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PERU HARVEST REPORT

もし私達がこの何ヶ月間の間にひとつ大事な物を学んだとするならば、コーヒーは生き残る道を見つけたという事です。

飛行機で現地を訪れてミーティングや商談をするわけにもいかず、会議室にてZoomを使用する方法を選び、さらに他の方法でのコミュニケーションの取り方や一緒にカッピング出来る方法を実践してきました。特に、良い報告を共有する時にはスクリーン上ではありましたが沢山の楽しい時間を友人たちと共有する事が出来ました。

近日私達はLima Coffeeの設立者また現社長であるRony Lavan(以下Rony)と実際に会って対話する機会がありました。800ヵ所にも上るCajamarca地区の小規模農園を代表する生産者組織は、現在では我々のペルーで一番繋がりの深いパートナーとなり、彼と対話が出来た事は本当に誇らしい事でした。まさに繁忙期を迎えている今シーズンの収穫の話を聞くことができ、とても有意義な時間となりました。

Piero Cristiani(Café Imports主任生豆バイヤー。以下Piero): 僕の前回の訪問は去年の9月でしたね、本当にお会いできて嬉しいです。(Pieroはペルーにおける買い付けを担当しており、RonyとはZoomを通してコンタクトを取っていました。)
Piero: もちろん、私達は現地に行って生産パートナー達と会いたいし、友人達とも会いたいです。ですがいまでは、以前とは違いWhatsAppやメールで連絡を取っています。
PieroとRonyが最初に会ったのはまだPieroがバイヤーとして働き出す前で、Ronyがマスターカッパーとしてペルーにある別の会社で働いていた時でした。彼らはその後、密に連絡を取り合い、Pieroは最初からLima Coffeeの強いサポーターとなり、少なくとも年に二回は彼を訪ねていました。もちろん今年は例年通りにはいきませんでしたが…

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Rony:このパンデミックでの影響やその後のビジネスの事を皆が心配していますが、少しずつではありますがこの状況に慣れてきてもいます。もちろん様子をみながらですが、感染予防の為の設備やルールを導入し、生産者達やスタッフを気遣いながら予防を徹底させました。その働きが功を奏してか、私達は変わらずに動き続ける事が出来、2020年の目標を達成する事が出来ました。神様ありがとうございます、皆健康です。
Rony:今年の天候は比較的に良く、それらは素晴らしいテイストとなって品質に現れるでしょう。去年より降水量が少なかったおかげで、全体のカップスコアが去年を上回っています。色々な精製方法や発酵過程についてもたくさんの実験が出来ましたよ。

Rony:生産者達は品質に満足しています。今年初旬におけるペルー国内での行き来の規制がこの成長をもたらしました。もちろんそれらを乗り越えるのは簡単ではありませんでしたが…

Cajamarca地区の多くの農園はペルーの他の地域から集まる出稼ぎのピッカー達で収穫の人出を補っていました。しかし、今年はペルー国内の移動が制限されていたため、自分達で収穫の全工程を行わなくてはなりませんでした。その一方、農園主達は久しぶりに沢山の時間を自らの農園で過ごすことが出来ました、そのおかげでより近くで熟度や選別の観察や調節ができ、さらに自らの作物の成長に注意を払う事で、より良い栽培へとコントロールする事が出来ました。先のレポートでは生産者や機関雇用者の減少によりペルー全体での収穫量が30%減少する予測がされておりましたが、Ronyの報告では、Lima Coffeeが契約している生産者達の中ではたった5%の減少となっており、平均スコアは80点を上回っているそうです。

Rony:生産者の数も大幅に増えました。2016年に300人の生産者達と始めたプロジェクトでしたが、素晴らしいプロジェクトに加わるチャンスだと評判が広がり、参加する生産者は年々増えていきました。そして品質も年々向上していき、それに伴って生産者達の生活の質もどんどん上がっていきました。
Ronyの来年の目標は1000ヵ所の小規模農園と仕事をする事、他の地域でもスペシャルティコーヒー市場に参入出来る小規模農園をもっと増やす事です。

Lima Coffeeがメンバーの生産者に確実に提供しようとしている事の一つが、組織化への投資です。特に乾燥と発酵を支援する為の投資に力を入れています。
Rony: Lima Coffeeが動き出した年には30%の生産者だけがスペシャルティコーヒーを生産するに見合う発酵や乾燥の為の設備をもっていましたが、今では80%にも上る生産者が設備を持っており、まさしくプロジェクトとして成長しています。

私達のペルーからのオファーリストは、Ronyと彼が運営する生産者組合から提供して頂くロットが大半を占めており、それはCajamarca地域で生産されるロットの幅広い多様性や品質の良さが反映されています。San Ignacio, Chirinos, HuabalそしてSan Jose de Lourdes地域からなるRegional Selectionは各々の地域のテロワールまた生産スタイルの違いを知る事が出来るだけでなく、本当に素晴らしい品質を感じさせ、マイクロロットを通して生産者を特定出来る程に、個性が際立っています。

Piero: 私がLima Coffeeを訪ねる際、農園訪問をする日以外はほぼ毎日カップを取っていました。普通に考えて、私達とかなり長い期間共に働いてきたRonyは、私達がどんな品質を探しているのかを熟知しているし、今年のニュークロップの品質の高さも彼は熟知しています。後数週間でマイクロロトのサンプルが届くので本当に楽しみです!

Rony:そして今年、組織は特別な方法でRegional Selectsのロット分けをしています。ベリーの様な濃厚な甘みのあるチェリーを同じコンテナに、Yellow Caturraの様にフローラルで華やかなチェリーを違うコンテナにまとめました。この作業によりお客様はより明確に自分達の探しているロットを判断でき、その事によってLima Coffeeが紹介する地域や生産者達とより深い関係性を築く事が出来る様になります。
私達の活動の一番誇らしい所は、参加してくれている生産者が組織での働きについて満足してくれている点です。私達は沢山の目標やタスクを持っています。例えば、他の地域を散策する事やマイクロロットにさらに目を向ける事、そして今動きだしている自分達の家を作るプロジェクトなどです。スタイリッシュなオフィスがあり、ラボからはLima Coffeeのスタッフがコーヒーの積み込みまた荷下ろしをしている作業を見守る事ができる、もっと彼らが愛するコーヒーと深い関係性を築ける場所を作りたいのです。“

暗いニュースばかりの1年でしたが、良い事もありました。品質の向上、成長や開発に時間や手間をかける事が出来た事、人員不足や機器、機会の不足が私達をよりコーヒーの虜にさせてくれました。私達は近々ペルーを訪れ、友人達と会える事をとても楽しみにしています!そして、彼らのコーヒーを今年も変わらずにお客様に提供出来る事が本当に嬉しいです。

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