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2020/9/28-10/4 dB日誌

9月28日(月)

秋晴れ。今シーズン初めての長袖を、タンスから引っ張り出す。衣替えをするとなんだか気持ちも入れ替わる気がする。季節が変わり、3日後から新たな学期がスタートすることに震える。大学や講義、卒論はやりがいもあり充実しているが、夏休みに勝るものはない。学部最後の夏休みが終わりを迎えていることを寂しく思う。そして、卒論に向けて気持ちを引き締めないと!と自分に言い聞かせる。後期からは大学が使えるようで、学生は自習もできるようになる。まだまだ授業はオンラインのものが多いが少しずつ対面の授業も始まっていくと聞いた。ずっと孤独なままクラスに参加することは少なくなりそうで、少し安心する。

お昼には、横堀さんと、水上人形劇の広報の打ち合わせ。水上人形劇に興味を持つ人が集まりそうな場所やベトナムの情報関連の場所を洗い出してみる。どこにチラシを置いてもらうか、誰に届けるか、どんな言葉で届けるか、一つ一つの重要さを日々痛感する。当たり前のことではあるが、例えば言葉の選び方で、読者の企画の解釈がガラリと変わる。企画者の言葉と、読者が読み取る言葉がマッチするように翻訳するのが自分の仕事だと改めて気を引き締めた。

その日のお昼ご飯は、tete でミャンマーカレーを食べた。同じ大学の友人に食べたカレーの写真を送る。新長田の話をしていると、同じ神戸でそんなまちがあるのか!とよく驚かれる。同じ神戸市内でも区で驚くほど様相が変わるが、それを知っている同じ大学の友達はあまりに少ない。近いので、大学生にこそこのまちに訪れてほしいし、もっと神戸を楽しんでほしい、としみじみ。今度、その友人を新長田を案内することにした。(髙木)

[コロナ対応]スタッフの検温、手洗いうがい、換気

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9月29日(火)

晴れ。
午前中は大人のバレエクラス。SNS用の写真を撮りに、数回久々に劇場の中を見学しにいく。今日はこのクラスが始まってから継続して受けてらっしゃる皆さんのみ。ルルベは高くなり、手の形は綺麗になり、足の出し方もつま先ののばし方も何もかも、格段にレベルが上がっていてびっくり。なんとピルエットも今日から挑戦…!ひぇー、凄い。何より皆さん真剣に楽しんでらっしゃるのが、ずっと見ている私にとって嬉しかった。

お昼からは水上人形劇のいろいろで、六間道商店街に新しく出来たベトナム料理屋さんへ。いや、撮影に行くと聞いた途端に無性にフォーと春巻きが食べたくなってついて行った側。扉を開けるとベトナム語と日本語が飛び交う空間で、空いているからと設定された時間にはお客さんがいっぱいだった。中には安定の昼間からお酒を呑まれている先輩も。流石だなあ。

注文したのは牛肉のフォーと生春巻き、あと撮影用にスペアリブやなんやらかんやら。鶏の足が丸わかりサラダだったり、The日本人の私には勇気が要るメニューも頼もうとしていたが、平日のため材料なく断念。助かった。

数分後出てきたフォーに、まるでおでんかの様に大根が入っていた。たぶんサービス?なのか??現地ではこうなのか??そして何か分からない根っこ付き葉っぱも。長田に来てからパクチーは大好きになったのだが、この葉っぱは合わなかった。たぶんミントかな。ミント、現地ではフォーに入れるのかな…??まだまだ知らないことだらけ。ちなみに生春巻きはそんな食べないらしい。

ベトナムの方は優しいから、これを入れるんだ、あれは足したかなどなど横から全部教えてくれるので(もちろんお客さん)、初めての人でも大丈夫です、是非。ただし美味しいから食べろと言われても唐辛子には注意。舌持っていかれます。(新家)

[コロナ対応]窓開け放し、空気入れ替え。気持ちの良い季節になってhappy。withコロナに身体が慣れてきた感じ。

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9月30日(水)

曇り。洗濯は1回。朝、窓からの光がレースカーテン越しに差し込んで、その清々しさにうっとりする。

水上人形劇のプログラムの撮影が3日間つづき、今日は撮影がない。今日はオンラインのミーティングが2回と、オフライン・ミーティングが1回。
オフラインは、神戸市立御蔵小学校へ。ベトナム語母語教室の撮影へのお願いにあがる。子ども達が下校した後の、がらんとした入り口から入る。職員室の場所が分からなくて、ウロウロ。神戸市立御蔵小学校は、昨年度、「ダンス・キャラバン」で上演を行った小学校である。公立の教育機関なので、踏むべき手続きは多くあるけど、実現に向けて一歩前進。

dBプログラムへの参加をお願いする時、初めての方も何度もご一緒している方も、、、毎度、回り道をしながら訪問地へ赴く。お願いするモードに、身体をチューニングしているのだろう。お願いする時はいつでも緊張している、10年以上。企画の紹介をしながら、息切れはするし、吃ったりもする。その割には無茶ぶりが多かったりして、事務所ではよくツッコミが入る。(横堀)

10月1日(木)

気がつけば10月。
涼しいと感じる朝晩、夏が一瞬過ぎて何もしてないし不発感がとってもある…。
切ない空の色を見上げて、今年ももぉ終わりじゃん!(はやい笑)とか考えています。

今日はDANCE ARTIST VIEWの上野愛実さんのチームが劇場で今日からスタート。CEC(コンポジション実験クラブ)は、中西ちさとさん、中間アヤカさん、内田結花さんで、それぞれ国内ダンス留学卒業後もご自身の活動をバリバリ展開している人の集まりです。
以外とこの組み合わせのメンバーを見たことがないのでとても新鮮で、丁寧に言葉を紡ぎ、踊りを作る、交換する作業が行われていた。
日々長時間の稽古もさすがの集中力で、いつ外からチラ見しても濃密な時間が流れている印象でした。
それぞれのカルチベート企画のアーティストとプロジェクト内容を掲載した「ダンスでいこう!」のHPをjcdnで作っていただいたので、出来上がり次第公開しますね!

夜はダンスキャラバンの稽古。
稽古前にロビーで打ち合わせ…と思いや急にケーキ登場!!ハッピーバースディソングに包まれる。先日9/29に誕生日を迎えました私のサプライズでした。嬉
みんなでケーキをまずは食べて、切り替えて稽古開始。

10/3のKIITO公演はむけて新しく新調した衣装に袖を通す。今回も王子動物園の衣装を作って下さった川上瞳さんに製作していただきましたっ!身体にフィットして本当に踊りやすい。前回の衣装手作りだったのだけれど本当に今見るとひどい。笑
演奏家で参加する等々力さんも加わって作品がぐっと締まる。細かい課題を具体的にあげていき、現場で合わせたいことなど確認しながら稽古。

いよいよ明日はKIITOへ搬入し、リハーサル。
思えば人前で踊るの久しぶりだった。緊張してきたなぁと帰りの電車でこっくりこっくり船を漕ぐ演出の升田さんを横目にそんなことを考える。(米澤)

[コロナ対策]検温、こまめな環境と休憩、手洗いうがい。稽古中も踊る時以外はマスクを着用。

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10月2日(金)

晴れ
ダンスキャラバン2020KIITO公演の前日。
搬出→仕込み→リハーサルという
三密ならぬ、濃密な1日でした。

秋の気持ちいい気候の中、ハイエースで
機材と共にKIITOに到着。
すでに音響のぶんしょうさんが待ってくださってました。

会場の仕込みが今までで1番時間がかかったそうで(初参加のため僕自身は比較できませんでしたが😊)旗を立て、照明を吊り、芝生を準備。

空き地のサーカスあるいは、どこまでも続く草原が見えてくる空間が出来上がったなあというのが率直な感想でした。

久しぶりに人前で踊ることに緊張は隠せませんでしたが、この場所で作品が立ち上がるのを早く体験したい気持ちの方が強かったです。

リハーサルを終え、フィードバックし会場を出る頃にはすっかり日が落ちておりました。
明日からの本番3ステージに武者震いしながら帰路についたのでした。
(正木悠太)

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10月3日(土)

清々しく晴れた朝。JR三宮駅からいつもなら遠いなと思うKIITOまでの道のりも今朝は長く感じず気持ちいい。KIITOに到着すると、タクシーからヤンキーみたいな女性たちが降りてきた。ダンスキャラバンの女子ダンサーら(いはらみく、貫渡千尋、米澤百奈)である。みんな、昨日の疲れがあまり取れていない様子。続々とキャラバンメンバーが集合し、昨日できなかった部分の設営から。受付周りもKIITOの大泉愛子氏にアドバイスをもらいながら、検温ポイントや受付の位置、住所記入の場所を決める。っていうか、KIITOホールはめちゃめちゃ広い!!本当に広い!広い、広いっ!!こんな大空間で「ダンスキャラバン 」ができるなんて、夢のようである。今回の神戸公演は、30分の上演+60分のワークショップ×3回。集まってきた子どもたちはやや緊張気味。昨年までの学校公演とは違い、子どもたち同士初対面で一緒にダンスを体験する。はじめの出演者との掛け合いも消極的・・・。大丈夫かな。しかしダンスが始まると前のめりで観る姿がたくさんあった。ダンス作品「シベリアの花」は、シンプルな設えではあるが、KIITOホールの奥行きを存分に活かし、ダイナミックに仕上がった。即興をベースに演出したダンスも昨年よりも見応えがある。この一年でダンサーたちのスキルが上がっているのが分かる。そしていつも鳥肌が立つ等々力さんの歌声がホール全体に響く。その振動が余韻となり身体にスーッと入ってくる。今回リニューアルした衣装は、また瞳さんに製作していただいた。森林を風が通り抜けるような生地感が一層ダンスを引き立ててくれている。後半のワークショップでは、子どもたちも最初の緊張はどこへ?というくらい、ウォーミングアップからノリノリ。面白いオノマトペダンスがたくさんできた。参加人数の少ない回は、親子でほっこり楽しいダンスが生まれていた。特にお父さんの活躍が目立つ。今時のお父さんは踊ることに全く抵抗がない様子。2公演終わり、声をかけに男子楽屋に行くと、升田さん、等々力さん、正木くんが川の字になって寝ている。みんなかなり体力を消耗している。「ダンスキャラバン 」は、基本、出演者が仕込みやバラシから照明操作も行う(今回、音響は西川文章氏)。踊りながらゲージを上げに行ったりするのだ。しかも即興ベースなので、誰が操作をするかもその時にならないとわからない。なんて作品だ!と改めて思った。3公演を終え、さくさくバラシ搬出、dBにハイエースと乗用車で戻り、一旦機材や美術を運び入れる。当然全員クタクタ、お腹ペコペコ。新長田の韓国料理屋サムサムでサムギョプサルをモリモリ食べマッコリをゴクゴク飲んだ。新長田駅まで行って、急に等々力さんが「無理だ、新長田に泊まります」と。大阪まで帰る気力なく寿荘に宿泊された。本当に皆さんお疲れ様でした。次は淡路島。晴れますように。(田中)

[コロナ対策]検温、手指消毒、楽屋の換気、フロア、小道具や椅子、テーブル、アンケートの鉛筆の消毒。マウスシールドやマスク着用。上演中は、演者と客席までの距離を2m以上とる。子どもたちは、フラフープでディスタンスを保つ。

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10月4日(日)

晴れ。日中は半袖Tシャツで。昨日のKIITOのキャラバンと、夜にヴィラ九条山で観たニュイブランシュkyoto2020のスーザン・バージュ氏振付の上演が頭をめぐり、遅めの起床。コンテンポラリーダンスという言葉が関西に根付くきっかけとなったのが、1992年にスーザンが立ち上げたMATOMAというプロジェクトで、そのダンサーが、京都の暑い夏やdBを始動させ、その流れは今につながっている。昨晩の演目は、スーザン(御年80歳)が、当時のオリジナルメンバー6名と、当時はまだ幼くMATOMAを知らない若手ダンサー4名、そして当時からの共演していた、雅楽の方々を集めての新作。場とダンサーの配置も含めた演出でその<時の流れ>をエレガントに見せる。アーカイブをライブでクリエイティブに体験した感覚だ。新しいからだの捉え方や、ムーブメント、そして創造環境を考えることに至る迄、このプロジェクトがきっかけで当時関西のダンスシーンが急速に変化した。私も真っただ中でその影響を受けた20数年前を、昨日のことのように思い出す時間だった。

さて、本日。カルチベートのCECチームが11時から振付実験している。中は見ていないけど、いい緊張感。

一時中断してもらい、15時半から17時迄、西岡樹里さん(昨夜の上記公演にも出演していた)による新しい企画「やさしいコンテンポラリーダンスクラス」がスタート!! こんにちは、共生社会(ぐちゃぐちゃのゴチャゴチャ)の枠で、今年の一つの目標だった、「継続性のあるクラス事業」がようやくスタートを切れた。踊ってみたい方はどなたでも対象(障がいのある方も大歓迎)のクラスで、今日は5歳と2歳の2組の親子ともうお一人の、合計6名+私が参加。樹里さんも念入りに、接触せずに、一緒に踊っていけることを考えてきてくれ、徐々に皆さんの緊張がほぐれていく。親御さんは、お子さんにダンスを体験させてあげようと参加して下さったのだけれど、そのお父さんたちの男性デュオ、お母さんたちのデュオが、とてもとても沁みた。実は、家族での参加はあまり想定していなかったのだけど、このクラスが子どもも大人も、生活の役割からその一瞬は離れて、個としてダンスに向き合え、またダンスを通して個としての家族に出会える場になるのは、このクラスの新たな発見。お父さんが初めてのダンス体験に、「目覚めました!」と言ってくださったのも、とてもうれしかった。ダンスを求めるどんな人も安心してダンスできる場、そして、ダンスを磨ける場が一つ誕生。ちいさいけど、大きなはじまりの予感がしている。(文)

[コロナ対応]劇場備品消毒。扉開放。検温。マスク。手指の消毒。非接触ワーク。こまめな休憩、水分補給。

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