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水晶体奇譚(短歌)

珈琲を飲み干して君にさようなら ちょうこくしつ座で逢いましょう

古漬が古墳にみえるくらいには疲労していた 皺皺のレシート

「眼圧の測定装置に顎をのせてます」ひとりぼっち惑星

肉厚の暗室カーテン幾重にも折り重なって私を拒む

気が遠くなるほどの時間をかけてするお別れです、出会った日から

憤りにまかせ発泡スチロール容易く割れてしまえば極夜

レースのカーテンにだけ棲まう妖精が林檎の皮をするする剥く刻

スローインファーストアウトの一瞬に毒の林檎をくれる妖精

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