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1.友人の捜索依頼

川上から連絡があったのは,そろそろ厳しい暑さを乗り越えようかという時期でした.「人捜しをしているが,どうにも上手くいかない.どうしても発信力のあるXアカウントを持っているお前の力を借りたい」

川上は普段の生業を明らかにしておらず,人捜しや特定業などややアングラな活動をしているという噂を耳にする程度でした.実際,彼と知り合った経緯は友人からの紹介でしたから.

そんな彼とつるむようになったのは,ここ最近のこと.私がSNSで情報発信をし始めて少し経ってからでした.彼はX(Twitter)の複利効果を面白く思い,私に何度かXで情報発信した事でできた人脈や集まってきた情報に関心を示すようになりました.私は彼と話す中で,本当に川上という男が人捜しや特定業を生業にしていることを知りました.また心霊スポット管理をしているという話も・・・.

私,D.Dは複数の友人とチームを組んで活動しており,その交友関係は複雑かつ有機的なものです.
ここで唐突な自分語り,友人紹介に戸惑われた方もいらっしゃるでしょう.これはどうしても必要なことだからです.

川上は心霊スポット管理という特殊な職業(?)柄,全国を飛び回ります.その合間に人捜しをしているそうです.そして,今回皆さんにお話しすることにつながります.それは冒頭に挙げた彼からの連絡です.私はいくつか問題を抱えていた時期だったので,その解決と引き換えに会うことにしました.
彼とは新宿にある行きつけのカフェで会いました.活動拠点からアクセスしやすい場所ですし,場所柄色んな人が行き交うので見当たり捜査(外見的特徴を掴み,雑踏で人を探し出す警察の手法)にはうってつけなのだそうです.
彼はコーヒー,私はアイスティーを頼みました.向かい合うなり,川上はいくつか紙の束を挟んだファイルを机の上に広げはじめました.「普段は見せないものなんだが・・・」彼はそう言いながら私に資料を見せながら順を追って説明をはじめたのです.

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説明し終わると,彼は冷めたコーヒーを一気に飲み干しました.そして話し始めました.
「変だろう?俺は心霊スポットには詳しい.変な夢を見たとかそこら辺でピンときた.幽霊なんてものは信じていないが,これは場所に関連すると.実際に●●●●●には足を運んではいない.九州は遠くてね.今まで人に任せていた.だから人を使って調べさせていたが,『あるえむんだら』に関する資料は出てこないし,オカルトに詳しい連中に聞いてもさっぱりだ.だから,方々手を尽くすことにしたのさ」
彼の作戦はこうです.川上が●●●●●に関するオカルト話を集める.私がXでそれを発信する.そして集まってきた情報をすりあわせて,再びその情報を発信する.情報の複利効果と名付けようかという作戦で拡散し,人を探そうという事になりました.
警察にはすでに捜索届が出されているものの進展はなく,有志でやるしかありません.私は抱えている問題解決と引き換えに,この話に乗ることにしました・・・・・・.

D.D


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