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「チープシックル」〔コイネージ【造語の試み】4-1〕

 人は、相手が自分の言う事を聞かないときや、意のままに動いていないとき、不快感を覚える。そして、この不快感を払拭するために、吐き捨てるように相手を"脅す"ことがある。

 このとき使われる「脅し文句」および「これを用いて脅すこと」を『チープシックル』と呼んでみる。

「このままでは失敗するよ」
「お前は人に嫌われるな」
「世の中でやっていけんぞ」
「奥さんに逃げられるぞ」 
「お前はもうはダメだ」


 例えば、このような"常套句"をシックル(小鎌)のように振りかざして、自分の意向に背くことが重大な過ちであると思い知らせようとするのである。

  このチープシックルの正体は「酸っぱい葡萄」だ。

 「相手を自分の意のままに動かしたい」という"葡萄"が得られない不快感を、「お前はダメに決まってる」と断定して払拭する行為に他ならない。
要するに、ただの負け惜しみであるが。

 もし、相手を自分の望む通りにしたければ、「論理・情熱・信用」の力を用いて動かせばいいのだ。脅して意に沿わせようとするのは、これを用いれないくらい"人として未熟"であることの裏返しなのである。

 このような意味で「チープシックル」は"チープ"なのだ。

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