余談3 忘れられない女の子の話


先日、とある女性とご飯に行ってきました。
何となくセフレというものに興味がある、という女性で、まずはご飯でもご一緒してみたいということだったので、彼女のリクエストで美味しいおでんを食べに行きました。

が、彼女は少しお酒が入ってから、

・最初は何となくセフレというものに興味があって、軽い気持ちでサイトに登録してみたこと
・ただ色々と考えた結果、やっぱり自分にセフレは向いていない、セフレは止めておこう、とだいぶ前に自分の中で決断していたこと

・既にサイトのほうも退会していて、誰ともやりとりしていないこと
・ただ、
好奇心でどうしても一人くらいは会ってみたくて、アオさんには申し訳ないけど今日は来てしまったこと

などを、とても申し訳なさそうに話してくれました。確かに、彼女は最初からかなり警戒心が強かったし、話をしていても真面目で芯の強い印象を受けたので、そう言われてみれば、セフレという沼は彼女には向いてなかったのかもしれません。

正直に言うと、彼女はとても可愛らしい女性だったので、内心とても残念ではありました。ただ、彼女の中で結論が出ている以上は無理強いはできないし、それ以上ごねるつもりもありません。
彼女はセフレ界隈の話を聞いてみたいというので、どうせなら彼女のセフレに対する未練を断ち切ってやろうと思い、セフレ関係を割り切って楽しもうと思ったら、僕のように頭のネジが多少緩んでいないと難しいと思うこと、緩んでいたとしても(僕でいうAちゃんとの経験のように)時に沼にハマってしまうことがあること、性格的に割り切ることが難しいようなら、出会い系沼とはキッパリ距離を置いたほうがいいかもしれないこと、などを自虐的な笑い話としてお伝えしておきました。

お互いぶっちゃけてからは何だかスッキリして、お互いの過去の恋愛の話、僕の出会い系沼での迷走っぷり、彼女のちょっと変わった性癖の話など、逆に腹を割って色々な話をすることができて、普通に楽しい時間を過ごすことができました。たまたま僕のキャリアが彼女の今後の参考になることもあってか、彼女からは『我儘なのはわかっているが、よかったらアオさんとは普通の男友達としてまた会いたい』とも言われました。最初は正直、セフレとしてのお約束が反故になってガッカリした気持ちもありましたが、もしかしたらお互い腹を割った彼女とはいい友人関係が築けるのかもしれません。

で、ここまでが長ったらしい前置きで、本題は彼女が僕に尋ねた、『今でも忘れられないくらい好きになった女の子はいる?』という問いかけについて。これを聞かれて僕がすぐに思い出したのは、小学校4年生のときに好きになったXちゃんのことでした。

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Xちゃんとは、小学校4年生のときに同じクラスになった。
当時、なぜか男子3人、女子3人の計6人のグループでつるむことが多くて、僕もXちゃんもそのグループに属していた。今となっては、それほど目立つタイプではなく、どちらかというと大人しいXちゃんのことがを、なんで好きになったのかは覚えてないけど、そのグループが自然発生的に出来上がった頃には、僕はすでにXちゃんのことが大好きだった。たぶん、『僕の初恋の人』と呼んで差し支えないのがXちゃんだと思う。

で、初心な小学生の間で話すことと言えば、『好きな人の話』だ。
で、僕らの間でも何かの拍子で、同じクラスに好きな子がいるのか?という話の流れから、それぞれ誰が好きなのかをみんなでカミングアウトしよう!という展開になった。

ちなみに、小学校4年生時の僕は、今からは考えられないくらいめちゃくちゃモテた。なぜなら、前年に転校してきた僕は『転校生』というブラントを背負っていて、勉強もそこそこできて、なにより学年の誰よりも足が速かったからだ。大人になっても、足の速さでカーストが決まればいいのに…

そういう訳で、当時の僕は恐らく根拠のない自信のようなものを纏っていたのだけど、なんとXちゃんが好きな人として指名したのは、同じグループの別の男子だったのだ。その男子とXちゃんが両思いだったのかは全く思い出せないんだけど、その後に女子達から執拗に好きな人を問いただされた僕は、『前の学校に今でのまだ好きな女の子がいる』とかいうめちゃくちゃダサい嘘をついて、その場を逃れたのを未だに覚えている。

今思えば、これが僕が女性関係にちょっと奥手になったキッカケだったのかもしれない。

学年が変わって、Xちゃんとはたまーに言葉を交わす程度に疎遠になってしまったけど、僕はずっとXちゃんのことが好きだった。
そのまま同じ地元の公立中学に進学をしたけど、彼女と同じクラスになることはなかった。中学生時代、僕には初めての彼女ができて(といっても、手を繋ぐこともないような清い交際“ごっこ”でしかなかったけど)、彼女にも彼氏がいたりいなかったりして、流石に『好き』という感情は極限まで薄まっていたけど、それでもXちゃんは僕にとっては常に気になる存在で、初恋が昇華(あるいは美化)された結果、むしろ『憧れ』に近い存在になっていた。

その後、別々の高校に進学をして、流石にXちゃんのことを考えることは少なくなっていたけど、ある日、たまたま高校からの帰宅する途中、駅でばったりとXちゃんに遭遇した。お互い偶然の再会を驚き&喜び、自転車を引いて一緒に帰宅したけど話し足りなくて、結局公園に自転車を止めて真っ暗になるまでお互いの近況について話し込んだ。

Xちゃんは僕が好きだった頃から何も変わっていなくて、ここから僕のXちゃん熱が再燃した。Xちゃんもこの日を境に、他愛のないメールをしょっちゅう僕にくれるようになって、その度に僕らは何十通とやりとりした。メール不精の今の僕からしたら考えられないことだけど。今思えば、このときがXちゃんに告白をする最後のチャンスだった(そして、確かにそうだったことが後に判明する)。だけど思春期を迎えて、男女関係について極端にシャイで憶病になっていた僕は、Xちゃんに最後まで告白することができず、そしてそのまま疎遠になっていった。

だけど、やっぱり『初恋の女の子』はいつまでたっても特別な存在だ。地元を離れて大学に進学した後も、ふとした時に思い出したり、たまーに夢に出てきたり、まさに彼女はタイトルの通り『忘れられない女の子』となった。

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彼女との縁はもうちょっとだけ続きます。

なぜ僕がわざわざこんなセンチメンタルな自分語りをしようと思ったのか、その理由とオチについてはまた後日。


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