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神社とお寺の違い① 入口について

あなたは「神社」と「お寺」について明確な違いを知っていますか?また、違いについて説明できますか?
 日本人は古来から「神社」や「お寺」を身近な存在として暮らしてきました。昔に比べて信心深さを失ったと言われて久しいですが、それでもお正月には神社に行き、お墓参りにはお寺に行くという日本人は大変多いかと思います。また、10年近く続く「御朱印ブーム」。このブームも神社やお寺を身近な存在にしてくれました。
 神社とお寺に人々が行くことは偶然ではありません。そこにはそれぞれのルーツや歴史、特徴があります。
 しかし、神社とお寺の違いについて明確に説明できる人は少ないかと思います。
 神社とお寺をより深く理解していくためにも、これから数回に分けて「神社」と「お寺」の違いをブログに書いていきたいと思います。
 まず、第一弾として「入口」について記載します。

入口について

 俗世間から隔絶された神社とお寺にとって、入口とは「境界」のことであります。そこに位置する「鳥居」と「山門」は、共通の意味合いを持ちます。神社の入口は「鳥居」です。象徴的存在とも言えますし地図記号にもなっています。参道の始まりにあります(一部例外有り)。鳥居より先は神様が降臨する神聖なる場所となります。一方でお寺の入口は「山門」です。そこから先は仏の国です。くぐることで心が清められ、美しい心で仏様を拝むことができます。

鳥居について

 単位は「基(き)」、素材は檜や杉といった木材から石材や陶器、鉄筋コンクリートなど様々あります。全国には約8万社程あると言われております。その中でも一種類しかない鳥居もあったりしますが、大まかに分けて「神明(しんめい)系鳥居」と「明神(みょうじん)系鳥居」の2種類に分けられます(※必ずしもこの2種類に分けられるわけではありません)。その中から各部の造りなどからさらに20種類ほどに分類できるようです。また、一つの神社で複数の種類の鳥居をもつところもあります。
 鳥居は「入口」ということでほとんど参道の始まりにあります。しかし、山や島をご神体としている神社の場合、そのご神体の前に鳥居を立てている場合もあります。

鳥居の基本構造
 2本の「柱」の最上部に「笠木(かさぎ)」を渡し、その下に「貫(ぬき)」と呼ばれる部分で柱同士を連結するのが基本構造となります。

神明系鳥居

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図のように「水平・垂直」な笠木、貫、柱からなる直線型の鳥居です。

明神系鳥居

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図のように「反り」のある笠木が特徴的です。様々な発展を遂げた数多くのバリエーションが存在します。

山門について

 お寺の入口にある門を差します。お寺の正式名称は「○○山〇〇寺」(例:金龍山浅草寺」)のように「○○山」という山号がつきます。「山」はお寺の代名詞でありまして、ここから「大本山」や「山門」という言い方がされるようになりました。
 山門は「空・無相・無願」の悟りの境地「三解脱門(さんげだつもん)」に到るための門として「三門」とも称されます。2層構造(二階建てで屋根が二重)の二重門が最も格式が高いです。単層構造は一重門、上層にのみ屋根を設けたのが「楼門」です。また、楼門の中で特に上層に鐘を吊るしたものは「鐘楼門(しょうろうもん)」と呼ばれます。山門の両側に塀がないことが多いですが、これは実用的な門というより、そこをくぐれば心身が清められるという象徴としての門だからです。

一重門

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二重門

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楼門

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二階は実用されないのが普通です。

鐘楼門

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図のように上層に鐘が吊るされています。

立派な門がある神社

 歴史ある神社には立派な門がある場合が多いです。神社の門は明治までの神仏習合時のものです。かつては山門として境内と俗世間とを分ける機能を持っていましたが、現在はその役割を鳥居に譲ってます。建築的にはお寺の山門との違いはありません。お寺であれば仁王像が置かれる場所に神様の像や武人の像や狛犬などが置かれています。

「まとめ」及び「今後の比較」等について

 今回のブログでは「入口」について簡単に述べました。
何気に目にしている、または通り抜けている鳥居に山門ですが実は様々な種類や意味があります。
また、鳥居についても述べたように大まかに2種類、そこから派生して20種類ほどありますのでより詳しく鳥居に特化した記事も書きたいと思います。
次回以降に触れたいと思いますが入口にや拝殿、本堂の傍に置かれている「守衛役」にも違いがあります。神社の「狛犬」と「仁王像」です。このように今回触れなかった様々な神社とお寺の違いについても記載していきたいと思います。予定としてはそれぞれの起源や崇拝対象、お参りの仕方といったようなことです。
どちらが優れている劣っているということはなく、どちらも独自の発展を遂げたところもありますし、お互いに影響しあって発展を遂げた部分もあります。そういったところにも触れながら紹介できればと考えております。

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