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「自分以外の立ち位置」から考える ー 私はこんなふうに考えた(2022/5/24)

本投稿は日経新聞に記載された記事を読んで、私が感じたこと、考えたことについて記載しています。
記事の長さはおよそ1,000〜1,800文字ですので、2〜3分程度で読めます。

みなさんの考えるヒントになれば嬉しいです。
よろしければ、お付き合いください。
「マガジン」にも保存しています。

「学びをよろこびに、人生にリーダシップを」
ディアログ 小川



【Inside/Out いまを解き明かす】
実は緩い?正社員の解雇法制
通説覆す国際指標、新卒一括の大企業「自縄自縛」

2022/5/23(月)日本経済新聞朝刊

記事のポイント

  • 日本は解雇法制が世界一厳しく、経営の構造改革を進めにくい。日本経済の停滞を嘆くこの通説が覆りつつある。経済協力開発機構(OECD)の2019年調査によると、日本は37カ国の平均よりも正社員を解雇しやすい国だ。

  • 日本では、どんな場合に正社員を解雇できるのか労働法に具体的に書かれていない。解雇権の乱用は許されないという「解雇権乱用法理」の個別事例が判例で積み上げられてきただけだ。

  • そもそも民法では会社は2週間前に申し出れば正社員を自由に解雇できるが、戦後の1960〜70年代にかけて民法を封じる法理が形づくられた。経緯を振り返ると、新卒学生を一括採用し定年まで働いてもらう大企業の「メンバーシップ型」の雇用が法体系見えにくくした実態が浮かぶ。

  • 戦後の大企業では、どんな職務につくか、どこで働くのかといった社員の働き方の根幹まで会社が一方的に決めてきた。解雇は社員の生活を脅かすとみなされ、「裁判所は配置転換や再教育を重視し、解雇を認めない判断を重ねた。」

  • 法理は04年の労働基準法改正で初めて法律の条文になったが、「合理的な理由がなく、社会通念に反する解雇は無効」という原則にとどまる。実務上の線引きはなお見えず、経営側がからみれば解雇規制の厳しさと映りがちだ。

  • 一方、メンバーシップ型ではない中小零細企業では解雇は日常的。年間4500件ほどが労働局の斡旋や裁判所の労働審判に持ち込まれ、ほとんどが「解決金」の支払いで終結する。結果が見通せない裁判には発展しにくい。

  • 不当解雇の金銭解決モデルの一つとして取り上げられるドイツでは、解雇が認められる場合に考慮すべき条件が法律で決まっており、補償金も「勤続年数×月給× 0.5」という基本算定式がある。またドイツの労働者は産業ごとに職種別労働組合に属し、転職しても同じ「拡張型労働協約」の下で基本給が下がらない。ドイツ方式をそのまま日本に導入するのは難しい。

  • 職務と賃金を紐付ける「ジョブ型」など新しい動きを視野に入れなければ、実のある議論につながりにくい。産業界全体がドイツのような本来のジョブ型に近づいていけば、金銭解決を積極的に受け入れる世論が醸成されるかもしれない。

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実は「日本は解雇規制が厳しくない」
この記事を見たときに、率直にいって驚きました。

2019年に発売され日本でも100万部を突破したハンス・ロスリング他著 『FACTFULNESS(ファクトフルネス)』で、思い込みを排して、世界の本当の姿を知ることの重要性が述べられていました。

私も普段から客観的に冷静に、本質を追求するように心がけているつもりでしたが、前提を疑うこともなく、一次情報を調べることもなく、まんまと「思い込みのワナ」にはまっていましたね。


なぜこのような「思い込み」をしてしまったのか改めて考えてみました。
大きな要因は日本の雇用環境が、「大企業の正社員」か「それ以外」かでまったく異なっていること、そして自分自身が今年の4月末までは、どちらかといえば前者の側にいたことにあるように思います。

自分も含めて、人間は気をつけているつもりでも、無意識に自分の立ち位置で物事をみたり、考えたり、判断したりしがちです。
さらにいえばニュースを伝えるマスコミの方も、労働問題を管轄する役人の方も、調査・研究する学者や研究者の方も、ほとんどは「大企業の正社員」側の方なので、「それ以外」の視点が欠けてしまうことが多いような気がします。

この記事のおかげで、自分以外の視点から物事を見たり考えたりすることの重要性を再認識する良いきっかけになりました。

みなさんは、どんな「思い込み」をしたことがありますか?



美味しいものを食べて、次回の投稿に向けて英気を養います(笑)。