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ペット供養と災害対策 ー 粉骨は有効?分骨は災害対策になる? ー

年明けから大きな地震に見舞われた、2024年。
それからペット供養における災害対策について、
ご質問を受けることがとても増えました。

ペット供養の場合、お骨を自宅で供養する
手元供養を行っている方が多く、

「いざという時はお骨を持って避難したい」

そうお話になる方も少なくありません。

「そもそも、お骨なんて命に関わらないものを持ち出す必要があるのか?」

そのように思われる方がいることは、重々承知しております。

それでも、お骨をうちの子の生きた証として
宝物のように大切にされている方がいることも、
私たちはとてもよく知っているのです。

そうしたご家族の不安を少しでも解消出来るよう、
ペット供養と災害対策についてお話してまいります。



災害時を考え、筆者が実際にしてみたこと


平成30年、筆者の住む地域に大きな台風が到来しました。
今でも忘れられない台風21号は我が家を大きく揺らし、
「このままでは家が飛んでしまうのではないか」と
本当に不安で仕方がなかったことを覚えています。

災害についてもっとしっかり考えないといけない。

台風21号を経験して強くそう思い、
災害対策について色々と考えていた時期にふと思ったのです。

「お骨って、持って逃げられるものなのかな?」

当時、私は自宅で手元供養していました。

供養しているうちの子たちのお骨は2つ。
4寸の六角骨袋に納めていました。
そしておうちには元気な猫たちが3匹。

↑4寸の六角骨袋のサイズはこちら、結構大きい。

つまり、災害時にもしも避難することになったとしたら
私が持ち出したい(連れて逃げたい)ものはこちら↓

・自分が必要なもの
・猫たちの必要なもの
・猫3匹(総重量約10kg)

加えて、当時の私は

・避難するとしたらひとり
・自家用車なし、移動は徒歩のみ

実際には着の身着のままかもしれませんが、
もしも必要なものを持って避難出来るとしたら
最低でもこれらを抱えて避難場所まで歩くことになる。

自分なりに災害時に必要であろう物をリュックに詰めて背負い、
キャリーケース2つ(1つに2匹入って貰うと想定)を持ってみました。

背中にリュック、両手にキャリーケース。

当たり前かもしれませんが、相当重いです。
そこから更にお骨を抱えられるかというと、
私の場合は非常に難しいと感じました。

もしもの時への危機感を感じ、
ペット災害危機管理士(R)の講座を受けに行ったりもしたのですが・・・

ここでは、お骨を持ち出すことにポイントを絞ってお話していきます。


お骨を持って避難するなら?


お骨を持って避難したい場合。

ペットちゃんの種類にもよりますが、結構お骨って大きいと思うのです。
陶器の骨壷も重さがあり、割れ物なので慎重に持ち出したいところ。

しかし、いざ避難しようという時に
そのような心理的余裕と時間があるのかと言えば、
難しい場合がほとんどだと筆者は考えています。

では、どうすればお骨を持ち出しやすく出来るのでしょうか?

お骨と一緒に避難出来る可能性を
より高める方法について考えてみました。


お骨を小さくする、『粉骨』

ペット供養の災害対策について、最近選ぶ方が増えているのが粉骨です。
粉骨というのは、お骨を細かなパウダー状にするペット供養の方法の一つで、
お骨を1/3~1/4程度のサイズにすることが出来ます。

▼詳しくはこちらのHPをご覧ください。

https://powder.dearpet.memorial/


お骨のサイズを小さくすることで、
お骨を納める骨壷も小さくすることが出来ます。

今まで複数のペットちゃんを見送られ、
その数だけお骨を手元供養している場合は
災害対策として特に有効なペット供養の方法と言えるでしょう。

また、お骨を移動させるうえで
「慎重に運ばないとお骨が崩れてしまう」といった
不安を持つ方もいらっしゃるかと思います。

粉骨をしてパウダー状にしていれば
それ以上お骨が変形することはありません。
お骨の崩れを気にせず持ち出すことが出来るのも
粉骨するメリットのひとつといえるでしょう。

しかし、粉骨はお骨の姿ががらっと変わるので
ご家族によっては抵抗のある供養の方法とも言えます。

一度粉骨を行うと、元の形に戻すことは出来ません。
じっくりと検討の上でお選びくださいね。

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『分骨』して、身に着けておく

全てのお骨を持ち出すことは出来なくても、
少量でもうちの子の生きた証を必ず持ち出したい。

そのような場合は、
分骨して普段からお骨を身に着けたり
大切に持ち歩いておくという方法があります。

遺骨を納めるカプセルだとこんな感じ


ディアペットのお店でも、

「遺骨カプセルにお骨を納めて身に着けていれば、
 いざという時にそのまま避難出来る」

「自宅以外の場所で被災しても、
 一緒にいることが出来るね」

実際にそうお話されていた方もいらっしゃいました。

遺骨カプセルや、遺骨ジュエリーの他、
ミニ骨壷や桐製の骨壷やケースを使って
分骨される方は沢山いらっしゃいます。

また、わが子のお骨を安心して持ち歩きたい場合、
”割れない素材”であることは
ひとつのポイントと言えるでしょう。

金属製のミニ骨壷、手の平にすっぽりおさまります


遺骨カプセルやジュエリーの多くは金属製ですし、
ミニ骨壷でも金属製の割れない素材のものを見つけることが出来ます。

また、金属製に比べ絶対に割れないというわけではありませんが、
桐製の骨壷やケースは軽量で持ち歩きやすく、
遺毛などお骨以外の生きた証や小さな思い出の品も
一緒に納めることが出来るサイズのものもありますよ。

まとめ


災害時のお骨の持ち出し方についてお話してまいりました。

簡単にまとめると・・・

・全てのお骨を持ち出しやすくするなら、『粉骨』

・普段から身に着けることで、
 少量でも必ず持ち出せるようにするなら、『分骨』

こちらでお話したことが、
どなたかのお役に立ちましたら幸いです。

災害時にはまず自身の身を守らなければ、
お骨を持ち出して避難することも叶いません。

大切なものを守るためには、
ペット供養についての災害対策だけではなく、
ご自身の身を守るための災害対策も必要不可欠となります。

どうかそれを踏まえて、ご検討くださいね。


最後に


旅立ったお子さまは、
誰よりも大切な家族に生きていて欲しいはず。

ご家族にとっての宝物がお子さまだとすれば、
きっとお子さまの宝物は、
『あなた自身』ではないでしょうか。

わが子の想いを大切にするためにも、
どうかいざという時には
何よりもご自身の命を大切になさってくださいね。


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