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ミータソのマザーズ企業分析【弁護士ドットコム】2021年Q2

こんにちはー、ミータソです。

2020年12月は結構仕事がハードだったので「来年1月は落ち着くだろう」と高をくくってたのが甘かったです🤯

スポットの仕事がポンポン入って、あれよあれよという間に予定が埋まっていきます。好きなスタートアップ関連のお仕事なのでアドレナリン🔥が出つつも、

そろそろ事務系やってくれる人か、手伝ってくれる後輩が欲しいなーと切実に思ってます、じゃないと体がもたない。

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一方でコロナ禍、トップラインが伸びず大変な状況にいる事業者もいる中で仕事があることに感謝するとともに、

もっともっと自身の腕を磨いていけば、そういった人たちを救っていけるのではないかと思い、粛々と企業分析してる休日です。

今回は弁護士ドットコムを取り上げてみました。Docusignその他競合がある中、関与してる会社の多くがクラウドサインを利用し、これってどこのサービス?と調べてみたら、リーガル版ヤフー知恵袋を展開する弁護士ドットコムだったと。

CだけでなくB向けでもサービスを展開、一見すると両サービス間でシナジーがない中、どちらもユーザーに浸透している、そんなサービスをもつ弁護士ドットコムって非常にユニークな会社だなと思い、今回分析してみました。

あと興味を惹かれたのはトップの経歴でしょうか。創業者の元榮さんは弁護士としてキャリアをスタート、その後起業しマザーズ上場に導き、その後政治家に転進と非常にユニークな経歴。

同じ士業としてそこ知れぬ可能性を彼は示し、私は非常に刺激を受けました。

1. 会社概要


設立は2005年8月に法律相談ポータルサイト「弁護士ドットコム」運営を開始、2012年に『弁護士ドットコムニュース』がブレイク、デジタルガレージ、カカクコム、そしてまさかの大前研一さん(!)が外部株主として参画し、2014年12月に東証マザーズに上場しました。従業員数は現在291名。

長らく創業者の弁護士でもある元榮 太一郎さんが社長をつとめていましたが、その後議員に当選し、2018年4月に代表取締役を退任、現在はカカクコム取締役、みんなのウェディング代表取締役を歴任した内田陽介さんにバトンタッチしています。

現在の役員陣も外部株主として参画した関係者らしき方々が名を連ねてますね。

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現在は「弁護士ドットコム」、「クラウドサイン」、そして税務相談ポータルサイト「税理士ドットコム」のインターネットメディア事業を運営しています。

株価も直近1年で約2倍、2020年12月25日に2,206億で6位とマザーズ時価総額ランキングの常連でもあります。


2. 財務分析


2021年3月期Q2の売上高は前年同期比28.2%増の12.7億円、営業利益は31.8%増の1億円と増収増益。営業利益率が+0.2ptの7.9%。

セグメント別でみると、全売上の40%を占める弁護士マーケ支援事業はややプラス、有料会員サービスはマイナス、こちらはどちらも「弁護士ドットコム」事業です。

そしてクラウドサインが前年同期比で2.5倍、前四半期比1.3倍のプラス成長。テレビCMの反動で前期比広告宣伝費はマイナスですが、人件採用等により社員数も計画通り増加。

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3. セグメント分析


次の事業の柱は間違いなくクラウドサインでしょう。2015年10月同社がリリースしたプロダクトですが、コロナでリモート・DXのトレンドにのり、なかなか進まなかった政府の後押しもあります。


自分が関与してるベンチャーでも既に複数社導入済で、実際私も利用したことありますが、契約交渉が済んだ完成済の契約書をアップロードし、相手方が承認するだけで契約を締結できるので非常に便利。

UIも分かりやすいですしね。クラウドサインのUIUXは当時社長の元榮さんがスクラッチで作り、心血を注いだとのこと。

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会社が別に利用するバックオフィス支援系のSaaSが、買収等により別のクラウドサイン的な会社を取り込んで抱き合わせでサービス提供しない限り、しばらくはクラウドサインのリプレイスもないでしょう。

一方コンシューマー向けの「弁護士ドットコム」事業について、国内の全弁護士数42,200人の46.4%にあたる19,586人の弁護士が弁護士ドットコムサービスに会員登録しています。またデータベースとしてたまったナレッジが強固で、競合他社が容易に参入し難い事業環境ではあります。

一方、流入元の検索システムのアルゴリズム変化による凹みにより、KPIの月間サイト訪問数・有料課金ユーザーもここ2年マイナス。

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月額330円のサブスクサービス、個人の感覚としては安いですが、日本でもアメリカはじめ海外のように日常的に訴訟や家庭の困りごとが発生し、その都度ユーザーが調べるというのもしばらくは想定しづらく、継続課金するモチベーションもわかないのではないかなと。


4. ミータソの着眼点


冒頭で述べましたが、株価も1年で約2倍。電子署名の市場規模200億円でクラウドサインのQ売上が3億円ちょい、それで時価総額2,300億円は高すぎる気もしますが、市場の「クラウドサイン」事業への期待があるのでしょう。

また創業者が退任して2年経ち、「クラウドサイン」事業と”専門家をもっと身近に”という経営理念とちょっと違うのかなーと思ったりします。別会社として切り出しなんかもあったりして。

一見すると「弁護士ドットコム」事業と「クラウドサイン」事業のように明確なシナジーがない複数事業中、いつどこにいくらお金を投入するのか投入するタイミングと額次第で大きく株価が動くのではないでしょうか。

※株価について
2020年現在で「クラウドサイン」事業の日本国内における電子署名市場シェアは80%超
、先程コメントした優れたUI・UXに加え、日本の法律に深い理解と知見を持つ弁護士ドットコムが弁護士監修のもと運営しており、法的に安心できるプロダクトを提供してる点が競争優位になってます。

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5. ミータソのスタートアップファイナンス情報発信について


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