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ショートエッセイ

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この世界の何処かにいる誰かに届きますように・・・・・・。
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蓮華の如く

蓮は極楽浄土に咲く花 良い行いをした者は 死後に極楽浄土で蓮の花の上に生まれ変わる という思想があります インドでは極楽浄土は蓮の花の形をしている と言い伝えられています 花言葉は  「清らかな心」「神聖」「雄弁」 「離れゆく愛」  悲しげな花言葉もありますが 由来は 蓮の花は夏の短い時期しか咲かず 早朝に咲いた花は昼には閉じて 3日ほどで散ってしまいます 花びらが1枚また1枚と散って行く様子から  そんな花言葉になったそうです 執着を感じさ

真夜中のメール

真夜中に届いた一通のメール Tomと言う人から 「Dear Emma, good night..」  誤送信のようです 一日の最後に  最愛の人に想いを馳せ  贈る言葉 たった一言に愛を感じて心が温かくなりました 「Dear Tom, good night..」  心の中で  この星の何処かに住むTomに伝えました そして  ふたりの幸せを祈りました

ニュームーン

ほんの少しの優しさが欲しくて 小さなお月様をふたつ買いました ニュームーン 高冷地で咲く花 元気そうな苗をひとつ選んでもらい もうひとつは自分で選ぶことに 密やかな姿に惹かれて  一番小ぶりで控えめな子を選びました そのせいか 何も言わずに100円引いてくれました その子が真っ先に花を咲かせました 思った通り  誰よりも優しいお月様でした 今宵は新月 夜空にお月様はいないけれど 満天の星空にニュームーンをかざし 私だけの満月の夜空を作ってみる

愛月~1,000mの愛~

生まれてくる時間と場所を間違えた。きっとそうだ、そう思うことにしよう。  東京生まれの東京育ちでありながら、心も身体も永遠に馴染めそうにない感覚。それはまるで時間軸の歪んだ不思議の国を彷徨っているようでした。 東京は朝早くから夜遅くまで活動し一日が長いのに、時間がとても早く過ぎていくように感じられました。いつも何かに追われ、いつも何かを追いかけ、走り続けているうちにどんどん月日が流れて行きました。  もしかしたら大切なものを見逃してしまっていたかもしれない。 時々漠然とした後

色音~言葉の色 音の色~

水色の音楽が好き わすれな草やすみれ色の言葉が好き 朝焼けや夕焼け 澄んだグラデーションのような文章が好き  子どものころ、数字や文字に色がありました。 例えば、1は白、2は赤、3は緑、4は黄色、5は青・・・・・・でした。 「一つの感覚の刺激によって別の知覚が引き起こされる」現象。 共感覚と言うそうです。  文字を書けるようになると、左利きのせいか鏡文字を書いていました。 何故か、あ・ぬ・ね・めなど、難しい平仮名ほど確実に鏡文字で書いていました。  私が反対なのか?この

生きることは語ること 語ることは繋ぐこと

「世界では7,139種の言語が使用され、約40%の言語が絶滅の危機に瀕している。」  意志疎通、文化、社会生活などにおいて、言語はなくてはならないものだ。人間が成長する上でも言葉は脳細胞の発達と密接な関りがある。人類と言語は運命共同体。でも、使う人間がいなくなれば、その言葉は絶滅してしまう。  今、手話を勉強している。手話の歴史を知ることは、言語絶滅の危機をリアルに感じることでもあった。  2006年「手話は言語である」と定義した「障害者権利条約」が国連総会で採択され、手