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古民家と大きな桃

長崎の田舎にある
築130年の古民家

その古民家を少しずつ
手入れをしながら家族と
暮らしている

大工仕事で古い家の
改修工事に携わってきて
いつか自分で直した古民家に
住んでみたいという
思いがあったが

そのときがこんなに早く
訪れるとは正直思ってなかった

思ってなかったけど
来てしまったからには
仕方がない

やるしかない

ホリエモンがどこかで言っていた
桃太郎の話

桃太郎のおばあさんは
大概の人が気味悪がって
スルーするであろう大きな桃を
スルーせずにこともあろうか
持ち帰って食べようとした

だから桃太郎が生まれて
鬼を退治できた

めでたしめでたし

「チャンスの本質とは」
みたいな話だったと思う



この家が大きな桃かはわからないけど
大概の人がスルーするであろう
大きな古い家を
こともあろうか
持ち帰って食べようとしている
というか
もうかじっている

桃太郎が生まれてくれれば
これ幸いである

ところで築何年くらい経てば
古民家と呼ぶのか

ちゃんとした定義はなく

「戦前のもの、特に大正時代以前のもの」

「昭和25年の建築基準法の制定時すでに建てられていたもの」

「高度経済成長期に主流となった工業化住宅ではなく、伝統工法で建てられた築50年以上経っているもの」などさまざまのようだ

文字で書けば
ただ
古民家=古い民家
だけど

私はそこに
綿々と何千年も受け継がれてきた
知識と経験と技術が
詰まっているものを
古民家と呼びたい

いままで
築40年、50年の家を
いくつも直してきて
柱や土台、床が
6cmも7cmも下がっている
なんてこともあるのに

この家は築130年にして
床や窓の高さを
最新の機械で測っても
誤差は数ミリだった

機械がない時代に
どうやってこんなに正確に
作ったのかは分からないが
そこに昔の人の土地と住まいを
見極める能力が
あったことは確かである

そんな古民家なので
ちょっと重たいけど

おじいさんに持って帰って
食べさせようと
いま大きな桃を背負って
歩いてます

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