「チープシックル」〔コイネージ【新造語の試み】4 Ver.2〕
「自分の意に沿わない相手に対する、最後っ屁の脅し」
これを「チープシックル」と呼んでみる。
シックルとは「農作業用の小鎌」、"sickle"である。
人は、相手が自分の言う事を聞かないときや、意図通りに動かないとき、不快感を覚える。
そして、この不快感を払拭するために、
「このままでは失敗するよ」
「お前は人に嫌われるな」
「世の中でやっていけんぞ」
「奥さんに逃げられるぞ」
「お前はもうはダメだ」
などといった、"常套句"をシックルのように振りかざして、自分に背くことを後悔させようとする。
もとより"脅し"とは、相手を意のままに動かすための行為ではあるが、「チープシックル」の脅しは、相手がどうしても自分の言うことを聞かないときや、意図通りに動かないときの「最後っ屁」として吐き出されるのが特徴である。
このチープシックルの本質は「酸っぱい葡萄」だ。
「『相手を自分の意図通りに動かしたい』という葡萄」を得られない。
そんな不快感を、「お前はダメに決まってる」と断定して払拭する「狐のアクション」に他ならない。
言うまでもなく寓話と同様、「実態」と「狐のジャッジ」に相関関係はないのだが。
もし、相手を自分の望む通りにしたければ、「言葉の力」を用いて動かせばいいのだ。
脅して意に沿わせようとするのは、これを用いれないくらい"人として未熟"であることの裏返しである。
そのような意味で「チープシックル」は"チープ"なのだ。
(2021/12/26に投稿したものを再編)
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