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2020/6/22-6/27 dB日誌

6月22日(月)

曇り。今日はアートエリアB1で、今年度の鉄道芸術祭のゲストアーティストであるcontact Gonzo×dot architectsの企画会議で出たアイデアを試してみる日。約3か月ぶりにB1へ行く。オンラインミーティングでは先週も顔を合わしたとは言え、直に会うと、からだの感覚が違う。オンラインだと、思考は動くけどからだの感覚は作動していないのかも。 で、今日の実験は、●●をつくって、見えないところに投げる。観察。思考。これまた久しぶりに、身体と感覚と頭とが巡り拡張する、エキサイティングな時間だった。B1ならではの飛びっぷり。今は未だ詳細を言えないけれど、秋の鉄道芸術祭をお楽しみに。(文)

[コロナ対応]アートエリアB1では、ゴミ箱が、踏めば蓋の上がるものに新調。キッチンのタオルがペーパータオルに。非接触の体温計の設置等。その他、6月から始まったオンラインでのラボカフェ用に、ラジオ局のようなブースが設置されていた。

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6月23日(火)

朝8時50分頃家を出て、自転車に乗って劇場へ。今日は講師を担当している「大人からはじめるバレエクラス<女性限定>」の日。世界がこういう状況になって、踊ることと距離を取ろうとしていた私を引き止めるかのように始まったこのクラス。私の踊りの始まりはいつだってバレエだ。なぜかは分からないけど誰かが私をバレエへ導く。劇場に着いたら窓を開けて、簡単に掃除、バーを組み立ててアルコールティッシュで拭く。音楽をかけて、今日やる予定のアンシェヌマンをチェック。10時前になると受講者のみなさんがやってくる。今日はいつものメンバーに加えて、dbの照明家チームが4名も受けに来てくれた。なんだか緊張。クラスの内容はストレッチから始まり、バーに移動して足のポジションの確認、プリエ、タンジュ、ジュテ、ロンドジャンプアテール、シャンジュマン、グランバットマン、アダジオ、それからセンターでタンジュ、ジュテ、最後にちょっと長めのレヴェランス。たったこれだけの内容を1時間半使ってゆっくり進めている。初回から繰り返し丁寧に同じことを。私はバレエダンサーではないけれど小さい頃から続けていたバレエにこうして今でも向き合っていると、飽きる、とかっていうことが存在しない(してはいけない?)世界だなと思う。進化しない、変わらないことを何度も、何度も、何度も繰り返すこと。この話はまたいつかどこかで。しかし今日も思ったけど、出来るだけ受講者の身体に触れないように言葉だけで指導するのはなかなか難しい・・・。

写真は、私の住んでいるアパートの入口で咲いている花たち。どこかから帰ってきてこの花を見ると癒される。(中間アヤカ)

[コロナ対応]「大人からはじめるバレエクラス<女性限定>」受講者は、入場時に検温、手指をアルコール消毒。講師はマスク着用。常時、劇場の扉を開けて、外の空気を取り入れる。

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6月24日(水)

晴天。洗濯は2回。梅雨の合間の晴れが続く。暑くなってきたが、劇場ロビーには風が入り、気持ちいい。他スタッフはリモートで、事務所は私ひとり体制。今年にはいって11本目の助成申請に取りかかる。申請事業は、国際交流事業で、次年度開催できたらと計画しているもの。海外からアーティストを招聘して行うプログラムだが、来年には実施できるようになるのだろうか。国際交流事業も、オンラインとオフラインを使い分けながら、出来る事から手がけていくことになるのだろうが、即時的なことではなく、もっと根本的な思考から形にしたいと思うが、時間は待ってくれない。それと、今日は地域のなかの国際交流事業の第一歩を。こちらは、「こんにちは、共生社会(ぐちゃぐちゃのゴチャゴチャ)」の一環。この事業の主担当は文さん。私はその中の〜多国籍の視点から共生について考えるプロジェクトチーム(仮称)〜」を進める。これまでとは異なったプログラムにおける自分自身の立ち位置や進め方が必要とされる。コロナ以前に培ってきた企画制作における自分なりの方法を、封印せざるを得ない2020年度。自分の手も足も出ない状況は、コロナの影響よりも、自分が仕向けてきたこと。この状況から新たな手を引き出したい。(横堀)

[コロナ対応]来客なし。窓を開けて常時換気。手指のアルコール消毒。東京での感染者が大幅に増えたニュースにドキッとする。

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6月25日(木)

曇り一瞬大雨のち曇り時々小雨。先週出し忘れたプラスチックゴミを大雨のなか出しに行く。家に戻った瞬間小雨に。昨日から自宅作業で今年度の子どものプログラムの予算を見直す。数字で目がチカチカ。「だけど数字にゃ、ハハハンハ泣けてく〜るぅ〜♪」というハクション大魔王のオープニングソングの一節だけが頭の中で流れ続ける。午後、事務所へ。14時から隣のテーブルで兵庫県の教育委員会の方々とエコールKOBE学園長の岡本さん、文がミーティング。岡本さんが、コンテンポラリーダンスがいかに素晴らしいかを県の方々に向けて熱くお話しされている。とてもありがたいし嬉しい。私の斜め向かいで横堀息子のだっくんが「おさるのジョージ」の動画を見ながら、ケタケタと笑っている。私も「劇場へようこそ!」の副題を決めるため、中西ちさと氏と筒井潤氏とメッセンジャーでやりとりをしながら、声を漏らして笑ってしまう。夜、「劇よ」のチラシテキストを作成。過去の参加者アンケートを読み返しながら、思わず吹き出した笑い声が誰もいないロビーに寂しく響いてしまった。帰りに塩屋の「ワンダカレー」で揚げ野菜カレー。エコバッグの話に思いの外熱くなる。(田中)

[コロナ対応]ロビー換気。ゲストが来た時は、マスク着用。

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6月26日(金)

晴れる…?という感じの曇り。早朝から急いで梅雨の間の洗濯2回。田中さんは出発ギリギリまで洗濯するかを悩んで、悩んで悩んで最終的に血迷って結局回したらしい。笑った。

事務所に着いたら机の上にドーーーーーーン٩( ‘ω’ )وと新聞が置いてあった。「国内ダンス留学@神戸」6期修了生のアランが新聞の一面を飾っていた。大変な手続きをして日本に来て、色々あって結婚してめちゃくちゃに可愛い子どもも生まれて今日本で生きている。今dbでも彼のワークショップを月イチでやっているので、是非来てください(突然の宣伝)!!!そんなダンス留学の後輩にあたる彼のクラスのチラシと、これまたダンス留学の先輩にあたる中間アヤカちゃんのバレエクラスのチラシを作成。「下の看板を見て来ました」という方が実際参加されてから、ちょっとヤル気。

色々作成していた時に電話が1本。これまた毎年やりたくて仕方ない事業のひとつ(そして今年も実施できる!)、文化庁委託の「子供育成総合事業」への問い合わせが中学校の先生より。学校現場もコロナの影響で先生も子どもたちも大変だと友達から聞いている中、興味を持ってくれるのが本当に嬉しい限り。毎年本当にいろんな子どもたちに出会う。今年も突拍子もないことを仕出かしてくれる子に、「え、それ?!どっから出てきた?!」というアイデアを出してくれる子に、、いろんな子に出会えますように。(新家)

[コロナ対応]今日はスタッフのみ。なんとなーく決まっているロビーの定位置に座ると距離は保たれているのでマスク無しで仕事。窓から入ってくる風が気持ちよかったけど、暑かった。先日自宅で脱水症状(頭痛、吐き気、身体の痺れ)に陥ったため、スタッフ全員に注意喚起(水分摂取を忘れるほど没頭して、某アイドルの会見動画等を見続けた。馬鹿)。コロナとともに熱中症等々にも注意すべし。

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6月27日(土)

洗濯は2回。6月に入ってはじめての静かな土曜日。劇場ロビーでは、害虫駆除の業者が入ったり、衣装のオンライン会議をしているスタッフと、各々に動いている。私はお休み。午前中は掃除のち水やり。コロナのSTAY HOME中に家庭菜園を始めた方、多いのではないだろうか。私は6月に入ってからだけど、ベトナム料理でも使われるハーブをささやかに植えた。(料理での使い方はまだよく分かっていない)午後は、子どもと一緒に自宅の斜め前にある児童館へ。引っ越ししてから初めての訪問。ボランティアで来られている町内会の方と話す。仕事でベトナムに長く住んでいたとのこと。町内の在住外国人の家々を訪問し、町内会のイベントにお誘いしているようだ。私の自宅は長屋の一角にあるのだが、同じ並びにベトナム人の家族、そしてインドネシアからの研修生が暮らしていることが分かる。だからだなぁ、懐かしいガラムの煙草の匂いが時おり漂う。(横堀)

[コロナ対応]児童館の入館時には、親子とも検温と手洗い。大人はマスク着用。適切な距離をとりつつ遊ぶ。子どもの数が多ければ、入館制限があるので、事前に☎をした方がよいとのこと。

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6月28日(日)

貸館がキャンセルになったこともあり、今日は休館日。恥ずかしい話だけれど、コロナ前からたまりにたまった書類の山を片付けられずにいた。「狭い事務所で仕事しない」は言い訳か。かなり時間がかかったが、少し気持ちも晴れる。18時から、神戸北野美術館×アラン&春香のオンラインパフォーマンスを自宅で観る。衣笠収さんとヤマモトヨシコさん達の「謎劇」という企画で、dBは国内ダンス留学6期の松縄春香とアランを紹介。二人は美術館の屋内外の空間とZoomで4カメを駆使し、ライブペインティング、デュオ、ソロ、小道具の大量のマスク、サルサ(夫婦だからこそ許される?濃厚接触)等、盛りだくさんの演出を施す。日常とアートを丁寧に紡ぐ二人の爽快感のあるパフォーマンスだった。

19時からはアートエリアB1のラボカフェスペシャル feat.ブリッジシアター オンライン版「大谷燠さんにご自身を聴く~身体表現とその時代~」を、自宅とアートエリアB1をZoomでつなぎfacebookで配信。大谷さんの幼少時代から、高校で演劇サークルをつくり、いくつかの高校で授業をつぶしながらゲリラ演劇をしたことや、その後、舞踏の魅力に取りつかれ大学を中退し、ビショップ山田さん率いる舞踏塾グラン・カメリオ、そして北方舞踏派のメンバーとして、山形の鶴岡、北海道の小樽に拠点をつくったことなど、レアな写真と共に大谷さん自身がたっぷり語る。当時、いくつかの舞踏集団が創造拠点を地方に移したが、北方舞踏派はその先駆けだったらしい。小樽ではショーのできるレストラン「海猫屋」が1階で2階が稽古場、3階が住居という拠点を、倉庫を改装して手作りする等、その後の逞しさはここから来ているのか。土方巽氏の話も、直接出会った人が少なくなる中、貴重なエピソード。お酒を飲まなければあまり自分の話はしない大谷さんだが、オンラインでは、いいちこも煙草も許され絶好調。アーカイブとしても、とてもよい機会だったと思う。(文)

[コロナ対応]B1トーク終了後、テレビをつけたら、大谷さんの母・妙子さんの大好きだった十五代目 片岡仁左衛門さん出演の「勧進帳」をやっていた。これもトーク付き。16時からのKAATが配信していた「『未練の幽霊と怪物』の上演の幽霊」も含め、1日に4本、すべて自宅で鑑賞。

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