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K.Mさんへの聞き取り(録音書き起こし)

・・・はい,よろしくお願いします.なんか川上さんってイメージと大分違いますね.もっとガタイがいい人なのかと思っていました.あ,気を悪くされたらすみません.そうなんですか,よく言われるんですね・・・.
私はアイスコーヒーで.はい,お願いします.

お手紙の件ですよね,Aが行方不明になった話.分かりました,記憶の限りで詳細をお話しします.

Aは大学時代も卒業後も優秀な人として周囲から扱われていたので,転落劇には驚きました.もちろん,彼にも欠点はありましたよ.でも,仕事の出来るやつで,何より人として魅力的でしたから.

九州旅行の同行者ですか?特に何も.今も連絡は取り合っていますよ.普通です.
Aに霊感があったかどうかですか・・・.うーん,聞いたことないです.オカルト系の話もしたことないですし・・・.あ,いや一度だけサークルの合宿でありました!

合宿の夜にオカルト話をしようってなって.百物語をやろうってなったんです.サークルメンバー20人前後かな.まぁ単純計算で一人5話ですね.そのときにした話は大体忘れているんですけど,でも結構鮮明に覚えている話もあって.その一つがAのした怪談ですね.Aの実家は太くて,結構豪邸だったそうです.それで,小さい頃から一部屋丸々子ども部屋として与えられていたようなんです.Aの怪談なんですけど,子どもの頃夜に尿意で目が覚めることがあったそうです.子どもの頃,夜トイレ行くのって怖いじゃないですか?Aも怖くて,隣室で寝ている親を起こしてついて行ってもらってたそうです.Aの説明だと,部屋を出たら廊下があって,その廊下の左端に父親の書斎とトイレがあったそうです.ある時からAはトイレを済ませると毎回書斎の方から音がすることに気がついたそうです.書斎は父親が集めた骨董品が並んでいて,昼間は普通なんですが夜見ると気味が悪かったそうで.だから,Aはなるべくそっちの方を見ないようにしていたんですけど,ある晩ついに好奇心に負けて書斎の方をのぞき込んだんです.そうしたら,三面鏡の蓋が「カタッカタッ」って動いていたらしくて,彼は怖くなってそれ以降その三面鏡には近づかなくなったようです.その三面鏡は曰くの品とかではなく,普通に業者かどこかで処分されそうになっていたのを引き取ってきたものだったらしいです.なんでも昭和初期に作られたものだそうで.父親は数ある骨董品の中でもその3面鏡を大事にしていたそうです.

はい,話はこれだけです.まあ怪談話にしては普通というかオチがないですよね,ははは.でもAの鏡に対する怖がり方が尋常じゃなかったので今でも覚えているんです.結局百物語も中途半端に終わって,寝る前にトイレに行ったんです.そのときのAの鏡に対する怖がり方と行ったら本当に面白かったです.いやこんなこと言ったらAに失礼ですね・・・.

Aのオカルト関連に関する話と言ったらこれくらいですかね.九州旅行の話は私もあまり聞けていないんです.今度,旅行に行った友人に詳細を聞いてみますね.

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~後日,K.MさんからLINEあり.以下,メッセージ内容を記す.

「こんにちは.
先日はありがとうございました.あれから友人に旅行のことを聞いてみたんですけど,●●●●●に行った以外は別府温泉とか行っていたそうです.●●●●●では,繁華街を散策してたらしくて特段変なことはなかったそうです.ただ,その繁華街でAがキャッチらしき人物に強引に声をかけられたらしくて.腕を掴まれて引っ張っていくくらいの勢いだったらしいです.そのキャッチは『お兄さんは特別だよ.お兄さんは特別だよ』って連呼していたらしくて,結構しつこかったみたいです.結局,防犯パトロールの人が割って入って止めてくれたそうですが,そのキャッチはパトロールの人に制止されてもなお,何度も同じ言葉を連呼していたそうで,友人たちも気味が悪いねって印象に残ってたそうです.
詳細は以上です.また何かありましたらお気軽にご連絡ください.Aのためなら何でもします!」

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