読了:「闘争」としてのサービス

「闘争」としてのサービスを読んだ感想・要約です。
サービスは客のニーズを満たすだけのためのものなのか?
カウンターの鮨屋で親方を前に緊張しながら注文とする客
フランス料理店で、理解できない名称が並ぶメニューから不安げに注文する客
与えられるものではなく、この何か能力・知識を試されているような感覚。
こういった場合に、何に対して客は価値を感じているのだろうか?そもそも、一方通行でない場合のサービスの特徴は客と提供者が深く関わることである。そして、人と人がやり取りをしてサービスの価値を共創していく。やり取りの中で、人はお互いにお互いの自己を呈示・肯定・否定・差異化・高い水準を呈示しみせることに興味を示す・価値を感じる。このプロセスのことをサービスとは戦い・闘争(Stuggle =自分を構築・再定義)と表現。
上記のように客にとってわかりにくく、緊張感を強いるようなデザイン・サービスは他にもある。
DIESELの店舗は「外から見て威圧的な環境を提供」し「最良の顧客は混乱している客」であるという。その目的は、「顧客に定員と交流してほしいから」
顧客を中心としたサービス設計であるべきか?
タッチポイントのつながりの全体性を体験としてデザインする際は、顧客の固定のニーズに対応するのではなく、客とその行動が変わるところまで推し進めていく必要がある。サービスでデザインが顧客を前提(中心)と置くのではなく、顧客は単なる結果であると捉えることが重要。
Topics
この本で紹介がある鮨屋での実際の注文の流れに対するカスタマーインサイトが面白かった。
「蒸しているんで、生ビールで。」
つまり、「生ビール」という注文は説明が必要であるものとして扱われている。自分だけでは注文は完了せず、相手(親方)の承認が必要であるという理解が見える。