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Deaglet コラム VTuber関連

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Deagletworksが執筆したVTuber関連のコラム記事をまとめています。
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#エッセイ

YouTubeの誤BANは決して他人事ではないよという話

 にじさんじ所属のバーチャルライバー『ラトナ・プティ』が、4/30の午後にチャンネルが無警告で停止されるという憂き目に遭った。  当初はYouTube側から停止措置の理由が公表されず、複数の憶測が流れていたが、数日後に『性的なコンテンツ及び複数の重大な違反に基づく停止』という旨のメッセージがチャンネル上に表示されるようになった。また、にじさんじ運営から一連の事案に関する声明が発表された。  ただし、チャンネルを停止する件について、YouTube側からの事前通告や警告は存在せ

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楽しく実るコラボ配信をつくるには

 他のユーザーとのコラボレーションは、インターネット上の動画配信において注目される企画の一つである。それぞれの配信者を追いかけるファンにとっては、新鮮さと交流関係から生じる魅力や楽しさを得られるイベントであり、良くも悪くも注目されるコンテンツと言えるだろう。  かつては現実でユーザー同士が交流を行い、肩を並べて映るという動画が主流だった。こうしたスタイルは、当時の配信者のコンテンツ内容に大きく起因するものである。科学実験やいたずら、ドッキリといったジャンルで活動していた配信

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にじさんじARKを振り返る ~アイランド編~

 去る4月15日、にじさんじ所属ライバーの本間ひまわりより、ARK新サーバーの告知配信が行われ、にじさんじARKシーズン2『ラグナロク編』がスタートすることが決定した。そこで今回は、2020年の2月から4月初めにかけて行われたシーズン1『アイランド編』を、時系列順に振り返ってみたい。  シーズン1は、白熱する戦争とエモーショナルなドラマが繰り広げられ、Twitterのトレンドやニュースに取り上げられるなど、大きな反響を呼ぶ結果となった。今回の記事を通して、一連のできごとや思い

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でびでび・でびるに学ぶ『悪魔的なコミュ強戦略』

 皆さんは、ぬいぐるみのような外見でにじさんじ内を縦横無尽に飛び回る怪ライバー、でびでび・でびるをご存じだろうか。魔界からやって来た悪魔だと名乗り、人類のみならず亜人や異世界の住人さえも弄ぶ彼(彼女)は、一癖二癖あるにじさんじライバーの中でもひときわ異彩を放っている存在である。  彼の行動や発言は、時として常人に理解のできないものであり、また脈絡のないいたずらに反感を覚えることも少なくない。それにもかかわらず、でびでび・でびるは排斥されることがない。コメディーリリーフとして

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2020年のにじさんじは、アーティスト・パフォーマー路線を目指しているのか

新人達がやってきた 4月2日、にじさんじに新しく加わるライバーの告知が行われた。驚くべきことに三人とも男性のライバーである。女性ライバー多めの構成で始まり、以降もデビュー比率として女性(あるいは女性と思われる声質)のライバーが多かったのを鑑みると、今回の新人登用は思い切った取り組みであることが伺える。  ユニット名を『VΔLZ』とした彼らのメンバー構成と、一リスナーとしての所感は以下のとおりである。 長尾景(ながお・けい)  祓魔業(ふつまぎょう)を営む青年で、お金が出

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『切り抜き』の利点と危険性

魅力の周知に貢献する『切り抜き』 YouTubeなど、動画共有サービスでは長時間のライブ配信が主流となっている。こうした長尺のコンテンツは、アーカイブなどの形で共有される一方で、後追い視聴をするユーザーからは楽しみづらいものとなっていることが多い。  ライブ中の視聴を行っているユーザーの場合、コメントチャット等の形で即時の交流ができることや、また配信サービス内でのやり取りが行えない場合でも、同時視聴という形でファンコミュニティ内の歓談ができることで、間延び感を覚えることはさほ

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『第一次にじさんじARK戦争』考察

 3月23日の夜、一つの戦いに終止符が打たれた。といっても現実の出来事ではなく、あくまでゲームサーバー内の一コマである。  この日開催されたのは、にじさんじARKサーバーでのPvPイベント、『にじさんじARK戦争』とも呼ぶべきイベントである。サーバー内でARKを遊んでいるライバーが2つの同盟に分かれ行われたこの戦争、ルールとしては以下のようになっていた。 ①マップ内で指定された地域の中に両チームが前線拠点を建てる ②拠点か地域内のどこかにベッド(リスポーン用アイテム)を5つ

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『ARKマルチサーバー』に見るにじさんじとホロライブの違い

 今年に入り、にじさんじとホロライブという2大VTuber事務所において、急速に流行の度合いを強めているゲームがある。その名を『ARK:Survival Evolved』という。  ざっくりと説明するなら、オープンワールドのマップを探索し、原野に生息する恐竜や古代生物達を捕らえて飼い馴らし、難敵の潜む洞窟や強力なボスキャラクターを踏破するアクションゲームである。周囲の環境に対して不利で無力気味なキャラクター、ブロック化されたアイテムを組み上げる建築やアイテムの合成といった要素

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VTuber四天王が第一線から姿を消した理由

キズナアイ。 輝夜月。 ミライアカリ。 電脳少女シロ。 そして『バーチャルのじゃロリ狐娘Youtuberおじさん』ことねこます。  彼らの名前をどこかで聞いたか、昔から知っている人々は少なくないだろう。バーチャルYouTuber界隈の黎明期に登場し、各々の配信活動をもってその存在価値を広めた『四天王』である。彼らがそういう括りを自覚していたかはさておき、かつてはVTuberの代名詞として扱われていた。  実在の人物であることが前提となっており、キャラクター物は入り込む余地す

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『つまらない配信者』になる3つの要因

 動画共有サービスやSNSの登場によって、メディアはウェブ発信の時代に入った。現在ではTwitter・Instagram・Facebook・YouTubeなど、インターネット上にある複数のサービスが発信したい人々の活動拠点となっている。  この次世代のメディアは、これまでのように限られた人間が特定の組織から発するものと異なり、柔軟かつ直接の収益性をもった存在である。ニュースキャスターやレポーターでなくてもニュースを発信でき、ひとたび根強いファンを獲得すれば生業とするに十分なだ

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キャラクターが商売をしていく上で必要なこと

 今回はキャラクタービジネスについて、僕が常々思っていることを語る。このところVTuberに関係する記事が続いており、若干食傷気味の読者も少なからずいるだろうと思うので、今回はややずらし気味に話を進めていこうと思う。  古今東西、キャラクターを使った商売というものは、典型的なビジネスツールとして廃れることなく用いられている。これは何も金儲けに限った話ではない。極端な括り方をするなら、宗教上の神格や天使の類もキャラクターであるし、信仰に身を捧げ教徒達の規範となっている聖人もま

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新人ライバーが伸びを欠くことは、「衰退」と異なる現象

 最近、このような記事が注目を集めている。  内容としては、にじさんじにおけるライバー同士の関係性や活動内容の変化を挙げ、「腐っている」と断じるものである。  にじさんじについては、所属するVTuber(以降ライバーと称す)の数が3桁台に届くほど増えていることで、衰退というよりも埋没のしやすい環境ができつつあると言える。  ライバーの生活リズムや他の仕事などによるばらつきはあるが、現在は毎日数十件単位でYouTubeなどでの配信や動画投稿が行われている。当然、配信スケジュー

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グループVTuberのトラブルはなぜダメージが大きいのか

 キズナアイの登場を機に、数多のバーチャルYouTuberがデビューと引退を繰り返している昨今。このVTuber界隈では、重大なトラブルや事件がいくつも発生してきた。  中でも衝撃が大きかったのは『ゲーム部プロジェクト』や『アイドル部(.LIVE)』といった、グループ型の活動を主とするVTuberのトラブルだ。前者は演者の総入れ替え、後者は内部のトラブルから一部キャラクターの脱退に至るといったことが発生し、それぞれのファンを大きく落胆させる結果となった。しかも、犯罪関与などと

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バーチャルの海より出でたもの

 バーチャルYouTuber、通称VTuberと呼ばれるタイプのネットタレントが世に現れてからはや3年あまり。カメラを使ったモーションキャプチャーでCGキャラクターの体や表情を動かし、リアルタイムで演じるというこの形式は、現在個人の趣味から商業分野にまで広く普及している。  その一方で、VTuber側の炎上沙汰や運営体制のトラブルが絶えないのもまた事実である。数十万人規模の支持を勝ち取りながら、問題のある発言や行動、運営者との利害対立によって姿を消した者は決して少なくない。

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