90年代音楽遡行
入院中の暇潰しにラジオ→Spotifyを利用したことで、90年代の音楽に触れる機会が増えた。音楽というのは記憶と連動しているので、当時の自分を思い出したりして懐かしさや気恥ずかしさなどが大波小波と押し寄せる。ど真ん中たる94~98年が大学生だったので、ある意味、人生を一番謳歌していた時。日本や世界の情勢など時代を彩るイベントでしかなく、未来など当たり前にくると信じていた。
そんな時代に聴いていたアーティストたち。
小沢健二、川本真琴、oasis、the brilliant green、ケン·イシイ、Dragon Ash…etc
今よりも邦楽メインで聴いていたようだ。当時は映画製作の道を目指していた事もあり、大好きな曲たちからインスピレーションを受け物語を考えたりしてもいた。どちらかと言えばアート寄りの友人が多かったので、映画や芸術論を語り合ったりして。
青春。まさにそれ。
今思えば能天気なものだが、えてして青春とはそんなもの。そして音楽における自分の根っ子は、間違いなく90年代に聴いた曲たちが形成している。
現在。もう50歳が見えてくる年になり、改めて触れてみても不思議と古臭さもなく、やはり好きな曲ばかりだ。勿論、ノスタルジーはあるのだけれど根本ではメインストリーム。新しい曲を聴いても当時の匂いが感じられるものに反応してしまう。
年を経て人生はまぁまぁ大変だと思い至っても、能天気だったあの頃聴いた曲たちが、力をくれたり心を助けてくれたりする。それもまた音楽の力。拡げれば文化芸術の力だろう。コロナ禍では一番蔑ろにされた分野だけど、やはり自分には無くてはならないものだと再認識した。
病院のベッドで始めた90年代音楽遡行。音楽をきっかけに記憶のタイムスリップをして得たものが、不安定で苦難も多い時代を生き抜く糧になることもある。
とっくのとうに年は明け2022年。
また音楽を携え歩いていく。
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