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知識の記録方式 (97) 中小企業連携

 ドイツで仕事をされている人の話を聞くことができたので、感想をお話しします。

 industrial 4.0という言葉を聞いた事が有ると思います。ものづくりのフレキシブル生産、お客様による生産への要求などの実現を高度にITを用いてドイツを中心に10年前から取り組まれている戦略的構想です。

 現在は、コロナ禍ということもあり、ロボットによる食品加工や物流のAGVが非常に伸びているとの事。

 お話をお聞きして、一番思うことは、ものづくりについて日本とは大きく考え方を進歩させているということです。

 日本でも大手ロボット企業にては、高度な自動生産を行なっているところはあります。

 自動化についての考え方が日本はまだまだ投資対効果の天秤で投資が大きいと判断されてしまいがちで進みにくいテーマです。

 取組みの仕方も、特に中小企業が90%を超え、日本のものづくり企業の構成とドイツは近いのですが、中小企業をまとめて推進する力強さが印象的でした。

 日本はサプライチェーンの中でも、ものづくりの能力向上の結束は弱いと思います。

 更に系列を超えた中心企業をIT戦略でまとめあげることも進んでいないと思います。

 ドイツのようにITや自動化を進める時に振り返らなければならない事があります。

 それは、それらをなぜ行うのか?というこれまでの思考の整理とどのような考え方とするか、その方向性をどうするかなど未知の今後の考え方の整理必要になってきます。

 日本は過去の思考の整理をするにしても、個別の範囲の自動化やIT化になっている事が多かったのではないでしょうか?

 個別の判断においては投資対効果だけの狭い評価になりがちです。

 日本としてどのような方向になるべきかなどという事を一企業が考えることはないと思います。

 ものづくりは自動車を始めとして、裾野が広く多くの労働者が関係しています。

 その様な規模に合わせて、IT化や自動化を考える必要があります。セットメーカーは仕入先の力が向上しなければ成長は厳しい。しかし、仕入先の力を向上させることに力が入っていない。

 自動車は欧米から自動車運転車の火がつきました。

 彼らは自動車運転が実現できるかどうかではなく、自動運転にすべきであるとの強い意志で進めてきたと思います。

 実現する為には、どのような基礎技術の研究が必要なのかをずっと以前から考えてきたのだと推察しています。知識の棚卸しは随分前に終わっているのです。

 industrial 4.0においても、概念先行型で着実に進めていて、実現のために必要な技術開発を政府主導に始まり、民間主導にて幅広く展開されてきていることは素晴らしいことだと思います。

 周知を集め、企業、大学を超えて中心企業とも一体となり進んでいる姿を聞き、感心しました。

 日本人が知り得ないものづくり知識の広範で深い研究と技術蓄積が共有化されているはずだとも推察しています。

 私達の国は今後も個々の企業が協調よりも競争重視のままでは、ドイツのものづくりの仕組みには勝てないのではないかと多いに心配になったのでした。


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