納骨後のお参り

8月にそれまで一切連絡がなかった義姉からメールが届いた。
恐らく兄が私のメアドを教えて、自分の代わりにメールするように頼んだのだろう。
要は母の納骨を執り行うから、来ないかという連絡だった。
モヤモヤした気持ちが晴れず、結局返信はしなかった。

後日、唯一頼っている従姉妹から納骨が無事に終わったことと、兄弟も義姉も母方の親戚も揃っていた連絡を受け取った。
行かなくて良かった。

10月に入り、故郷に住んでいる古い友達に会うことになり、出掛けていった。
一緒にランチをして、近くにあるというパワースポットにお参りしようということになった。
そこは太融寺さん。
初めてお参りさせていただいたが、女性参拝者さんが切れ目なくお参りに来られている。
私たちも手を合わせようとお不動さんと向き合った。心のなかで、母を含めたご先祖様へのお礼を唱えた。
これは私と父だけの思い出なのだが、一緒にこんぴらさんに参拝したことがあり、四天王寺にも毎月お参りしていたくらい、弘法大師さんとご縁があった。
太融寺さんにも、弘法大師さんがいらっしゃった。
あぁ、父がそばにいる。そう思えた。

友達と近辺をぶらつき、お茶を飲んでいるときに自然と「また会いに来るよ。そのときも、お茶を一緒に飲もう」と約束した。
本当はもうその土地に、近寄ることもないと思っていたのに。

すでに故郷は帰る場所ではないけれど、それでも新しい記憶を上書きしに行くのだろう。
だから、帰る場所ではなくて「行く場所」に変わったのを、一人実感して帰りの新幹線に向かった。

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