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0.友人の捜索依頼

こんにちは.D.Dです.
これは私の友人である川上くんからお願いされたことを文章として皆さんにお届けしたいのです.

私の友人は色々いますが,一人異色の経歴の持ち主がいます.
職業不詳(本人曰く警備関係),心霊スポットの管理と人捜し,人物特定依頼などをこなして生活している友人がいます.
彼はいま人捜しをしており,大変苦労しているとのことです.
是非皆さんに協力を求めたく,広く情報提供を募ります.

まず,事の経緯をお話しします.
去年の7月,その友人の元に1通の手紙が届きました.
手紙の内容はこうです(一部プライバシー保護のため,改変している箇所があります).

「川上(友人の名前)様

はじめまして.人捜し専門の方がいると聞き,伝手を尋ねてお手紙差し上げました.単刀直入に申し上げると,私の友人(Aとします)を探して欲しいのです.Aは大学時代の同級生で,学部は違いましたが同じサークル所属で頻繁に飲みに行く間柄でした.大学卒業後は年に1~2回の頻度で会っていました.Aは卒業後,某有名商社に入社して部署でも第1線で働いていました.

そんな彼が5ヶ月前に●●●●●(九州某部)に旅行に行かないかと誘ってくれました.私はたまたま大事な仕事があったことから断りましたが,サークル仲間で4人くらいで旅行に出かけたそうです.それからです.旅行から帰ってきた彼は人が変わってしまったのです.仕事ではミスをするようになり,部署を左遷されて,進んでいた縁談も破棄されてしまったのです.どうしたものかと,私が飲みに誘いAと話すことができました.久しぶりに会ったAは少しやつれているように見えました.私たちは生ビールを頼み,それぞれの近況を話しつつ,乾杯をしました.そして,私はAに最近の出来事について,そして何よりやつれた様子について尋ねました.Aはやや周囲を憚るような素振りを見せつつ,ぽつりぽつりと話し出しました.曰く,毎晩同じ夢を見るようになったそうです.夢の話はこうです.

『夢の中で,気がつくと薄暗い和室にいて,襖の向こうから『カラン,カラン』と音がするんだ.そして毎晩その音は少しづつ大きくなっているんだよ.もしかしたらその音は自分のいる部屋に近づいているのかもしれない.そう思った自分は気味が悪くなって逃げだそうとするんだけど,襖2枚に隔たれたその部屋には窓と壁しかなく袋小路になっているんだ.それでな・・・・・・』

彼はそこまで話すと,急にびくりと身体を震わせて話すのを止めてしまったのです.私がいくら続きを促しても,首を横に振って頑なに話そうとしませんでした.
次の日,私のLINEにAからメッセージが来ました.
『あるえむんだら』

それきり彼とは音信不通になってしまいました.
出社もしておらず,警察に捜索願が出されましたが進展はありません.
どうかお願いです.彼を探していただくことは出来ないでしょうか?
K.Mより」

一部プライバシーのため伏せましたが,もし『あるえむんだら』という言葉について知っている方がいましたら,私のもとまで連絡いただけますと幸いです.友人はこれが有力なキーワードだと思って捜索しているようです.
ご協力のほど,お願い申し上げます.

D.D


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