「私は描くの苦手なんですよ」の裏側には -教育者のキャサリンさんの休日を撮影して-

今日も日曜午前に動画を公開できました。


今回の動画は長年教育分野に身を置くキャサリンさんのお休みを記録させていただきました。

今は企業で英語を教えている彼女。

アート分野にも造詣が深く月一度誰でも楽しく作品が作れるワークショップを週末に開いています。

参加者の皆さんは思い思いの創作をしていて楽しく熱中されていました。

どのようなワークショップなのかが見られるので動画を確認してみてくださいね。

彼女とお話もしたのですが、「私はアートが苦手で」と言う人が多くてこのワークショップを始めた、という言葉が印象的でした。

以前美術の先生をしていた私、思い当たる風景が次々と頭の中に現れました。

「描くのは嫌い」という生徒ってどのクラスにも少なくとも3分の1程度居て。でも工作は好きだという子が多いんですよね。

自分が何かを描いたり作ったりする時の事を考えて、多分、「描くのが苦手」という人は以下の経験から描くことに対してネガティブなイメージを持っているのかなと思っています。


1)理解度

頭でわかっているという状態は近道を得た事になると考えていて、目指す道標ができている状態であるといえます。
もし「どのように描けばいいかわからない」という状態であれば目指すものが分からず混沌としていて、それこそ折れやすくなってしまうと思います。
知識や目指したい先人の作品があれば模写してみる、それが近道だというのも同じ事だといえます。
画材・素材には感情や思惑は無いので、苦手だからと避けるのではなく、ちょっと関われそうな事からやってみる事で新しい興味が湧き上がるかもしれません。


2)取り組んだ時間

やはり時間をかけたらその分だけ思い通りに動かせるようになるものです。
言語習得や運動でも同じ事ですが、絵も体を動かして出来上がった成果物だったりします。
解像度を上げると同時に実技に取り組む時間を増やしていく事が必要、でもそれ以外の事に時間を費やせば納得度は低くなるというのは想像できます。

人それぞれ、大切な事は違うので全ての生徒に「絵を描く時間を作れ」とは言いませんでしたが時間はやっぱり裏切りませんよね。


3)環境的要因

周囲の影響を受けない人って本当に稀だと思います。なのでやっぱり前向きな言葉をかけるのは必要だと考えて声を掛けるんですよね。
ただ、できるだけ焦点を絞った声掛けが必要で。
形を思い通りに描けないという子には描き方に良い部分を見出した上で「こうするのはどう?」と提案してみるという事をやっていました。


あとは「何を描けばいいのかわからない」という子も多いので、そんな時にキャサリンさんのワークショップの手法はいいなと思いました。

真っ白な画面に困惑する子でもアウトラインを見せて、その中で自由にやってみるよう促す。
そうすると手が動き始めるんですよね。

自由、とはいえど枠を作った中での自由の方が輝く人の方が多いと感じています。


試行錯誤していた日々を思い出しつつ、自分でも何か導けるものをやってみたくなった時間でした。

この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?