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お絵描き初心者は覚えておきたい大事なポイント6選【基礎編】

ヘッダーはKUAイラストレーションコースの課題で描いたイラストです。


お絵描きは誰でも始めることができます。ただ、いざ始めるとなると何から手をつければいいのか迷った経験はありませんか?自分はめちゃくちゃ迷って1年無駄にしました(

世の中にはイラストに関する教本が沢山ありますが、そのほとんどが既に絵を描いている人向けの内容で、これから絵を描き始める人向けの具体的な内容はあまり無いように思います。

そこで今回から「お絵描き初心者は覚えておきたい大事なポイント」と題して、「基礎編」「メンタル編」「練習編」「身体づくり編」の4つを連載していくことにしました。
今回は「基礎編」になります。どれも早めに知っておいた方が無駄な時間を使わずに済む、基礎の部分をピックアップしました。
ちなみに「これは大事だから全部覚えて!」って話ではありません。覚えるの大変だし。ざっと流し見してもらって、いつか辛くなったときや迷った時に1つでも思い出して貰えればそれで十分です。

なお、少し長めになったので記事の最後にまとめを置いておきます。忙しい人はそちらをどうぞ🙇


①  まずはお絵描きの習慣化を第一目標にする

「まずは」と言いましたが、個人的にはこれが初心者にとって一番の鬼門だと思ってます。初心者の8割はここで脱落します(体感)

習慣化って何?って話ですが、具体的には特に気合いを入れなくても始められるようになることです。
「暇だしとりあえずゲームするか~」のように、「暇だしとりあえずお絵描きするか~」ってなっていれば習慣化できてます。
一見簡単なように見えますが、自分はお絵描き完全初心者からスタートして習慣化が安定するまでに丸3年かかりました。退職して絵描きに専念してもこのくらいです。まあ、ずぼらな性格なのもありますが…(
習慣化には年単位の時間がかかります。なのでまずは、お絵描きの習慣化を第一目標にすることをオススメします。

習慣化を達成するコツはいくつかあります。
1つは常に簡単なことから始めるよう意識する、そしてもう1つはなるべく毎日描くことです。
難しいことって長続きしません。途中で疲れちゃうんですよね。最初は新鮮味があって出来たとしても、何度も繰り返すと段々と嫌になっていきます。また、1回描いたあとに何日も休んで間を空けてしまうと、重い腰を上げるのは相当大変です。

初心者のうちはつい一足飛びに上手い絵を描こうと無理をしますが、物事には段階・ステップ・順序があります。毎日簡単な練習で腕をならしていき、やる気があればデッサンや模写などの難しいことにチャレンジすると良いでしょう。実際に自分はこの緩い習慣によって今日まで続けてこられました。
ちなみに自分は面倒くさがりなので、デッサンや模写は月に1回やるかどうかです……これ、本当はよくないですけど(

具体的にどういう練習をすればいいのかについては後日「練習編」の記事を書く予定ですので、そちらをご覧ください。画像多めで分かりやすくするつもりです🙇

②  既存のイラストは積極的に真似する

俗に言うインプットの1つです。
皆さんは絵を描き始める前に「誰も見たことのない自分だけのイラストを描いて活躍したい!」と思ったことはないでしょうか?
人の真似をするだけなんてつまらない。個性を全面に出して、有名イラストレーターとして認知されるようになりたい!みたいな。
自分もお絵描きを始める前にあった将来像なんですが、これ、罠です。
頭の中にあるオリジナルの絵ばかり描いて既存のイラストを一切参考にしないのは、自ら上達を放棄していると言っても過言ではないんです。一体何故なのか。

主な理由は2つあります。1つは上達とは真似から始まる、もう1つは人は自分の知っている似たようなものに惹かれるからです。

まず1つ目の上達とは真似から始まるから。
例えば何かしらのキャラクターを描いたとします。頭の中のイメージをそのまま紙に描き起こすと「思ってたのとなんか違うな…」となった経験はありませんか?
この時に気にせず描き続けるか・一度上手いイラストを確認するかで決定的な差が生まれます。

自分のイラストと上手いイラストを比較すると、違う部分がたくさん見つかります。この「違い」を見つけることが重要です。何故ならその違いを修正する(真似をする)ことで上手いイラストに一歩近づく、すなわち上達するから。
上手いイラストを真似することで、自分のイラストをより良いものにできるというわけですね。
線の引き方から色の置き方や選び方まで、比較する部分は無限にあります。「積極的にインプットをしよう!」とよく耳にすると思いますが、これが主な理由です。
真似をしないと何が原因なのかわからず、同じ絵をただ繰り返し描くしかなくなり、いつまで経っても上達しません。
なので、上手いイラストを真似することは非常に大切なわけです。この世に存在する全てのイラストは、既存のイラストを何らかの形で真似して出来ています。「完全オリジナルのイラスト」というものは、実は存在しないんです。この点は早めに知っておきましょう。

2つ目の理由が人は自分の知っているものに惹かれる
例えば「女の子のキャラクターのイラスト」と「ピラミッドの壁に描いているような古代壁画」が並んでいたとして、あなたはどちらに惹かれますか?
大体の人は女の子のキャラクターのイラストだと思います。これって何故なんでしょう。

主な理由が、人は自分の知っているものを好む傾向があるからです。女の子のキャラクターは日常でよく目にするので、たとえ新しいキャラクターが登場しても自然に受け入れていると思います。逆に、世界の果てに住む知らない部族の独特な絵を急に見せられても、自分が知らない絵なので困惑したりスルーしたりします。
たとえ同じマンガだからといって、日本のマンガが好きな人がアメコミも好きとは限らないのと似たような感じですね。

ここで念頭に置いておきたいのが、初心者の頃に描くイラストは、他人からすれば知らない部族の絵みたいなものということです。
日本人はプロが描くようなかわいいキャラクターイラストに目が慣れました。言い換えると、下手な絵には慣れてないんです。だから初心者のイラストには惹かれず、見向きもしない。
なので人にイラストを見てもらうには、まず人々が慣れ親しんだ絵柄に寄せることが前提になるわけです。そういう意味でも、上手いイラストを真似することは初心者脱出のために非常に重要となります。

長くなりましたが、まとめると「既存のイラストを真似しないといずれ詰むので、好きなイラストはじゃんじゃん真似しよう!」って感じです。

③  資料を使うのはズルじゃない

自分が学生の頃「資料を見て描くのってなんかズルいよなー。何も見ないで描ける人の方が偉いわ」というイメージがありました。これって誰に言われたわけでもなく、いつの間にか先入観が生まれていたんですよね。自分も将来何も見ないで描けるようになりたいとも思いました。

はっきり言っておきますが、資料は必須です。
何も見ないで描くというのは、資料を見なくてもいいくらいモチーフをよく観察して何百回何千回と描いてきたから出来る芸当なんです。
初心者がやろうとしたところで、完成するのはぼんやりとした何かです。

頭の中にあるイメージって、しっかりしているようで実は非常に曖昧です。
例えば「あなたが普段ゲームに使っているコントローラーを正確に描いてください」と言われた時、何も見ずにすぐ描けるでしょうか?
ちなみにすぐ描けちゃう人はうちの記事なんか見てないで早くプロのイラストレーターとしてデビューしてください。来るとこ間違えてます(

描きたいモチーフの資料を用意して、それを見ながら描くことが大事です。リンゴを描きたいならリンゴを、キャラクターを描きたいならキャラクターのイラストを、アーマードコアを描きたいならアーマードコアを用意しましょう。

ここで変にプライドを持って「俺はぜってー資料なんか使わねえでプロになる」ってなるとほぼ詰みです。あなたが実際どうするかは個人の自由ですが、意地を張っている間にも周囲の人たちはどんどん上達していくので、置いてけぼりにされる覚悟はしておきましょう。

資料を使うのはズルなんかじゃなくて、絵描きとして活動するための第一ステップです。
早めに資料を使う習慣をつけましょう。

④  「見る→描く」動作を習慣化する

先述の資料を使う話にも通じる内容ですが、その前にここで一旦「記憶」の種類についてお話します。

人間の記憶は主に「感覚記憶」「短期記憶」「長期記憶」の3種類があるとされており、それぞれ役割が異なります。
まず「感覚記憶」は覚えていられる時間は1~2秒と非常に短いものの、見たものをほぼ正確に覚えることができます。
「短期記憶」は数分間記憶できるものの、感覚記憶と比べるとその内容は非常に曖昧です。昨日の昼ごはん何食べたか覚えてる?
「長期記憶」は数か月間記憶できます。たとえば授業の内容を何度も復習して覚えたことは、この長期記憶に保管されているというわけですね。
※ほかにも「中期記憶」がありますが、長期記憶と似たようなものなので割愛。

では絵を描く際にはどの記憶を使うかというと、感覚記憶を優先的に用いることになります。理由は単純で、モチーフをより正確に写し取れるからです。

動作としては「モチーフを数秒見る→1~3秒描く→また数秒見る→また1~3秒描く…」という風に、「描く部分を見る→描く」という動作を繰り返し行います。
ここで注意したいのが描く時間です。描く時に5秒以上かけてしまうと、使う記憶が感覚記憶から短期記憶に変わってしまい、正確な描写が難しくなります。
なので初心者のうちに「見る→描く」動作を意識的に行うようにし、感覚記憶を使うクセを習慣づけておきましょう。
資料を使う際もこの動作で行います。「資料を数秒見る→数秒描く→また資料を数秒見る…」といった具合です。

ちなみに同じモチーフを何度も描いていくと長期記憶に保管され、モチーフを見なくても大体描けるようになります。長期記憶も絵を描く上では大切ですね。

⑤  先に人体の比率を覚える

イラストを描く上で、大抵の人は人体を描くと思います。
人間の胴体や腕の長さ、各パーツの配置って大体決まっています。比率を覚えることで人体を描くハードルがぐっと下がるので、まずは人体の比率を覚えましょう。

個人的には解剖学を学ぶより、先に人体の比率を覚えた方がいいと思ってます。詳しい内容を並べると長くなるので割愛しますが、ダテナオト氏の『イラスト解体新書』に基本的な人体の比率が載っているのでオススメです。

※人体の比率を詳しく解説する記事もいつか描きたいところです!

⑥  調子には波がある

常に最高の状態でイラストを描ければいいんですが、現実はそう上手くはいきません。上手く描ける状態と全然ダメな状態を行ったり来たりします。初心者の頃は特に顕著で、ダメな時は本当に何も上手くいかないです。

この問題、実際に絵を描いている人じゃないと共感しづらいんですよね。他人に話せないと一人でずっと考え込んでしまい、最悪の場合心が折れて筆を置いてしまいます。描けない焦りから、辛い状態でもっと描こうとしたら尚更折れます。
しかも絵描きというものは一人で抱え込む習性があるのか、こういう話題に限って他人に話さない傾向があります。普段通りに呟いてる人がある日突然筆を置いてしまう現象は、これが原因の可能性も。

なのでここでは、辛くて心が折れそうな時は誰にでもあることを頭の片隅に置いておいてください。
もし辛い時期が来ても「あーこれが記事で話してたやつね」と思い出してください。
ちなみに自分の対処法としては潔く諦めて何日か休むです。今日まで何十回も辛い時期がありましたが、その度に諦めて寝たりドライブしたりで気分転換してました。

辛い時期が来ても「そういうもんか~」と割り切りましょう。休めばいずれまた描けます。

●  まとめ

以上、初心者に知っておいてほしい基礎のお話でした。
まとめると、

●まずはお絵描きの習慣化を目標にしよう!
●上達したいなら積極的に真似しよう!
●資料を使うのはズルじゃないよ!
●「描く部分を見る→描く」動作を意識的に身につけよう!
●人体の比率は早めに覚えよう!
●調子は良いときもあれば悪いときもあるよ!そういうもんだと割り切ろう

です。本当だったら記事をもう少し短くしたかったんですが、どれも大事だったので長くなってしまいました。。。
長文にお付き合いいただきありがとうございました。どれか一つでも皆さんのお役に立てれば幸いです。

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