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タクシードライバー 孤独な男の狂気が、爆裂する その1

あらすじ

ベトナム帰りの青年トラビス・ビックル(ロバート・デ・ニーロ)は夜の街をタクシーで流しながら、世界の不浄さに苛立ちを感じていた。
大統領候補の選挙事務所に勤めるベッツィと親しくなるトラビスだったが、彼女をポルノ映画館に誘ったことで絶交されてしまう。
やがて、闇ルートから銃を手に入れたトラビスは自己鍛錬を始めるが、そんな彼の胸中にひとつの計画が沸き上がる……。 
ニューヨークの夜を走るひとりのタクシードライバーを主人公に、現代都市に潜む狂気と混乱を描き出した傑作。

解説と感想

若かかりし頃のロバート・デ・ニーロが、誰よりも人に愛されたいと願っているのに自意識過剰で女性に対して過剰な思い入れを抱き、コミュニケーションが上手くないが故に孤独に苦しんで過激な行動に出てしまうタクシードライバーのトラビスを演じ、同じように孤独でコミュニケーションが上手くない若者の心を掴み、カルト映画になりました。
この映画のヒントになったのは、アラバマ州知事を狙撃したアーサー・ブレマーの日記で、大人に成りきれず孤独に苦しみ他人とのコミュニケーションを失い、自分だけを見つめる内に自我が肥大し、自分は他の愚民とは違い偉大な使命を背負っているという妄想が膨らんでいくブレマーに同じように孤独に苦しんでいた脚本家ポール・シュレーダーは共感し、脚本したそうです。
クライマックスのヒモとの銃撃戦は、ドライな感触のバイオレンスでスカッとします。この映画のジョディ・フォスターに恋をした若者がレーガン大統領を狙撃したことでも、話題になりました。

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