ゆきだるまの高校生活①

こんにちは、ゆきだるまです。

今回は、私が転校に至った経緯とその大きな原因である "APD" について書いていこうかと思います。


転校するに至った経緯

細かいことは個別で記事にしたいので、今回はざっくり目です。


4月:自称進学校入学。この時はまだ元気だった。

5月:GWが終わった後、とある出来事があり、ゆきだるま壊れる。

6月〜12月:めちゃくちゃ辛かったけれどなんとか通う。文化祭では元気だった。

1月:冬休み明け、家族に行けないと相談。転校を決意する。

2月〜3月:単位を取得するためだけに通う。


こんな感じです。

一つ、勘違いしないで欲しいのは、私は今通っている全日制の学校が嫌いではない。ということです。むしろ、大好きです。先生も生徒も温かい人だし、私の聴覚の障害(後で詳しく話します)にも手厚くサポートしてくれました。本当に、離れるのがもったいないと思えるくらい、いい学校でした。

じゃあなぜ転校するのかといえば、色々理由はあります。例えば

・うつ病、適応障害と診断された。
・1コマ(50分)の授業中、ずっと教室にいることができない。
・学校に行くこと自体が嫌(学校は好きなのにね)。

などなど。なかでも、これら全ての原因となったであろうものがあります。それが "APD" です。

"聞こえているのに聞き取れない"・・・APDとは?

さて、ここからはAPDについて解説しようかと思います。

APD(Auditory Processing disorder)は、日本語で "聴覚情報処理障害" といいます。症状を簡単に説明すると、

・聴覚検査では異常がないのに、雑音下や緊張時など特定の状況でで相手がなんと言っているか聞き取れない 

というものです。

しかし、正直ピンとこないと思いますので、実際に体験していただきましょう。

こちらの動画を見ていただければわかるように、APDの人には、雑音が周りにあるなどの状況で、相手の声自体は聞こえますが、相手の言葉にもやがかかったように聞こえます。

(実は、正直私は健聴者の聞こえ方の方でも、雑音があるためうまく聞こえません)

なので、日常会話などで聞き返しが多いなどの事態が多発します。

ここで忘れないで欲しいのは、あくまで聴力に問題はない、という点です。

つまり、学校などで行う聴力検査で異常は見つかりません。正直、本人による自覚がないと発覚は難しいと思います。

ちなみに私の場合、小学生の頃前の席の子と話していた時に、いつも通りなんと言っているかわからず、(この時点ではそれが当たり前だと思っているのでそれがおかしいということには気づいていませんでした)何度も聞き返すのも相手を怒らせてしまいそうで怖く、当たり障りのない相槌で誤魔化していたところ、教室の前の方で私たちよりも離れた距離で、別の子たちが普通に会話しているのを見て、(あれ、聞こえないのって私だけ?)と思ったのがきっかけでした。

その後、様々な耳鼻科を受診しましたが、聴力検査に問題もなく、「そんなことはありえない」と言われてしまい、私の心が折れてしまったため医者にかかることをしばらくやめていました。

実は、APDは最近ようやく明るみに出てきた症状で、当時、APDという存在を知っている医者はほぼいなかったのです。

そんな理由もあり、しばらくの間諦めていました。しかし、ある日の夕食の時のこと。たまたまNHKの画面がついており、こんな文言が流れました。

”聞こえているのに聞き取れない”

これだーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!Σ('◉⌓◉’)

まさにこれだと。ジグソーパズルの欠けていたピースが埋まった時のような感覚でした。

そのまま母に、「これだと思う!」と宣言。実は母もAPDだったので、「え、これ普通じゃないの?」と、親子でびっくりしていました。

その後の詳しい経緯は省きますが、2023年の7月に、自覚してから5年くらいでしょうか。ようやく正式にAPDの診断をもらうことができました。

私の場合、通常の聴力検査では異常なし、負荷検査(雑音下での聴力検査などのこと)では20%ほど聞こえが悪くなっており、左右別々だとトータルで30%程度聞き取れていませんでした。

発達障害やADHDではないので、脳のしくみに少し特性があり、たくさんの音を聞き分けることが不向きである、とのことでした。

ちなみにこの場合私は軽度のAPDとのこと。私自身はものすごく生活に困難を感じていたので、これでも軽度なんだ、と驚きました。

その後はイヤーマフや会話用の耳栓などいろいろ試しながら、この特性とうまく付き合う方法を模索しています。

"診断されなかった"こと

私は昔から、自分でも聞き返しが多いと感じていました。

でも、人はやっぱり何回も聞き返されるとイラッとしてしまうもので、私も怒られてしまうことがよくありました。

でも私はそれが当たり前だと思っていたので、特になんとも思いませんでした。でも、これが普通じゃないと気づいてから、本当に苦しくなりました。

自分はどうやら普通の状態じゃないらしいと説明しようにも、診断書がないから説明しても証明できない。

診断書のあるなしで、ここまで変わるものかと痛感しました。

中学はある程度の理解を示してくれ、高校受験の時配慮を求められるよう、定期試験の時、英語(リスニングテストのある教科)は別室で受験をしていました。

高校受験時、そして高校に入ってからも、英語は別室で受験をしました。

診断されない、できない。

それだけで、ここまで苦しむことになるとは思っていませんでした。

今は診断がとれるようになりましたが、それでもたくさんの人が同じ症状に悩んでいるので、検査の予約がとれないそうです。

それでも、もし "聞こえているのに聞き取れない" この言葉に心当たりのある人は、ぜひ一度検査を受けてみて欲しい。

自分の特性を知らないと、自己嫌悪が増すだけです。

知っておけば、少し変わります。「自分はそういう人間なんだ」と、自分で自分をわかってあげることができます。そうすれば、少し心が落ち着くと思います。

少し解説するだけのつもりが、つい長々と書いてしまいました。キリもいいので、今回はこの辺で。

読んでいただきありがとうございました。☃️

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