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女子高生に殺されたい 田中圭演じる変態教師が、禁断の扉を開くサイコサスペンス

あらすじ

人気教師の東山春人(田中圭)は、女子高生に殺されたいがために教師になった男。
生徒と関係を持ったことが発覚したために高校を去った前任者の後釜ではあったものの、その優れた容姿と誠実さと気さくさを併せ持った性格から、たちまち春人は生徒に人気の教師となる。
やがて春人は自身が顧問となって「遺跡研究部」を新設。
彼に憧れる女生徒の一人・真帆(南沙良)は、幼なじみで親友のあおい(河合優実)を誘って入部する。
「生き物の“声”や“匂いではない匂い”を感知できる能力」「地震や生き物の死を予知できる能力」を幼少のころから持っていたあおいは、真帆とともに入部はしたものの、顧問である春人のことをなぜか恐れてた。
実は春人が二鷹高校へ赴任してきたのは、偶然ではなかった。
彼は前任者のスキャンダルを調査して自ら匿名で告発し、「キャサリン」と再会し「ある目的」を実現するために席の空いた二鷹高校へ転任してきた。
その目的とは、「女子高生に殺されたい」という欲望の実現。
完全犯罪で、全力で殺されるという理想の殺され方を実現させるために、9年もの間緻密な自分殺害計画を密かに練ってきた。
明るく平和な学園の水面下で、彼の計画が静かに進んでいく。
『帝一の國』『ライチ☆光クラブ』の人気漫画家・古屋兎丸の画業20周年記念作品を「アルプススタンドのはしの方」の城定秀夫監督が実写化。

感想など

前半部分は、田中圭演じる東山春人が自分を女子高生が殺害する妄想を実現させるために、気さくで親しみのある教師として女子高生に接しつつ、春人の自分殺害計画に必要な真帆や演劇部の京子や柔道部の愛佳を臨床心理士の研修で学んだ心理学で操って計画の準備をしていく中で、真帆の中にある闇が明らかになるサイコサスペンス。
中盤からは、春人の元カノでスクールカウンセラーの五月(大島優子)が探偵役となって、臨床心理士の研修途中で教師の道に進み自分と別れた春人に不審なものを感じ春人の高校に勤務しながら春人の周辺をスクールカウンセラーとして春人の計画を探り計画を止めようとするサスペンスミステリー。
春人の計画を実行する舞台である、文化祭の演劇での春人と真帆と五月とあおいの駆け引きせめぎ合いは、真帆をめぐる五月やあおいと春人が百合的な愛や男女の愛が交錯し、真帆を闇と春人から救おうとする五月やさおりのラブストーリーとしての展開が、演劇に造詣が深い原作者の古屋兎丸の世界観に寄せた舞台劇的なケレンみや鮮やかな毒のある世界で、田中圭と南沙良と河合優実と大島優子の白熱した演技合戦が繰り広げられ、ゾクッとさせられるオチも含めて、原作の絶妙なアレンジや春人たちの心情の掘り下げ方も巧みで、変態な群像劇の中で見終わった後には「さて心ってなんでしょう?」と自らに問いたくなるサイコサスペンス映画。
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