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【書籍紹介】『ソクラテスの弁明』

人間は変わらないですね。


「哲学の父」「哲学の祖」と呼ばれる
古代ギリシアの哲学者、ソクラテス。

そのソクラテスが70歳になった紀元前399年春に、
突然「不敬神」の罪で告発され死刑判決を受けます。

その裁判のやりとりをまとめたのが本書です。


ただしこの『ソクラテスの弁明』は、
実際の裁判を忠実に再現したものではありません。

  • ソクラテスの裁判とは何だったのか

  • ソクラテスの生と死とは何だったのか

真実を「哲学」として弁明するために、
弟子のプラトンが創作したものだといわれています。


本編は100ページにも満たない分量ですが、
2500年近く経っても「人間は変わらないな」
と考えさせられるフレーズが多くありました。


特に印象に残った箇所を3つあげます。

【告訴状の内容】

「ソクラテスは不正を犯している。若者たちを堕落させ、かつ、ポリスが信ずる神々を信ぜず、別の新奇な神霊(ダイモーン)を信ずるがゆえに。」

(P41)


【ソクラテスの裁判員への語りかけ】

つまり、話し方はどうぞ気にしないで
 ー 下手かもしれないし、もしかしたら上手かもしれませんが ー 
私の語っていることが正しいかどうか、そのことだけを検討し、そこに注意を向けてください。これこそが裁判員、つまり正義の裁き手の徳であり、弁論する者の徳は、真実を語ることなのですから。

(P18)


【ソクラテスの裁判員への語りかけ】

つまり真実を話すということで憎まれているのだということを、よく知っています。そして私が憎まれているというまさにそのことが、私が真実を語っていることの証拠でもあり、そして、私への中傷とはまさにこういうもので、これが告発の原因であるということの証拠でもあるのです。

(P40)


SNSが発達したことで、
個人がマスに向かって自由に情報発信できるようになりました。
(この投稿もそのおかげです)

一方で、それによって真偽のはっきりしない情報が溢れるようになりました。

話し方や雰囲気などに惑わされず、
「真実」を追求する裁判員であり続けたいですね。


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マガジンにも保存しました。


「学びをよろこびに、人生にリーダシップを」
ディアログ合同会社 小川剛司(つよし)

美味しいものを食べて、次回の投稿に向けて英気を養います(笑)。