効率的と合理的の違いは、そこに想像力があるかどうか
効率的と合理的、似てるけど同じではないよな〜と思いながら、最近その違いを考えていた。
私は合理的な人間だけど、効率化にものすごく命をかけているかというとそこまででもない。
社会では、働き方改革がブームで生産性が叫ばれていて、やれDX(デジタルトランスフォーメーション)だの、効率を重んじる風潮になってきた。
だけど社会が、合理的か?と言われると、うーん?とも思う。
合理っていうのは理にかなってるかどうかで、
私が入社式で代表に言われた言葉は
「世の中っていうのは不公平です。早くそれに慣れてください」
だった。
ちなみにこの言葉は代表が言った言葉ではなく、ビルゲイツの言葉だ。
人間は理論で生きていない。だから人間社会で働くことは合理的ではないと言われればまあそりゃそうだとなる。
・効率と合理の派生語
-効率的と合理的
効率的な人間とは言わないけど、あの人は合理的な人間だから、とかは言わなかったりする。
効率的な作業・プロセス、合理的な作業・プロセス、うん、作業とか順序とかにはどちらも使っているかも。
-効率性と合理性
効率と性の相性は悪い気がする。調べてみたら、効率性は経済学で使われるかなり専門的な言葉としては存在していた。
合理性っていうのは一般にも馴染みがある気がする。理にかなっているかどうか、みたいな。
-効率化と合理化
効率主義とは言わないけど、合理主義とは言う。
【-主義 】持ちつづけている考え・方針・態度など。
効率主義と言わないのは、効率が瞬間的なもので継続的なものではないからかもしれない。
・efficient and rational
efficientの語源を調べてみると、
「生産的に作り(facio)出し(ex-)ている(-ens)こと」がこの単語のコアの語源。㋙㋫efficient(効率的な)→㋶efficiens(生み出している)→㋶efficio(作り出す)+-ens(現在分詞語尾)→㋶ex-(~の外へ)+facio(作る)→㋑dheh-(置く)が語源。(語源英和辞典より)
fictionと関係があった。何かを作り出すとか、無駄が少ないとかそういった意味だった。
rationalの語源も調べてみた。
古期フランス語 rational(理性的な)→rationalis(理性の)→ratio(計算)+-alis(~の)→reor(計算する)→hreh-(整える)が語源。「考えが論理的であること」がこの単語のコアの語源。reason(理由)と同じ語源をもつ。(語源英和辞典より)
こちらはratio(計算)に語源があり、考えが論理的であることらしい。
・効率は無機質、合理は有機質
色々調べてみて、こういう印象をもった。
いかに効率的になれるか、というのは機械の得意分野だ。同じ作業を早く、短縮することは効率的と呼べるだろう。
でもそれは合理的とは呼べない。
理性が入ってないからだ。頭を使っていない。
いや、どう短縮するか?どう早く終わらせるか?を考えている時には、頭は使っているかもしれないが、その新しく生み出された効率的な手法をやるとなったときから、頭は使わなくてよくなる。
一方合理的というのは、ロジカルさ、理路整然といった言葉と近い。
散らばったA ,B ,C,Dを一番意味が通る順番に並び替えていくのは合理的な作業と言えるかもしれない。
これは一見すると機械ができそうなことだと思われがちかもしれないが、私はそうは思わない。
散らばったA ,B ,C,Dを結びつける作業は具体を抽象にする必要があるからだ。猫、犬、ネズミを動物だと考えて一括りの部屋にしてしまうと、猫と犬は喧嘩するかもしれないし、ネズミは猫に食べられてしまうかもしれない。
だから別々の部屋にしたほうがいいと考えるのは、合理的なことだと思う。
でも別々の部屋を用意するのはめんどくさいから、効率的ではないかもしれない。
合理性には想像力が必要だ。
そして想像力は機械が持たない人間の武器だと思う。
私は大人になるにつれて、自分の感情が自分の中の理論に負けていってしまうことに寂しさを感じていた。
でも合理性が想像力だと考えれば、合理的な自分も悪くはないと思える。
参考
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