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私にとっての趣味「写真」とは。

写真趣味は孤独だ。
ファインダーを覗き、自分の思う世界をここだというタイミングで切り出す。
そこに、他人の思考が入り込む余地はあるだろうか?
私の写真趣味は、絵を描くための資料撮影が発端だ。そこからどんどんのめり込んでしまうのだから恐ろしい。
大学生時代、自分には一生オタク趣味しかないのかもしれないと思い悩んだ時期があった。当時の私に、登山靴と一眼レフを放り投げて今すぐ山に行けと言ってやりたい。
その写真趣味が元パートナーとのきっかけではあるのだが、何処かでお互い嫉妬していたように思う。
私には彼のような理論で撮る力がなかった。理論で撮るようになったら「撮る写真が面白くなくなったね」と言われた。
最近、暖かくなって山に行くようになった。
道に咲く花を、頭上にかかる木々を、遠くに見える景色を撮って、家に帰ってきてパソコンで確認する。
好きなタイミングで好きなように撮った写真だ。
自己満足のためだけに撮ってパソコンのフォルダに保管する。
それだけだ。
前は彼とあーでもないこーでもないと見ていたのだが、それもなくなった。
本来の、自分の形に戻っただけだ。
何も言われない。それがさみしいと同時に安心につながる。
先日、山で撮影した時に、とっときのレンズ、カールツァイスのマクロプラナーがおかしい挙動をした。
何故かレンズががたつく。一眼はレンズが落ちないようぱちんとはまるのだが、ちょっと回しただけで外れてしまう。
危ないと思い、使用するのをやめた。怪しいと思った時は使わない方がいい。持ち帰って家でゆっくりと見ていると、マウントアダプターのレンズ固定部分が折れ曲がっていた。
つけっぱなしのため、壊れる要素が分からないのだが、これはもう使えない。
新しいマウントアダプターを買おうを思った。
4000円ぐらいした。
たったこれだけのパーツが4000円か。しかもしょっちゅう使っているわけでもないのに、耐久性が2年もない。
頭を悩ませた。こういう時の相談相手が、今の私にはいない。
同じものを買うか、違うメーカーを買うか。
レビューを見る。使える、使えない、カメラが壊れるなどなど。ふと、とあるレビューが目につく。
「そもそも、マウントが違うものに着けるようにレンズは作られていない」
確かにそうだ。
ふと思い出す。
カールツァイスは私のカメラのマウントのものも出していなかったか?
正規品を新品で買ったら諭吉が10枚では追い付かない。だが中古ならどうか?
幸いなことに今はカメラがミラーレスに移行している。調べてみたら、ビンゴ、出している人がいた。
出品物を見ると転売ヤーではなさそう。純粋に家のものを整理しているのだろう。
カールツァイスのレンズは美品はすぐに売れてしまう。
その時はお酒も入り、登山後でとても眠い。正常な判断ができると思えない。
相談相手がいない。自分で考えて結論を出すのだ。
今手持ちのレンズはどうするのか?
そもそも今の私に超望遠のレンズは必要なのか?
カールツァイスのレンズが必要になるような写真を撮るのか?
それなら今持っているサブのミラーレス機のレンズを補填した方がいいのではないか?
悶々としながら眠る。
結果、SoldOutになる夢を見てうなされた。
5時間睡眠くらいで目が覚めた時、ああこれは買った方がいいなと思った。
彼と付き合っている時に買ったマウントアダプターが、このタイミングで壊れた。そしてこのタイミングで、美品のレンズが出ている。
今手持ちのレンズは様子を見て売ればいい。
カールツァイスのレンズを欲しがる人はたくさんいる。
今後カメラが変わったときは、純正のマウントアダプターを用意するか、レンズを新しくしよう。
その分、部屋を整理しよう。いらないものは処分して、そのスペースをあけよう。
私にとって、写真は何にも代えがたい趣味になっているのだから。

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