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【DCF計算編③】2段階モデル イントロ

1段階モデルのイメージ

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これはユニクロの例でみたモデルです。いきなり永久成長率を使うので、まったく凸凹がありません。スムーズに増加していきます。

2段階モデルのイメージ

EVの公式はこちらで解説したとおり、成長率が一定かつDRより小さい状態でしか使用できません。そこで、定常状態に入るまでの業績予想をもっと柔軟に反映する方法が必要となります。そこで、①変動フェーズと、②安定フェーズ、に分けます。

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2段階モデルの計算方法

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①変動フェーズ…力技で計算。5年分なら5回割引計算して合計するだけ。
②安定フェーズ…公式で計算。FY6から先を、公式を使って合計すると、「FY5末時点」の価値が計算できる。それをFY0までもう一度割引。

2段階モデルの実例

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いくつか初めて出てくる単語があるので説明します。

ターミナルバリュー
安定成長フェーズに入ってからの合計価値のこと。ターミナルは「終点」ですので、変動フェーズの「終点」以降を、公式で求めてるイメージです。

ディスカウント・ファクター
1/(1+8%)の代わりに、93%をつかいました。これをディスカウント・ファクター(DF)といい、ディスカウントレートの8%と区別します。エクセルで計算するときに、DFを1行持っておくと便利です。86%というのは1/(1+8%)/(1+8%)で、2年分ディスカウントしています。

まとめ

上の例では80のFCFが5年目に200まで急増しています。このような急激な変化をモデルに含めたいことは多いです。コロナインパクトを求めたいといった短期的な見通し変化にもDCFはしっかり対応します。
自分のカスタマイズした予想を入れたい場合、前回ユニクロのケースで使った固定成長モデルを、必要な年数の分だけ右にずらして、空いたスペースに自由な予想を入れる感じになります。ずらした分、公式で求める部分が未来に動いてますので、ちゃんと現在まで割引し直してください。

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