うつ病初段 〜Webエンジニアが仕事を失くした二年間〜

まえがき

こんにちは。debiruです。サーバサイド開発とHTMLが好きなWeb開発エンジニアをやっています。

将棋界の 先崎 学 九段は、2017年6月に体調を崩してからうつ病と診断され闘病生活をされていたようです。その後、先崎九段による書籍『うつ病九段 プロ棋士が将棋を失くした一年間』が発売され、2020年にはテレビドラマ化もされました。

そんな先崎九段を他人事のように思っていた私でしたが、2021年1月に体調を崩し、うつ病と診断され療養生活を送っていました。

おかげさまで、2023年3月にようやく就労可能(復帰)できる運びとなったので、新たにうつ病になられた方の励ましのためにも、「うつ病」の症状や私の経緯についてまとめておこうと思います。

Youはどうしてうつ病に

知らんがな。
というか分からないですね。前触れはあったものの突然になった印象です。

2020年以前からちょっとだるいなとか「鬱だしのう」とか思ってた時期もありましたが、そんなのは序の口です。2020年11月ごろから、やや本格的に、「日中起きているのがつらい」「なんかめっちゃしんどい、寝たい」と思う時間帯が増えてきました。

私の場合、コロナ禍でフルリモートになり、家から出ない生活を続けていたのも影響していそうだなと自覚しています。

2020年4月

新型コロナで一回目の「緊急事態宣言」が出された時期です。私のいた会社では3月頃からリモートワークが始まった気がします。

2020年5月

あーなんか仕事うまくいかないなー。スクラムうまくいかないな。なんでエクセルでプロジェクト管理してるんだろ。今のチームがちょっとよくないのかなー。と思いながら4月の新年度から異動した先のチームで過ごしていました。(このチームが悪いと言いたいわけではないですが、当時の私の心情です)

2020年11月

(私は真面目なので)サボったりせずに与えられた仕事をこなしつつも、「なんか集中できないな」というのが強くなってきた時期です。「横になりたい」と思うことが増えて、仕事に区切りがついたら1, 2時間ほど仮眠をすることが増えてきました。12月も同様です。そして年末年始休暇を迎えました。

真面目なのでとか書いたけど、真面目だからこそうつ病になりやすいとか言われますよね。うーん。生きるのむずかしい。

2021年1月5日

年末年始休暇が明ける直前、やはり体調がおかしいと自覚していたし、これはあの「うつ病」ってやつかなと思っていたので、近くの精神科クリニックを受診しました。

まあまあ状況から察するにいわゆる「うつ病」でしょうね、ということで抗うつ薬が処方されました。

5日の夜に言われた通りに抗うつ薬を飲んだところ、薬が合わなかったのか私には強すぎたのか、強い動悸症状が現れてしまいました。それを落ち着かせるのにも苦労し(というかどうしようもなくとりあえず無理やり寝た)、次の日の朝に電話診療を受け、薬は中断し、安静に過ごしてくださいとのことだったので、「うつ病というよりは副作用で大変なので」という理由で、この時点で初めて会社に「これこれこういう事情なので、有給休暇で休みます」と年明け最初の平日を休む連絡を入れました。

そして次の月曜がやってきました。

2021年1月12日(月曜)

副作用はだいぶ落ち着いたものの、そのまま仕事ができるわけもなく、ここでうつ病による休職の決断をしました。1月12日から(有給ではなく)休職扱いにしました。

有給は10日間ほど残っていましたが、いざ復帰するときに有給が残っていた方が良いかと思って、ここでは区切りのよい12日月曜から休職扱いにしたのです。休職にすれば、休職期間にもらえる傷病手当の申請対象日にもなります。

そんなこんなで、私の療養生活がスタートしてしまいました。

うつ病の症状とアドバイス

まず、お伝えしておくべきことは、休職を始めた1月の時点で私の体調は明らかにおかしかったということです。

当時私が言っていたのは、うつ病というのは心の病気とかじゃなくて、とにかく体に異常を来す病気で、まるで極度の栄養失調症状のようだと感じたのです。

自分ではどうすることもできないほどに、体がいうことを聞かなくてしんどくて苦しいのです。

それなのにお医者さんは言ってきます。「散歩や運動を適度にしましょう」と。それを真に受けた私は体調が芳しくないのに、無理に散歩したり(知人に頼んで)パーソナルトレーナーをつけて一度「トレーニング」をしたりしました。体調的にしんどかった時期ですが、お医者さんに言われた「タスク」をこなすために頑張りました。

今思えば、散歩も運動もやらない方がよかったと強く思います。体調を最優先するのがうつ病を治す最善の薬です。無理に散歩とか行かなくていいです。寝ててください。そのうち寝すぎて寝るのが苦痛になるかもしれませんがそのくらいがよいと思います。自由に過ごしてください。「時間経過」と「自分にあった抗うつ薬」が第二の薬です。これのおかげで自然と体調が良くなってきますから、そうなれば散歩なんてちょちょいのちょいです。

「家でぐーたらしてても治らないよ」とか言う人がいても無視してください。治ります。というか他に何をしろというのでしょうか。体が言うことを聞かないのに、無理して何かをする必要はありません。

それから、どうした?

私の場合、4フェーズくらいありました。

不調期(2021年1月〜10月)

休職期間そのものです。10月末を以て私は「休職期間満了による退職」をしています。

この期間は前述した通り、体がいうことを聞かず、基本的に寝て過ごす安静生活を行っていた時期です。全く寝たきりというわけではないですが、寝起きはすこぶる体調が悪く、夜になるとだんだんと良くなる(といっても悪い)というような状況です。こういう状態を日内変動といいますが、もろにその状態でした。

1月以降は副作用があったせいで、抗うつ薬を控えていましたが、8月頃から新しい別の抗うつ薬を試し始めました。それが効いたおかげか、少しずつ、ほんとうに少しずつですが体調がよくなってきました。

逆に言えば、この時期は、(1月から)3ヶ月経っても5ヶ月経っても、1月ごろと変わらない体調不良が続いていました。それはそれは、もう何をしたら治るのか分からない地獄の期間です。家族にも説明ができません。そうしてそのうち言われてしまいます。「家でぐーたらしてても治らないよ」と。でもぐーたらするのが正解です。攻略の鍵は「時間経過」と「抗うつ薬」です。

不安定期(2021年11月〜2022年4月)

不調期よりは「苦しい体調」であったのが緩和されたものの、復帰できるほどには至らず、波によって(月のうちどこか一週間ほど)苦しい体調が戻ってくる、というような時期でした。

この頃、実は「もう寛解なんじゃないか」と思えるほどよくなったりもしていました。しかし「苦痛が抜けただけ」で「復帰できるほど安定していない」というのが真実でした。結果、私の場合は1年どころか2年超も療養生活を送ることになります。

特にこの頃から、不調期にはなかった「寝るときと寝起きが非常にしんどい」という症状が現れ始めました。多分薬の副作用なのかなと思ったりしますが、一難去ってまた一難という感じです。

準安定期(2022年5月〜9月)

5月からまた抗うつ薬を変えました。より体にあったものを試してみようと何度か変えていましたが、種類と量を調整していった結果、よりよいものにたどり着いたという感じです。

ただ、月のうち一週間ほどは何か体調が芳しくなくなって、「復帰できるのはまだ先かな」という思いで過ごしていた時期です。しかしながら、この時期はかなり楽に過ごせるようになってきました。

安定期(2022年10月〜2023年3月現在)

気づけば、月のうち一週間ほど体調が崩れるというのもなくなり、元気なときとほとんど変わらず過ごせるようになってきた時期です。

11月にお医者さんに話したら、「少なくともこれが3ヶ月ほど続けば寛解とみなしてもよさそう」的な感じのことを言われ、2023年1月までわくわくしながら過ごしていました。

そんなこんなで、体調が崩れることもなく2023年3月になり、3月の通院(安定期に入ってからは通院は月1回になった)で、晴れて寛解扱い(就労可否証明書を書いてもらえた)という流れです。

おわりに

時系列に沿ってざっくりと私の経緯について書き記してしまいました。読みづらいかもしれませんが興味があれば読んでいただければと思います。

また、この文書を読んでいる方でうつ病の方、もしかしたらうつ病かもしれないと思っている方がいれば、@debiru_R までDMでも連絡をいただければ、より詳細な体験談をお伝えしたりお話相手になったりできるのでご相談ください。

これから新たに仕事探し頑張ります。ポートフォリオ的なものは https://debiru.net/ に少し載せていますが、お仕事的な意味で(カジュアル面談とかで)私に興味がある方がいればぜひ @debiru_R までご連絡ください。

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