しました。これは日本記念日協会で推計されているイベントの中ではクリスマスに次ぐ高い金額です。

日本のハロウィン市場は、近年の成長を受けてさらに多様化が進むと予想されます。アニメキャラクターとのコラボレーションや、環境配慮型のコスチューム、ペット用の仮装アイテムなど、新しい分野での展開も進んでいます。さらに、ハロウィンイベントを観光資源として推進し、地域ごとの特徴を生かしたイベントが行われることで、地方創生にも貢献する可能性が高まっています。
こうした観点から、ハロウィンは今や一過性の流行を超えて、日本の秋の一大商業イベントに成長しているのです。

昭和世代には馴染みの薄く、違和感を感じがちなハロウィンですが、いつの間にか市民権を得ましたね。明日はイベントに参加したり限定スイーツを買うなど、ハロウィンを楽しんでみてはいかがでしょうか。

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