美味いコロッケそばの話をしよう。-3.新田毎-
子供の頃、父がよくそばを食べていたことを覚えている。
休日の昼などに、一人でそばを茹でて、それをざるそばにして啜っている姿はよく見たものだ。
当時の僕は、そんなにそばが好きかね、と不思議に思っていた。
無論、そばはべつに嫌いではなかったが、わざわざ自分で茹でて食べるほどのものでもないだろう、という感じだったのだ。
それが、僕もコロッケそばを頻繁に食べるようになったのだから、これが大人になるということなのだろうか。
いや、おじさんになった、ということかもしれない。
今に