ミシュラン掲載店へ行ってきた ~二つ星:板前料理 堂山(長崎市)~

 長崎にある「板前料理 堂山」に行ってきました。
そのお店の食レポが今回のブログとなります。
今までのブログとは雰囲気の違う内容ですが今は色んなことに挑戦しながら記事を書いていきたいと思います。
 実際の食レポの前に「なぜ食レポを書こうと思ったのか」についてまずは書いております。興味があればそこから、無ければ飛ばして読んでください。

食レポを書こうと思ったきっかけ 

 私が複業に興味を持った理由の一つとして「子供が生まれたけど今までと同様に美味しいものを食べ歩きたい」ということがあります。
 趣味の一つである「食べ歩き飲み歩き」は今後も続けていきたいと思っております。
 食レポを書こうと思ったきっかけは、ブログを書くネタとして「自分が得意なこと、これから得意になることを書けばよい」という複業セミナーの先生からの助言でした。
私の得意分野の「食べ歩き」、それを題材にした食レポなら書いていけそうだと思った次第であります。
しかし、ただの食レポだと差別化が図れないと考えたところ「新店や安いお店の食レポはたくさんある。だが地方ほど高級店、地元の人がいく美味しいお店の食レポは少ない」と感じました。
 これまでの人生で立ち飲み屋から料亭まで食べ歩いてきたわけですが、あまり取り上げられていないお店の食レポを書こうと思いました。
 食レポ一つ目は多くのフーディーズが参考にしている「ミシュランガイド」。そこから昨年初掲載の長崎のお店を選ばさせていただきました。

板前料理 堂山

 場所は長崎中心部にあります。徒歩五分のところに長崎でも有数の繁華街「思案橋」があります。

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ミシュランガイドに記載されている情報として

カウンター正面には主人自ら筆をとった品書き。愛する地元の食材を使い、旬を重視しおまかせの献立を組む。関西割烹の流れを汲む店で腕を磨いたため、鯛、鱧、甘鯛をよく扱う。醤油ダレで調味する牛フィレ肉は定番。締めの名物は天ばらのような穴子ご飯。型に捉われない自由な発想で楽しませる。

住所:長崎市鍛冶屋町7-55
夜:12,000円
夜:18:00-20:30(L.O.)
休:不定休
料理の評価:星二つ…遠回りしてでも訪れる価値のある素晴らしい料理
快適度:適度な快適
施設&サービス:現金のみ、分煙、6名個室有、カウンター席が主体、要予約、日曜も営業

とあります。
金額は12,000円(税抜き)のみです。ここにドリンク代が上乗せされることになります。
日本酒は料理に合わせて三種類あります。この日は福田(長崎県平戸)、万齢(佐賀県唐津市)、浦霞(宮城県塩竈市)の三種類でした。
入口の暖簾は季節によってかわるとのこと、この日は梅の暖簾でした。
またカウンター席が主体とのことですが、屋号に「板前料理」と書いてあるように、「板=カウンター」のことで板前料理とはカウンター席で料理を楽しむということだと大将に教わりました。
実際にカウンター席に座って大将の調理姿、大将お話等五感全てで楽しむのが良いかと思います。

お品書き

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 ミシュランガイドに書いてあるようにカウンター正面には大将自身が筆をとったお品書きが掲示してあります。
書いてある字をわかる範囲で記載すると
本日の料理
前肴
新筍
若芽
鱧ぬた

潮汁
お造り
桜鯛

牛ヒレ肉
天ぷら
あか足海老
アスパラ
御飯
穴子飯
と書いてあるようです。
一部判別つきませんでした。大将にお尋ねすれば良かったです。

料理

新筍、若芽

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筍に関しては今シーズン二回目とのことです(一回目は12月)。温暖化の影響なのか既に出回っているとのことです。若芽と菜の花も添えてあります。
行儀悪いと思い出汁を飲まずにいたところ、大将の奥様から「飲んでください」と言われ飲み干しました。五臓六腑に染み渡る優しいお味でした。
長崎の茂木地区、大田尾地区の筍、若芽、菜の花とのことです。

鱧ぬた

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こちらも温暖化の影響なのか既に鱧が出回っているようです。
「ぬた」とは酢味噌のことで、こちらの料理は「鱧の辛子酢味噌」とのことです。お酒に合うお味でした。ブログを書きながら唾液を飲み干しております。鱧は長崎の茂木地区のものです。
大将は毎日茂木まで仕入れのために通っているそうです。

潮汁

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鯛の骨だけで出汁をとり、塩だけで味をつけた椀物です。
塩だけで味をつけているので、海水と同じとのことで「潮汁(うしおじる)」と呼ぶそうです。葱も豆腐も長崎産とのことです。

桜鯛のお造り

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桜鯛のお造りです。こちらは醤油ではなく山葵、塩そして橙でいただきます。
この量を食べるなら醤油では飽きるそうで、山葵、塩、橙でいただくといいとのことです。また、この橙が日本でいうところの「ポン酢」の起源とのことでした。
西洋に開かれていた長崎、西洋人がレモンやライムのことを「ポンス」と言っていたそうです。当然当時の長崎にはレモンやライムはなく柑橘類のことをポンスと呼んでいると勘違いし、丁度手に入った橙をポンスと呼んだそうです。
なお、塩は五島産、橙は長崎産、山葵は佐賀県産だそうです。
大将は長崎産にこだわっているそうで、山葵も長崎と佐賀の県境で取れるとのことで「半分長崎だから」と仰っておりました。
また、必要でしたら山葵おかわりしてよいとのことで山葵をおかわりしました。山葵だけでも十分肴となります。

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写真がぶれております。お品書きにはありませんでしたが、肴として鯛の白子、皮、鱧の肝を和えたものが出てきました。

牛ヒレ肉

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長崎産和牛のヒレ肉です。炭火で焼いており山葵で食べます。
はっきり言って感動します。初めて和牛を食べて泣きました。
醤油と酒と味醂で味付けしてあります。
味醂は長崎の平戸にある福田酒造のものです(本日の日本酒の福田と同じところです)。福田酒造の方に味醂を作ってもらい、一昨年は駄目出ししたそうです。昨年さらに熟成させて持ってきたところ、使うことを決めたそうです。
素材はもちろん調味料に対しても妥協せず、しかしリスペクトして扱っている。そういった一面を見れたエピソードでした。
味醂だけを口にさせていただいたのですが、マディラ酒のような味でした。

あか足海老

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このあと出てくる天ぷらの頭の部分の煮つけです。

あか足海老の天ぷら

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天ぷらのレベルも高くカリッとフワッと美味しくいただきました。
海老自体も美味しいです。

甘鯛の天ぷら

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長崎ではよく見ます、甘鯛の天ぷらです。独特の風味が癖になります。
非常に美味しいです。

アスパラの天ぷら

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長崎の島原産のアスパラガスです。手前の箸と比べても大きいことがわかります。頭側からいただきます。途中筋張っているところは食べにくいです。

穴子ご飯

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穴子の天ぷらを混ぜ込んだ穴子飯、鯛で出汁を取った具のない味噌汁です。
穴子飯は変わり種の天丼とイメージしてもらえたらいいかと思います。ただし、味はかなりの一級品です。少しおかわりさせていただきました。

デザート

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茂木で取れたイチゴです。茂木といえば枇杷が有名ですがこんなに大きなイチゴも取れるようです。

まとめ

大将の「材料を調達してくれる農家、漁師、酒造等の方々のおかげで自分たちは成り立っている。」との言葉の通り一切妥協は許さないけれども全てにリスペクトして扱う姿に感動しました。
先日発表されたフランス本土のミシュランガイドで日本人として初めて三ツ星と評価された小林圭シェフも同じようなことを言っていたように記憶しております。
一流の料理人は腕はもちろんですが、素材を作ってくれる人、調達してくれる人すべてに感謝しているようです。


ドラマのグランメゾン東京を見てレストランに憧れを持った人もたくさんいるかと思います。
和食、洋食、中華どれでもいいです。
一度でいいです。
ぜひ一流店に行ってください。
「食べる」という生きていくうえで必須の行動ですが人生観が変わります。
感動します。
そしてその感動を味わいたくまた色んなお店に行くようになると思います。

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