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2020/8/17-8/23 dB日誌

8月17日(月)

レゲエが聴きたくなるような眩しい暑さ。「やけど、ごめんなー高校野球にするわ」とカーラジオから流れる智弁和歌山vs香川の尽誠学園の試合を愉しむ西川文章氏。大の高校野球ファンとのこと。本日は、「ダンスキャラバン」の音響下見で再び淡路島にやって来た。文章さんが車を出してくれたので、私は助手席でナビ。しかし私のポンコツナビのせいで20分遅れて目的地に到着してしまった。

今回も淡路島アートセンターのやまぐちくにこ氏オススメのおしゃれなレストランで美味しい淡路島の海鮮丼をいただく。食後のコーヒーを求めて、いそいそとノマドカフェへ移動。「ほけんしつカフェ」と言うイベントをしていたので、コーヒーではなく、診断付きの発酵ソーダをいただいた。診断の結果、私は「胃腸が冷えている」とのこと。昨夜、友人に乱れた食生活を叱咤されたばかりなので、心当たりは十分にある。食生活を見直さなければ。

文章さん、黙々と会場をあちこちチェックする。音響的には問題ないが、生演奏に加え歌もあることから、コロナ対策をもう一度見直さなければとチェックが入る。これによって演出も変える必要がある。大阪のライブハウスの対策を文章さんに聞く。

続いて、淡路島マンモスの森の会場へ向かう。グーグルナビの言うことを一語一句漏らさず復唱し、今度こそ時間通りに目的地到着。ここは野外公演なので、音響はかなりシビア。当日使用するスピーカーを持参したが、容量が足りないかもしれないと心配する。前回の下見の時に決めたポイントで黙々とスピーカーをセッティングする文章さん。「おお〜いい感じ!」背景の木々が自然の反響板となり思った以上に響いている。マンモスのりゅうさん曰く、上演時間もサンセットタイムなので、天気良ければオレンジの照明が差し込むとのこと。一気に期待値が上がる。これはもう絶対に晴れしかない!

帰路は、ナビらず文章さんとの会話をたっぷり楽しんだ。(田中)

[コロナ対応]マスク着用、レストランやカフェでは手指の消毒。

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8月18日(火)

午前、エコール神戸のダンスの授業@dB。エコール神戸は特別支援学校を卒業した知的障害や発達障害のある青年たちに、もっと学びの場を、と新長田の駅近くに開所されたミニ大学みたいな場所。西岡樹里さんがダンスの授業を担当してもう7年くらいになるだろうか。今年の新入生はコロナで男女別でしか授業が出来ず、全員で踊れる少し広い場所で、とdBを利用して下さり初の学年全員でのダンス。劇場の扉を全開しているので、中から明るい楽しげな声が聞こえてくる。声と空気感から、カラダがはじけ、みんなが一つになっている様子が伝わってくる。いい時間。樹里は卒業したら皆がダンスを続けられる場所がないことをとても残念がっていて、今年は定期的なクラスをdBで開講する予定だった。が、コロナで未だ実現していない。今日のエコールのワークができたのだから、クラスも開講できるかもね。具体的に考えよう。

午後。dBの入るビルの1階の<やよい>で、韓国ドラマを見ながらモダン焼きを食べた後、アートエリアB1へ。今日のラボカフェは、鉄道芸術祭vol.10のプレとして、ゲストアーティストのcontact Gonzoとdot architectsが、トークをしながら駅貼りと社内吊りポスターを試作。ラボカフェは、未だオンラインでB1はスタジオ化している。今回の鉄芸vol.10のテーマは「経済とパーティー」。経済はお金だけではないことや、既存の発想はどこで作られたか、など、私の小さい脳ミソはすぐにあふれそうになるけど、トークもめちゃくちゃ面白い。10月18日開幕です。(文)

[コロナ対応]dBはロビーの窓は全開。ワークショップ中も劇場扉全開で。床は拭き掃除。エコールの皆さんは直前に学校で検温されてきたので、学校にデータがあるため、dBではしなかった。
B1では、オンライン配信ではあるものの、開場の人数が多いので、マスク着用。

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8月19日(水)

猛暑日。今日も一日アウトリーチ事業の実施校打合せ。今日は神戸の北の端の学校、かーらーの、西の端に近い学校へ大移動。どちらも昨年度実施した学校で、どちらの学校も温かく迎え入れていただき、それまでの緊張がほぐれた。職員室を覗くと去年実施したクラス担任の先生が「あー!」と。たった数回会っただけで、マスクをした状態でも覚えてくださってるのがとても嬉しい。

1校目は小学校。行きしなに学校から帰る所とすれ違う。そうか、夏休み終わったのか。この中の誰かと一緒に出来るのかな?と思いつつ、にしてもこの猛暑の中元気だなーとも思いつつ。今回申し込んでいただいた先生は、なんと数年前、前任校でこの事業を経験されて、今回自分の学年をさせてくれと手をあげてくれたらしい。前任校で会っていた田中さんのことは“大物映画女優”と認識されていた。笑 そしてホントはうちの学年もやりたかったんですよ!と前回の担当の先生も。なんて嬉しい言葉。教育課程の中では表現という授業を進めていただろうけども、ダンスといえば所謂テレビの中のもの、という子どもたちに、さて、どういうプログラムを持って行きましょうか。

2校目は中学校。駅から学校まで歩いている間に、担当の先生方と車ですれ違い(というか数ヶ月ぶり、日傘さし、マスクしの状態でよく気づいたな?!)学校まで乗せてくださった。「ケーキ買ってきたから、食べながらしようね!」と先生。わーい!!!

この事業を始めて約10年、で初めて2年連続同じ子どもたちを対象にさせてもらう。個人的にこんな経験ができるなんて、、最高じゃないスカ。ありがとうございます。コロナの状況の中、マスクで表情は読めないし、声も聞こえずらいしで、身体で会話することが増えたなと思ったんです、と先生。先生方自身も生徒とコミュニケーションを身体でとる方法を変えていかないとと思っているらしい。そんな中、女子たちが自分たちでどうしたら喜び合えるか、自分たちのハイタッチに変わるものを編み出したらしく、嬉しそうにお話ししてくださった。のが印象的。

去年度のこともあって、2校ともかなり話し込んでしまった。から、自分の身体の中で考えや思いが膨れ上がって、パンパンになった感じがした日。それらを抜くように、田中さんへ怒涛の報告メール攻撃をして、本日は終了。(新家)

[コロナ対応]
今小学校では給食の間、全員前を向き、一切喋ってはいけない、とのこと。仕方ないながらなんて寂しい。私が小学生の頃の給食の時間って、班になってみんなであのアイドル(当時はモー娘。)のあの曲が可愛い、さて今日の昼休みは何をしようか、とか色んな話をしながら楽しく食事を楽しむ、って感じだったのに。仕方ないんだけれど、、なんだかなあ。。。

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8月20日(木)

酷暑。洗濯は2回。午前中は「大人からはじめるバレエ<女性限定>」。劇場のスケジュールの都合で、この週だけ開催曜日を変更しての実施となった。保育園からダッシュで劇場に駆け込むが、アヤカがバレエバーをほぼ組み立て終わっていた。ごめんなさい。今日は神戸大学からインターン生が一人、バレエクラスを受講して参加レポートを書いてもらうことになっている。途中で、記録写真を撮ろうと中に入ると、参加者の皆さんの集中力が伝わって来る。最後のほうの時間に入ったのだけど、皆さん全然バテておられない。継続は力なり。

午後は、ソウルとベルリンとを繋いでZOOMミーティング。ソウルを拠点とされるインディペンデント・プロデューサーのコ・ジュヨンさんからのお声がけで、国際的なトークイベント(オンライン)の一コマに関わることになった。私はコーディネーターの役割、新長田からは趙恵美さんが登壇されることになった。ベルリンからは、もう一人の登壇者、イム・ジエさん。韓国で活動をされていたが、現在は拠点をドイツに移して活動されている。このトークのテーマは「ディアスポラ※」。朝鮮半島から離れて居住し、朝鮮半島を自身のルーツとする、二人の女性の舞踊家。二人の対談。ZOOMミーティングの使用言語はハングル。私はさっぱり分からないので、携帯電話のGoogle翻訳アプリを使用するも、訳が分かりにくい。ジュヨンさん、趙恵美さんに通訳をして頂きながら、なんとか付いていく。ジュヨンさん、相変わらず、明晰だ。トークイベントの形態をさくさくと決めて行く。選択と判断と決断、皆が相応しいと思える形とプロセスが見えて来る。二人の対談は9月16日。私は、この対談を通して、恵美さんの新たな姿が立ち現れるような気がしている。(横堀)

※ディアスポラ=「離散」を意味するギリシャ語。本来はパレスチナ以外の地に移り住んだユダヤ人とその社会を指すが、今はユダヤ人に限らず、故郷や祖先の地を離れて暮らす人やコミュニティーにも使われる。 
出典 朝日新聞掲載「キーワード」

[コロナ対応]バレエの時は検温、手指の消毒、マスク着用。講師はマスク。開始前後にアルコール消毒。

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8月21日(金)

晴れ。
少し前から大学の夏季休暇が始まった。
午前中は卒業論文を書くために、論文を少し読む。少し前に卒論構想発表会があり、教授たちからアドバイスをいただき、やることが明確になって、リサーチにも身が入る。(というより、やらなければ終わらない!と焦っている!)

午後は、ダンスボックスでスタッフとして働き始めて数度目の勤務。
「下町芸術祭」でこてヘッドをしていたときに頻繁に出入りしていた場所なので、慣れた空間ではあるが、スタッフとして訪れるのは今でもなんだか不思議な気分だ。

この日は13時頃から「ダンスキャラバン2020」のチラシをみんなで仕分け。数千枚のチラシを神戸市や淡路周辺の施設にお送りし、チラシの配布や置きチラシをご依頼していく。私はチラシを黙々と分けるタイプだ。だから、話しながら作業できる人がちょっと羨ましい。私にとって、チラシを分けるのは少し瞑想に近いかもしれない。無心で、どんどんと仕分けていく時間は心地よい。手を動かしながら、これを手にとった子どもたちに想いをはせてみる。これを見て、どんなことを感じて会場に訪れてくれるのだろうか。チラシを手に取り、楽しそうだな、思ってくれたら嬉しい。私は広報としての仕事をしているので、まだまだこれからできることがたくさんありそうだ!と胸がわくわくする。素敵な企画ばかりなので、届くべき人、そして”いい意味”での誤配を生み出して、たくさんの人に企画が届けていきたい。

19時頃に大きな雷が鳴り、その場にいたメンバー一同思わず窓の外を見る。傘を持っていなかったので雨が降ってきたらどうしようかと心配したが、無事に雨に濡れることなく帰宅できた。(髙木)

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8月22日(土)

電車で新長田へ。この街に通い始めてから10年ほどが経った。この街に来るときはダンスの鑑賞や出演などダンスにまつわる事が多く、あとは美味しい長田グルメをたくさん頂いてきた。小さなころから踊ることが好きで、もうずっと踊りが生活の中にある私は、ダンスボックスさんとのご縁もあって頻繁にこの街に通わせてもらっている。

最高気温37.6度の猛暑日の今日もダンスリハーサル。ムワッと暑い外気の中、新長田駅に着くと当たり前のように、よし。と、背筋が伸びている。

今日のリハーサル「劇場へようこそ」はこれまで何度も再演されてきた演目なので、振付は出来上がっていて、既に体が覚えている。動きの順番、力の流れ、呼吸、リズムがスーッと記憶の奥から再生されていって、7分ほどの作品時間が現れる。踊った私達ダンサーズも驚いて、体ってすごい、なんてこれまで言い尽くした事だけど、今日もまた驚きあった。それと一緒にこれまで体験してきた、他のダンスやいろんな体の経験も思い出してくるから、ここはこうしよう、とか、こっちのほうがいいね、とか新しい更新箇所がザクザク出てくる。何度も再演して何度も更新していても、もっといい振付がまだあるなんて、面白い。今年バージョンの劇場へようこそはどうなるんだろうか。本番までのあと数回のリハーサルで見つけて行きたい。

コロナで人との接触が難しい状況になっけれど、今回の公演や「また教えに来てください」と言ってくれる場所があるおかげで、私はダンスを続けている。踊り始めると体の中に踊りが変わらずにあることを、体自身が気づかせてくれている。踊りが私からいなくなることはなかったし、感染対策に最大限気をつけながら、この体と日々暮らしていきたい。(西岡樹里)

[感染対策]手洗い、うがい、検温、手指の除菌、換気、床の除菌、休憩時間の確保、人との距離の確保

8月23日(日)

酷暑、洗濯は3回。植物の手入れを行う。この暑さの中でも元気に生い茂っている。早朝に趙恵美さんからメッセージ。9月16日のトーク・イベントに向けて、準備物についての相談など。

いろんな流れから、我が家にアラン一家と趙恵美一家がやって来ることになった。春香とモタン以外の皆さんは、我が家が初めてなので、1階の旦那の作業場を見てもらいつつ、子ども達は屋上のプールで水遊び。昼ご飯は、焼きそばを二回に分けてつくる。焼きそばには、私の大雑把な性格がよく現れている。野菜が大きくて食べ応えがあると言える。食後、アランはdBでのワークショップに出掛ける。よろしくお願いします。

食事中、最近また新たにベトナム料理屋さんがオープンしたので、その話。その料理屋さんの店内にはギターが置いてあって、特に土日の夜は、音楽あり、おしゃべりも絶好調な感じで、賑やかな宴会が繰り広げられている。「めちゃ気になるけど、なかなかコアな感じで行きにくいなぁ」とウォンさん恵美さん。店主が旦那の知り合いでお客さんもよく知っている方々なので「今度、一緒に行きましょう!」となる。増えてきた新長田のベトナム料理屋さん、北部の味、南部の味、店によって味も雰囲気も異なる。

昼食後は、恵美さんとじっくり話す。9月16日のトーク・イベントに向けて、ジュヨンさんとイム・ジエさんにメールされた、恵美さんのこれまでの舞踊家としての半生についてを、翻訳してもらいながら聞く。その軌跡は、北と南、舞踊と共に、それぞれの地を行き来し、現在に至る。覚悟と切実さと直感と本能と。
そして、今週中の宿題で、イム・ジエさんへ5〜8個の質問を送るというものがある。一度、投げかけてみたが、再考する。いい質問へと揉む事ができたと思う。イム・ジエさんの返答が楽しみである。
いろいろ話した後は、子育て談義。まだまだ話は尽きない。(横堀)

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