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Psychopolitics: Neoliberalism and New Technologies of Power: Byung-Chul Han

好きな事を書くシリーズ01

Psychopolitics: Neoliberalism and New Technologies of Power: Byung-Chul Han

心地の良い雰囲気、心地の良い会話。
それらを否定する人は少ないだろうし、私も否定するつもりはないのだけれど。
批判は行いたいと思っています。

良いとされるものを批判するとは如何なることなのか、なぜ批判を向ける必要があるのかということはビョルチョンの著書「Psychopolitics: Neoliberalism and New Technologies of Power」に端的に書かれているので彼の趣旨の紹介とともに、私の意見も紹介させていただきます。

私たちは自分の居心地悪さ、不便さ、不平等を見つけると不満をもち、それらを与えてくる対象に働きかけます。
そのおかげで社会は改善され、要求をかなえる社会に変化していきますが、その反面自分を心地良くさせ、便利にさせ、公平になっていくことに関する注意力が失われていきます。それがどんな状態なのかといいますと、人々を支配させて管理しようとする構造は、居心地悪さ、不便さ、不平等を感じさせて権力を行使するスタイルから喜ばせて目的を達成させるスタイルへと、権力の存在を感じさせないように変化しているのです。そのため、自分の自由意思で喜んで選択したものだと思っていることが、権力の操作の結果である可能性があるのです。

ビョルチョンは「かつて人々に向けられた懲戒制度は身体に向けられていたのに対し、新自由主義は魂に向けられている」と表現しています。
自分のものだと信じている「意思」「感情」「魂」が、権力によって心地よく監視され自動搾取の一部になってしまっていることを自覚するのは苦難の道です。私も多くの人に求めるものではない気がしていますが、自分自分が心から感じ大切にしたいと思っているものだけは、その構造から引き離し自分のものにすることが実在につながる道なのです。
ビョルチョンは自由な生命が存在できる場所は、非生産的な空間にしか求められないと書いています。改善、解消、前進、目的。それらのものがない場所で、それらを感じずに存在できる人間が現代の社会心理が描き出す結末のように思いますが、そこに辿り着くため生み出す苦しみに人間生命が足掻いている状態が今なのだと思います。

#byungchulhan
#neoliberalism
#body
#soul


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