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「認知症⁈ 全然大丈夫、全部O.K.、 ケセラセラ♪」4

認知症の人と家族の会
福岡県支部会報「たんぽぽ」2022年1月号 寄稿エッセイ
 


第3章 転機

母と二人暮らしではありましたが、関西に3人、福岡にもう一人の5人姉弟で、認知症の母にどのように対応していくか、法事等でたまに集まっては話し合いをしていました。

しかし、それぞれ家庭があり、福岡から離れてもいるので、なかなか結論には至りません。

弟が「長男なのでいずれは母をみるつもりでいた。でも仕事があるから大阪に連れていく」との意思表示もありましたが、そんなことしたら、環境が激変し認知症を一気に悪化させてしまう。

施設入所も随分議題に上がりました。

私一人に介護を任せたら申し訳ないとのきょうだいの思いも理解するものの、母はわからないことや出来ないことが増えはしても、少しの見守りや、サポートでちゃんと生活できるのに、施設入所すればこれまた環境は激変。母にとって慣れ親しんだ家で生活するのが一番。

しかし何より、私の対応が母の認知症を引き起こし、悪化させたのではないかという強烈な罪悪感があり、このまま母ときちんと向き合わずに手放したら、一生後悔することになる。

そんな気持ちから覚悟を決め、きょうだいには「私がみる」と表明。介護との両立が難しくなった仕事を辞め、介護に専念する生活を始めたのでした。


果たしてその結果は…?


暗闇に一筋の光を見出したかのごとく、良い方に前進。仕事に追われる、時間がない、母の問題行動のストレス三重奏が、母問題だけになると心に余裕が生まれ、ゆっくり母に向き合えるようになりました。

すると母も穏やかに機嫌よく過ごしてくれ、問題行動もそれ程起こらず、そもそも問題と思っていたことも、認知症の人の面白行動と客観的視点で捉えられるようにもなり、まさに「鏡の法則」を体感する日々になりました。(つづく)

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