映画『パウ・パトロール ザ・マイティ・ムービー』で人生を感じた話

クリスマスイブに家族で劇場版パウ・パトロール『パウ・パトロール ザ・マイティ・ムービー』を見に行きました。この映画は2023年12月15日に全国公開された映画で、主人公の男の子「ケント」とその仲間である子犬たちが色んなトラブルを解決するアニメです。
今ちょうどマクドナルドのハッピーセットもパウ・パトロールですよね。

さて、そんな子供に大人気なアニメですが、今回の映画は私にもグサグサ刺ささりました。一言でいうと「人生ってこんなもんだよね」です。
以下、ネタバレになるので見に行く予定の方はここでブラウザバックをお願いします。



1.運と環境
本作は「小さくて弱い」というコンプレックスを抱えているパウ・パトメンバーのスカイという女の子(犬)が大活躍するストーリーになっています。

詳細は省きますが、赤ちゃんの時から兄弟の中でも小さくて体が弱く、悲しい経験を数多くしてきたスカイは、

「小さくて弱いからうまくいかない。選んでもらえない。」

というコンプレックスを抱くようになりました。

そんなある日、主人公のケントと出会い

これまでのようにくよくよ待っているだけでは何も変わらない。
自分から思い切って行動して飛び出してみるしかない。

とこれまでの受け身だった自分を変えようと行動します。結果うまくいき、今のパウ・パトロールのメンバーと大活躍する未来に繋がります。

「だからみんなも思い切って行動しよう!飛び出そう!」

というのが今回の主メッセージであり、本作の根幹となるエピソードです。

このエピソードで共感したのは、「運」を成功の要因として盛り込んでいた点です。

私は高校生のある時を境に自分から挙手して動くよう意識しました。最初はすごく勇気がいりました。初めて手を挙げて行った挑戦は普通に大失敗しました。周りにも迷惑をかけて、申し訳なさと恥ずかしさと無力感を感じたのを覚えています。

ただ手を挙げ続けているうちにうまくいくこともあります。そしてうまくいくときって、何かしら運の要素があるなぁと思うようになります。もちろん失敗からの反省もあります。でもあの時は時流がたまたまそうだった、あの人がいて助かった、なんかふと思いついた、みたいなことが自分の経験上多い気がします。今過去と同じことやっても同じ結果にはならないことばかりです。

不安とか緊張とか恐怖に打ち勝って自ら挑戦することは大事。だけどそれでうまくいくかどうかは別の話。

ここで言いたいのは、うまくいくかどうかは運、という身もふたもない話ではありません。運の要素は大きいかもしれないけど、うまくいかなかったときに心が折れない状況を作り、手を挙げ続けられることがとても大切、という話です。

自分は高校生の時に「恥かいても1年後に笑い話にすればよい。1年の我慢。」と本気で思い込むことにしたのがターニングポイントでした。メンタリティは人それぞれなので、チームとか組織においてはうまくいかなかったときにすくい上げる環境づくりがいるんだと思います。

スカイが「思い切って飛び出そう!」と叫んだ時、そんなことを考えながらすごく感動しました。

2.生き方のスタンス
正直今回、スカイではなくリバティが主人公だと感じました。大人は特にそう感じる方が多いと思います。

その理由は、生き方を応援できるからです。

映画のタイトル通り、今回はパウ・パトロールのメンバーが隕石に含まれる宝石を通じて「マイティパワー」という超パワーを手に入れます。今までより格段に強くなったメンバーは、どんどんトラブルを解決していき世間から称賛されていきます。

リバティを除いては。

メンバー全員がパワーアップしている中、リバティだけマイティパワーを得られませんでした。それにより、チームの成長についていけなくなり戦線から離脱、若手の教育係を任されます。いわゆる降格です。

ケントやほかの仲間が新たに獲得した力を意気揚々と発揮するシーンが来るたびに、「この配慮のなさはトラブルのもとだよなー」と大人ならハラハラする展開。

そんな中、リバティは責任感をもって教育係を最後までやり遂げます。不満も言わず、ポジティブに教育を頑張る姿を見てダンスをやってた頃を思い出しました。

大人数でのショーではどうしても後列の立ち位置になる人が出てきます。後列は観客からも見えませんし、練習中においても振付師からあまり見えません。踊っていても前の人の頭しか見えず、本当にモチベーションが下がっても仕方ない環境です。

しかしそんな時に不貞腐れて手を抜く人もいれば、立ち位置を決めた人に不満を抱く人もいるし、同じ後列の人を誘って練習会を開催してくれたり後ろから盛り上げてくれたりする人もいます。

自分がメインじゃない時や自己評価と他者評価がズレている時、どう考えてどう立ち振る舞うか。どうであれ現在地でやれることを精一杯やる。むしろ楽しんだ方が良い。そう考えて行動する人は応援されるし、周りに人が集まります。リーダーも頼りにできるというか安心感を抱き、それがその人にしかできないことになっていたりして唯一無二の人材になっていることもあります。

そんな実体験があったので、リバティの生き方は自分もそうでありたいと思える姿でした。



そんな感じで、なんか妙に人間味とか現実味がある映画で子供とは違う目線で感情を揺さぶられました。興味が湧いた方はぜひ。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?