よしなしごと
アナタがワタシを嫌いでも
ワタシはアナタを好きになる
昔、何かで見たフレーズであるが、コレは私と数学の関係そのものである。
私は数学という学問は好きな方である。
まず数学に出てくる記号が好きだ。
3次関数の波打つ曲線も美しいと思うし、長々しい数式はオベリスクを眺めているような壮大な気持ちになる。
ゼロの概念や虚数の話等も素直に興味深いと思える。
しかし、数学は私を好いてはくれなかった。
私は高校の頃、先生方に “ 理国系 ” と呼ばれていた。
得意教科が国、英、理なのである。
中学からこの3教科なら9割以上を維持できた。
理科なら生物も化学も問題なかった。
社会は駄目だ。顔を覚えられない私にとって、
偉人のオッサン方は見分けがつかないし、
誰が何処で争おうとも興味がない。
寧ろ神話の方が余程好きだ。
そして、数学。
連立方程式、速さと時間と距離の問題あたりまでは まだ、
「何故A君はリンゴとミカン買うのに、余分にお金を持っていかないのか」
「B君が引き返せば、C君はあまり頑張らなくても追いつけるのに…」
と不要な疑問を投げかける位で留めておけた。
数学から見限られたのは、点Pの登場あたりからだと思う。
あの無闇に動き回る点P。
何故動く。
落ち着きがないにも程がある。
その軌跡で描かれた図形の面積?知ったことではない。
いいからじっとしてろ、点P……
何度苦言を呈したことか。ヤツは止まってはくれない。
後は数列。
∑(シグマ)のフォルムは好ましいが、解き方はさっぱりだった。
反復練習の嫌いな私にとって、このテの問題は鬼門でしかない。
逆に、何故か当時
ベクトルと3次関数だけは学年順位一桁を取れた。
見れば自然に解けるのだ。
数学の先生にも解けない謎である。
優しい先生は、センター試験でベクトルと3次関数が出てくれるよう祈ってくれたらしいが、
出てきたのは数列であった。
結果は言わずもがなである。